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コンシェルジュ 佐久間 洋

リスクマネジメント・ラボラトリー

佐久間 洋

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている佐久間 洋です。

先生方は「お金のこと」「ライフプランのこと」など、医療以外の周辺知識についても様々なことで悩まれています。 特に開業されてからは「クリニックの経営のこと」、「税金のこと」、「職員のこと」など、そのお悩みは多岐にわたります。

今回、我々がコンサルティングの現場で先生方から「開業前にこの情報を知っていたらこんなに悩まなかったのに」とよくいわれる内容について、コラムとセミナーでお伝えしています。

2020年のセミナーは10月に終了しましたが、2021年も引き続きセミナーを企画してまいります。 内容確定次第ご案内いたしますので、ご期待ください。

今回は「ドクターのライフプラン」について考えます。

【開業前に知っておきたいクリニックの作り方】
「ドクターのライフプランを考える」

【開業前に知っておきたいクリニックの作り方】

「ドクターのライフプランを考える」

■ ドクターのライフプラン

一般的にライフプランとは生活や子育て、老後などの計画のことをいいますが、今回はその目標を、”老後も現役時代も資金破綻しない”こと、と定義し、ドクター独特のライフプランについて考えてみます。

ドクターのライフステージの変化
厚生労働省の統計によると、医師資格を持つ方は327,210人(平成30年)。 そのうち病院の開設者・法人の代表者は5,183人、診療所の開設者・法人の代表者は71,709人で、医療機関を経営されている方は76,892人となります。 つまり、医師資格を持っている方のうち約23.5%は「経営者」ということになります。

【平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/index.html

一般の職業で、25%近くが経営者になるということは考えにくく、医師という職業がライフプランを考えるうえでも特殊なことがお分かりいただけると思います。 しかし経営者となられたドクターも、最初から経営者というわけではありません。 ご自身の予想に反して勤務医から経営者に変わらざるを得ない場合など、突然のステージの変化を受け入れている方も多いのが現状です。

一般的にライフプランから収支のシミュレーションを行う際には、その方の職業に応じて収入などを予測します。 ドクターの場合はどこでその状況が変化するかを予測するのはとても難しく、ほかの職業の方々に比べると、収支などの計画を立てる際には「その計画がライフプランの変化に対応できるのかどうか」という点が、とても重視されることになります。

たとえば、開業して多額の返済をされているドクターから「資金が足りない」という相談を受けることがあります。 そのドクターの収支を確認させていただくと、勤務医時代に老後の貯蓄として加入した生命保険が足かせになっている、などというケースがあります。

多額の借入の返済と老後に向けての保険料の負担のどちらを優先するか、という選択を迫られ、借入の金利と生命保険の貯蓄性とを比較して、泣く泣く生命保険を解約される方もいらっしゃいます。

もちろん、生命保険の解約返戻金は借入を返済する原資にもなりますので、「勤務医時代の保険加入に効果がなかった」、ということではありませんが、当初に想定していた結果とは大きく異なる結果になってしまいます。

では、どのように収支計画を考えていけばよいのでしょうか。 ドクターの収支計画を立てる場合には、一般の職種とは異なるドクター独自のポイントを視野に入れる必要があります。

 

■ ドクターならではの”必要な備え”とは

ドクターの場合、前述したとおり大きな収入の変化が起きることがあります。 また一般に比べると、お子さまが医師になりたいと医学部を目指す場合が多く、その場合は一般の学部よりどうしても多額の教育費がかかることが多いです。

昨今では「子供が必ずしも医師にならなくてもよいかな」とおっしゃる方も増えましたが、お子さまが自分から目指すことも多分にあり、備えは必要です。

私のお客様でも、娘さんが高校二年生の秋に突然「医学部を目指す」といって受験勉強を始めたり、大学卒業直前の就職活動中に「やっぱり医学部に行きたい」と医学部予備校に通い始めたりといった方もいらっしゃいました。

当然ですが、そのような場合は計画していた資金を超える大きな資金需要が発生しますので、十分な資金準備が必要となります。

以上のように、どんなに計画を立てていても、外的、内的な様々な要因でドクターのライフプランニングは大きく変化します。

あまり考えたくないことではありますが、一家の経済的な柱であるドクターに長期療養が必要になったり、不慮の事故や病気でお亡くなりになったり、ということがあればご家族のライフプランは大きく変わることになります。

このような要因に備えるために多くのドクターが生命保険や損害保険に加入されていますが、ご家族や仕事がどのような状況にあるのかによって、必要になる備えは当然異なります。

勤務医・開業医・医療法人経営者、どのステージにおいても必要な生活費などの資金はもちろん、置かれている状況独特の必要資金(借入金返済、スタッフ退職金、診療所承継費用、相続税など)に対しての備えも考える必要があります。

コンシェルジュ 佐久間 洋

いかがでしたでしょうか?

ドクターのライフプランニングを考える場合、構成要素が多岐にわたること、また一般の方に比べて構成要素が不確定で予測が難しいこと、などが大きな特徴です。

ライフプランから考える収支計画や金融商品の選択は、ドクター独特の状況に応じた変化の予測も重要ですが、さらに、その予測外の変化にも対応できる計画や選択が必要であるといえます。

来年のセミナーではこの「ドクターのライフプラン」をどのように考えるのか、また変化に対応できる対応策や金融商品の選択などについても講座を設ける予定です。

ライフプランについて考えてみたいという先生はぜひセミナーにご参加いただければと思います。 個別ケースについてのご相談は当社にてお引き受けしておりますので、いつでもご相談ください。

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