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クリニック開業
見逃してはいけない! クリニック設計の落とし穴!!
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リスクマネジメント・ラボラトリー
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皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの並木です。 ご開業までのステップのなかでも、多くの時間を費やす内装設計。 内装や什器は開業した後に簡単に変更したり入れ替えたりできるわけではありません。 先日も都内のある内科の先生から、「バックヤードが検査室の患者さんから見えてしまうので、看護師やスタッフが患者さんを気にして効率が悪くなっていて困っている。」 というご相談がありました。 このご相談のクリニックのようにならないために、「見逃してはいけない! クリニック設計の落とし穴!!」というテーマで、医療機関の設計に定評のある株式会社リチェルカーレの代表取締役 高橋邦光社長にお話をお聞きしました。 それでは、どうぞ。
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■ 設計依頼時に注意するポイント
クリニックの内装を内装業者や設計士に依頼するにあたり、注意するポイントがいくつかあります。
- 医療設計の経験が豊富かどうか
- 今まで手掛けたクリニックを見学できるか
- 既製品の活用は
・・・など。
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1. 設計士の医療設計経験が豊富かどうか
まず一つ目の重要なポイントは、依頼する内装業者もしくは設計士が今までにどのくらい医療設計の経験があるかということです。 やはり、医療設計の経験が無かったり、少なかったり、という設計士からは「設計上の工夫」といった提案は出てこないでしょう。 いくらデザインや見た目が良くても、クリニックは飲食店やブティックではありません。 いかに効率よくドクター・スタッフ・患者さんの動線を導き出していくかが最優先となります。 また、必要とされる医療機器のサイズ・電気容量・LAN配線なども熟知していなければなりません。 これらを考慮せずに見積もりをすれば当然のように安い金額が提示されるでしょう。 しかし、結果として工事中の追加金額の発生やトラブルの原因となります。 以前このメールマガジンでもお届けしましたが、追加工事の金額を減額することはとても難しいのです。
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2. 今まで手掛けたクリニックの見学は可能か
「今まで手掛けたクリニックを見学できるか」ということも重要なポイントとなります。 見学をすることにより各部屋の広さや間取りを実際に体験もできますし、どのくらいのレベルの施工を行っているのかが分かります。 また引き渡し後もアフターケアも含めてドクターと良好な関係が築けているかのチェックも可能です。
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3. 「既製品の活用」
また、「既製品の活用」も一つのポイントです。 コストダウンを図るポイントとして既製品の活用も効果的です。 什器備品をオーダーメイドで作成しようとすれば当然費用は大きくかかります。 ドクターにこだわりがあるエリア(例えば待合室など)はオーダーメイドで作成したとしても、その他の部屋の書庫やラック、棚ドアや流し台などは既製品を活用することで大幅なコストダウンが実現できます。 これらの既製品の什器備品は開業後に経営が安定してから改めて製作することもできるので、メリハリをつけた考え方をすることも重要です。
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■ その他のポイント
この他にも、ドクターが設計者を決めるにあたり
- 診療科目ごとの違いについて、知識をどの程度持ち合わせているか
- 医療設計の知識はもちろん、開業までの流れ・医療機器・各官公庁への申請などについても熟知しているか
- 開業に必要な周辺業者とのネットワークを持っているか(開業までに様々な業者がかかわってくるが、必要な時に紹介等をしてくれるか)
なども大切なポイントになります。 これらのポイントを確認しながら最終的にドクターが意思決定をしていくことになりますが、見積書の内容を確認する際に、見積書に含まれているもの、含まれていないものを良く確認することが重要です。 特に最初の段階で提出される「概算見積書」の金額を鵜呑みにするのは危険です。 初めに安く金額提示されて、打ち合わせが進みもう引き返せないという段階になってから、何割も金額がアップした正式見積書を提示されるケースも耳にします。 ですので、
- 図面についての質問に対し、納得できる回答をもらえる
- 誤解の生じやすいメールだけでなく、面談での打ち合わせが可能である
なども重要なポイントといえるでしょう。
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