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コンシェルジュ 宮地 孝郎

リスクマネジメント・ラボラトリー

宮地 孝郎

こんにちは、m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている宮地です。

執筆している2月21日現在、猛威を振るっている新型コロナウィルスについて、感染症に関する保険の支払いはどうなるのか? また改めて保険で定義されている感染症について本日はお伝えさせていただきます。

今回の新型コロナウィルスに限らず、感染症と補償範囲について少しでもご参考になればと思います。 配信される時には終息されていることを祈ります。

新型コロナウィルスの感染!保険は活用できるのか!?
【対象になる感染症とは?】
新型コロナウィルスの感染!保険は活用できるのか!?

【対象になる感染症とは?】

保険には、多くの保険種類(商品)が存在します。 中でも損害保険については、下記(表2)列挙しているように、事業で活用されている保険、クレジットカードの付帯サービスで馴染みの海外旅行保険など多くの方が何らかの保険に加入されていると思います。

では感染症に発症した場合に、先生方の加入されている保険は支払いの対象になるのでしょうか?

感染症は、感染症法における分類で対象範囲を設けています。 簡単にまとめると約款上の支払いとなる感染症の定めで支払いの有無が決定することになります。

感染症法による分類と補償範囲(表1)

現在、新型コロナウィルスは感染症法における『指定感染症』に指定する政令を閣議決定されていることから、概ね対象とされる一類~三類感染症と異なりますので現段階ではほとんどのケースで補償対象外となります。 ただ一部の保険会社の商品で約款上『指定感染症』お支払いするとの記載があり対象となるケースもあります。

 

■ 生命保険のケース

死亡を目的とした生命保険(定期保険、終身保険、養老保険)、傷病、問わず死亡した場合は支払い対象です。 医療保険(疾病保障)も疾病であれば入院・手術の治療が伴えば支払い対象となります。

さらに「災害・傷害割増」等の特約が付加されている場合は、基本の保険金に上乗せされて保険金が支払いされます。

災害・傷害の定義: 不慮の事故や所定の感染症で死亡あるいは入通院したとき

しかしここでの感染症の多くは一類~三類感染症と限定されるケースが多く、新型コロナウィルスでの対象は難しくなると思います。

では損害保険について、もう少しだけ詳しく見ていきますと

損害保険の保険種類ごとのケース(表2)

 

■ 海外旅行保険についての支払い

疾病死亡・治療費用補償については、定められた期間内で治療開始した際には、対象となるケールが多いですが、期間外での新型コロナウィルスについては、感染症法の分類から外れるため対象外となる可能性が高いです。

ただ今回のように「渡航中止勧告」を受けて旅行中止した関連費用は『旅行変更費用補償特約』で対象となりますので、同じ保険商品の中でも対象の有無が異なります。

感染症と言っても、契約時期・保険会社・商品によって約款が違います。 今後、各保険会社の内容も変わる可能性もあり、将来に亘って約束されたものでありません。 今回は一般的な内容でお伝えしていますので正確な補償範囲については、皆様の加入保険会社にご確認下さい。

※ 今回の内容につきまして
2020年2月21日、現在の情報に基づき作成しております。

コンシェルジュ 宮地 孝郎

いかがでしたでしょうか?

新型コロナウィルスについては、この記事を書いている2020年2月21日時点では、「指定感染症」とされていることから、ほとんどのケースで支払い対象外となることがわかります。

保険加入の検討時、あまりフォーカスされてこなかった感染症補償ですが、この機会に、補償を確認することが肝要ではないでしょうか。

新型コロナウィルスの被害については、いずれ終息することかと思いますが、感染症・自然災害など外的な要因で経済状況は大きく変化します。 万が一の際に、財務基盤を整備しておくこともリスクマネジメントの一つです。

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