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m3コンシェルジュ 宮腰 亜希子

リスクマネジメント・ラボラトリー

宮腰 亜希子

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー大阪支店の宮腰です。

前回は、「開業=経営者になる」ということで、経営をしていくうえで切っても切れない「決算書」についてお伝えしました。

今回は「開業前に知っておきたいおカネのこと」をお伝えします。

医業に関わらず、経営には3つの資源があります。 それは「ヒト」「モノ」「カネ」です。 最近ではそれに、「情報」が必要とされます。

解説は、大阪を中心に約150軒の病医院の顧問先があり、開業・事業継承に多くの実績と経験がある河村会計事務所、河村 好夫税理士にお願いしています。

それでは、どうぞ。

開業・「こんなはずでは・・・!」の前に知っておきたいこと
第2回 経営の3つの資源「ヒト」「モノ」「カネ」と情報

開業・「こんなはずでは・・・!」
の前に知っておきたいこと

第2回 経営の3つの資源
「ヒト」「モノ」「カネ」と情報

■ どんなことから始めるのが良いか?

開業を考え始めたドクターから、「まずはどんなことから始めるのが良いのでしょうか?」と聞かれますので、整理してみます。

  • 自己資金の確保
  • 資金計画と資金調達
  • 開業地の選定
  • 取引業者の選定
  • スタッフの募集と採用
  • 開業手続きに必要な開設届と保険医療機関申請

などが挙げられます。

これらのことをスムーズに進めていくためには、まずは「いつ開業するか」を決めることです。 突発的な事情などで予定が変わることもありますが、時期が決まらない限り具体的な準備にとりかかることができません。

開業予定時期から逆算してスケジュールをたて、ポイントを押さえていくことが大事です。 一般的には、場所探しから始めて、テナント開業では6か月~1年、戸建て開業では1~2年かかります。

それまでの期間は、先輩や後輩の開業している病医院をたずねてみて、クリニック設計の満足・不満足部分を聞き出すなど、実際に開業してみないとわからない生の声を1つでも多く情報収集することが重要です。

その他に、開業セミナーに行って話を聞く、開業希望地を調べる、などに時間を充てると良いでしょう。

 

■ 開業前からしておきたいおカネのこと

具体的に物件が決まると資金的なお話へと進みます。

診療科目によっても違いますが、少なくとも自己資金として2,000万円は準備しておきたいものです。 ですので、開業時期を決めたら、節約を心掛けて無駄遣いをやめ、少しでも自己資金を多くすることを考えてください。

開業後の税務調査では必ず自己資金の確認をされます。 開業資金を調達するのに、親御さんなどの親族から支援を受けられるケースも多く見受けられます。

特に親御さんの場合は「返済は出世払いで」と貸してくれることもあるのですが、この場合、贈与とみなされて贈与税が課税されてしまうこともありますので注意してください。 たとえ親族からの借り入れであっても、一般の借り入れと同じようにしておく必要があるのです。

例えば、市場金利を参考として利率が設定されている、契約書(金銭消費貸借契約書)を取り交わしている、期間は数年間にわたるものである、などが主な要件となります。

返済については、口座振替にして記録を残すようにする方が良いです。 そして、返済は滞りなく行ってください。 長い間返済が滞っていると、実質的な贈与ではないかとみなされて贈与課税される恐れが高くなります。 ただ、基本的に無金利で貸してもらえる(援助してもらえる)ので、その際は大いに甘えると良いでしょう。

その他に、開業前に知っておいていただきたいことは、開業の準備でかかった費用は、開業後に「開業費」として償却できるものもあるので、必ず領収書を保管しておくということです。 例えば、開業セミナーの会費、開業予定地の視察のための交通費、打合せのための飲食費、クリニック用物件の賃貸契約にかかる家賃や仲介手数料などです。

そして、領収書の裏には何に使ったのかがわかるように、裏書をしておくことです。 開業前であっても税金上の計算は既にスタートしていますので、領収書をしっかり保管してください。

開業に関わる費用であれば、期間の定めはありませんので、たとえ数年前のものであっても開業費とすることができます。 まずは領収書に裏書する、保管するということを習慣付けるようにしてください。

開業を決意した時からがスタートです。 その時から、相談できるパートナーを見つけることも忘れないでいていただきたいです。

m3コンシェルジュ 宮腰 亜希子

いかがでしたでしょうか?

予め知っていれば、いざという時に慌てなくて良いことも多いです。 よく準備8割と言いますが、まさしく開業に関しても念入りに準備をすることが成功への第一歩となります。

開業をお考えになるうえで、ぜひとも知っておいていただきたい「ヒト」「モノ」「カネ」の情報のセミナー「クリニック開業塾 大阪 2017 - 今どきの開業・継承事情 ― 収支分岐点を知る -」を12月3日(日)に開催いたします。

当日の講師は、今回の解説者である、河村会計事務所、河村 好夫税理士が務めます。 河村税理士は実際に、成功体験や失敗談を数多く見聞きし、実務経験豊富な分かり易いアドバイスに定評があります。

船が出航してしまったらもう後戻りはできません。 失敗から学ぶことも確かにありますが、「ご自身やご家族の夢」の実現のために失敗は極力したくないものです。

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