当然ですが、子どもは自分が生まれてくる地域を選べません。 したがって、ご家族やお子様は、どの環境に生まれても一生懸命頑張って、その地域に適応しようとしているわけです。 それは勉強や運動も同様です。
ただ、最終的にはお子様が大学に進みたいといった場合、特に医学部受験では全国を視野に入れることになります。 したがって大学受験においては、いろんな地域や環境で育ってきた受験生と最終的にはガチンコの戦いになる・・・ということです。
そこで抑えておくべきポイントは次の2点です。
(1) それぞれ環境に合わせて子育ての戦略を立てる
(2) 他の地域でライバルがどのように育っているか
これらをも前もって知っておくことが、子育てにおいて親ができる「予習」なのではないでしょうか。
■ 首都圏 VS 首都圏以外
- 首都圏のスタンダード
地元の小学校に通いながら小学校中・高学年で進学塾に通い、中学受験をして私立の中・高一貫校に進学、その後大学受験へ。 地域やコミュニティによっては、対象者の50%~80%がこのコースを進むケースもあります。
- 首都圏以外のスタンダード
最近は私立への進学が増えてはいるものの、まだ多くは学区の小学校・中学校に行き、地域でナンバーワンの県立高校を狙ってその後、国立大学に進学。
つまり、首都圏は中学受験、首都圏以外は高校受験が主流と言えますので、この両者の違いは「中学受験と高校受験の違い」と言いかえることができます。
■ 「中学受験」 VS 「高校受験」
大学受験を視野に入れた場合、「中学受験」と「高校受験」それぞれにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
「中学受験(特に中高一貫校)組」は、合計6年のカリキュラムを5年で終わらせて大学受験に備えるパターンが多いため、一般的には「高校受験組」より有利と言われています。 では、首都圏以外に特に多い「高校受験組」はどのような対抗策をとればよいのでしょうか。
その一つの答えが「英語の戦略」です。 最近では、大学入学共通テストで英語の資格取得者に有利な条件を与えるケースが増えています。
実は、この英語の戦略においては「高校受験組」が有利とも言えます。 と言いますのも、英語の習得は早めの取り組みが効果的なのは言うまでもありませんが、「中学受験組」は、小学校高学年の重要な時期に受験に時間を割かなければならないため、英語に充てる時間がどうしても限られてしまうからです。
また高校受験は中学受験と比べて「内申点」が重要視されます。 内申点は「基本的な生活習慣」や「健康・体力の向上」「自主・自律」「責任感」「創意工夫」「思いやり・協力」等の非認知能力を数値化したものが一般的です。
それに加えて学校での活動記録や表彰実績等が記入された「内申書」が高校側に提出されます。 これらは高校受験前に急に変えることはほぼ不可能です。 つまり、幼少期からの家庭環境・親の接し方が重要なポイントになるのです。 |