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【本音の開業体験談 それぞれの開業スタイル】 第2回
第三者から引き継ぐ承継開業編
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今回は第三者の承継を体験された先生からお話をお伺いしました。 (前回の内容はこちら)
開業10年目 福岡市Bクリニック B先生
■ 「先輩医師からの紹介がきっかけでした。」
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Q 承継での開業のきっかけをお聞かせください。
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【B先生】 実は計画的ではなく、漠然と開業を考えていた程度でした。 勤務医時代に、手術も多く経験させていただき、やりがいは感じていました。 しかし正直、肉体的には大変でした。 40歳を超えてから体力的に、このまま続けていけるだろうかと考えるようになり、開業を志すようになりました。 まずは開業セミナーに参加し、それをきっかけにコンサルタントの方から新規開業地を探してもらいました。 その時に先輩の医師から、親族の後継者がいないクリニックが、第三者へ譲渡したいとお話をいただきました。
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Q 魅力的な条件だったのでしょうか?
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【B先生】 まず立地だけを考えると、当初コンサルタントの方から勧められた場所も、悪くはなかったと思います。 むしろ、診療科目は違いますが、その場所で開業された先生がうまくいっていると聞いています。 費用面からも、土地・建物・のれん代(営業権)を含んで、資産を引き継ぎましたので、新設の開業と大きく変わらなかったのではないでしょうか。 理由を聞かれますが、単純にご縁を感じたからというところでしょうか。
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■ 新築にはない苦労! 建物の経年劣化
Q 承継の注意点やご苦労をされたことはございましたか?
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【B先生】 1. 建物の築年数が古かったので小さな修繕は多いです。 ある程度の修繕費用は資金の計画に入れること、建物を建築した施工店も引き継ぎの際に紹介してもらうこと。 反対にこれまでの施工店との相場感でおこなっていることもあるので、念のために、他の施工店にも相見積もりを取ることをお勧めします。 2. 開業当初は以前の先生と比較されることが多かったように思います。 親子間であっても、必ず比較され「治療方針が違う」などとおっしゃる患者さんがいると思います。 当然、診療方針も違いますので仕方がありません。 時間と共にそうおっしゃる方は少なくなりました。 承継当初の診察は、患者さんに耳を傾けること。 こちらの診療方針を丁寧にお伝えすることで、徐々に理解をしてくれるようになります。
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■ 承継前には、譲渡される資産だけでなく既存のスタッフにも注視すべきです
Q 承継開業のメリットをお聞かせください。
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【B先生】 承継での開業しか知らないので、他の開業医のお話と比較になりますが、患者数には苦労しませんでした。 承継当初から一定の患者数が見込め、安定した収入のお陰で苦労はなかったように思います。 スタッフも、そのまま引き継ぎましたので育成や採用には苦労が少なかったと思います。 私は「診療方針など違う」と言われましたが、スタッフは患者さんと顔なじみであり、受付の要領を得ていますので、患者さんにとっては安心感に繋がっていたと思います。 これは今だから言えることですが、承継前に問題を抱えたスタッフが2名いたと聞きました。 以前の先生が上手に退職勧奨してくれたお陰で人間関係などの大きな問題がなかったように思います。 承継前は、どうしても、モノ(建物・機械)や既存の患者数に話が先行しますが、スタッフの良い点、悪い点も現院長から正直に話してもらう必要があるのではないでしょうか。
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■ 看板・待合室は大きくリニューアル
Q これまでと違う取組などがあればお聞かせください。
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【B先生】 看板は、必ずリニューアルすると思います。 しかしこれまでと同じ位置・同じような形にとらわれます。 最初の開業時代と比べ、現在の景観や交通量などは大きく変わっていました。 クリニックの看板は、以前よりサイズを大きくし、より視認性のある色遣いを採用しました。 数か所あったロードサイドの看板も、費用対効果のない看板は契約更新せず、新しくできた道路に看板を出しました。 あと問診票は、大きく変えました。 以前のクリニックにはホームページがなかったので、来院のきっかけなど、今後の分析に活用するために「来院のきっかけ」のチェック項目を設けるなどの工夫をしました。 内装については、スリッパをなくし下駄箱も撤去しバリアフリーに変更しました。 昔ながらのイメージを少しでも変えるために、唯一、待合室は大きくリフォームしました。
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Q 今後、開業される先生にお伝えしたいことがあれば一言いただけますか。
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【B先生】 承継のメリットの1番は既存の患者さんがいることです。 以前の先生と比較されますが、そこを励みに、これまで以上に患者数を増やしてもらいたいです。 地域で認知されているクリニックであれば、必要としている患者さんもいらっしゃいます。 クリニックを必要とされる患者さんと地域医療に貢献されてきた先生の想いを引き継げることも、新設のクリニックにない醍醐味です。 是非、後継者不足・患者さんに求められている地域であれば、第三者承継を考えてもらいたいと思います。
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