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コンシェルジュ 塩田 麻希子

リスクマネジメント・ラボラトリー

塩田 麻希子

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている塩田 麻希子です。

はじめての資産運用」シリーズでは、証券の部署で働くことになった私が投資について勉強するにあたり抱いた疑問を、m3メールマガジンを連載している「先輩社員の高橋」との対話の中で解消していく様子をお伝えしていきます。

私と同じように投資や資産運用についてこれから知識を深めたいと思っている先生方の一助になれば幸いです。

まずは登場人物の紹介をします。

高橋高橋
資産運用アドバイザー。 コロナ禍で在宅時間が増え料理が少し上手くなった。

塩田塩田
昨年度、証券の部署に入ってきた。 何事も疑ってかかる性格。 コンビニのガパオライスがお気に入り。


それでは、どうぞ。
【はじめての資産運用 7】
初心者が選ぶべき投資信託

【はじめての資産運用 7】

初心者が選ぶべき投資信託

■ 投資信託の主な投資対象と最新の状況

塩田前回は「効果的な投資信託の買い方」ということで、3つの財布に分けて資産運用に回す金額を考える方法と、毎月決まった金額を積み立てていくドルコスト平均法という買い方について教えていただきました。

高橋 はい。

塩田ではその資金と積み立て方法を使って、一体どんな投資信託を買うのが良いのでしょうか。 一口に投資信託と言っても、表を見ても分かるように様々な投資対象の投資信託があるのですね。



高橋5~10年以上前は、投資初心者は「リスクの低い債券型の投資信託から始めましょう」という考え方が主流でした。 今もこの考え方自体は悪くはないですが、肝心の債券の利回りが世界各国で大幅に低下しているため、債券型の投資信託のみへの投資は有効ではなくなってしまいました。

塩田そうなんですね。 そうしたら、私たち初心者の人はどうしたらいいでしょうか。

高橋 リスクを負うことにはなりますが、株式型の投資信託へ投資をするか、株式への投資割合が比較的高めのバランスファンドへ投資をするのが良いと思います。

バランスファンドであれば、株式や不動産などのリスク性資産への投資割合が50%以上のものが良いでしょう。

 

■ S&P500とは

塩田なるほど。 分かりました。

株式型の投資信託へ投資をするということでしたら、その中でも全世界に投資をする投資信託を買うのが最も合っているということでしょうか。

高橋 そうですね。 そのような考え方もできるのですが、例えば日本の株価だと、下のグラフを見てみても分かるように日経平均株価がずっと横ばいになっています。



クリックにより拡大!


日本経済新聞の「日経平均四本値」月次データより、筆者がグラフを作成
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/data?list=monthly


塩田日経平均株価は1989年の38,915円が最高値で、その後はずっと低迷し続けているんですね。

高橋2012年頃から日経平均株価が大きく上昇し始めていますが、日本の年金を運用しているGPIFや日銀などの機関投資家が大量に日本企業の株を買っていることが背景にあります。

純粋に日本の企業の価値が認められて株価が上昇しているというわけではないので、注意が必要です。

塩田 なるほど。

高橋 全世界の企業の株ということは、こういったパフォーマンスの良くない日本の企業のような株も含んでいることになります。

もちろん日本企業の株を除いた全世界株に投資をしている投資信託もありますし、そういったものを選ぶこともできるのですが、今後投資をしていくとしたら、アメリカ企業の株の投資信託が良いでしょう。

塩田アメリカ企業一択で投資をして大丈夫なのでしょうか。

高橋 もちろん全世界の企業の株に投資をしても良いのですが、世界の時価総額トップ50社の半数以上がアメリカの企業ですし、より効率のいいパフォーマンスを狙える投資信託としてはアメリカ企業の株が良いのではないでしょうか。

塩田アメリカ企業の株と言えば、NYダウとS&P500という2つの指数がありますよね。 日本だとNYダウが日経平均、S&P500がTOPIXと似ていると思うのですが、どちらが良いのですか?



総務省統計局(https://www.stat.go.jp/index.html)より
S&P500(1970~2020年)のデータを基に筆者がグラフを作成


高橋 NYダウが30銘柄なのに対し、S&P500は500銘柄と種類が多いですし、アメリカ市場の時価総額78%をカバーしていますので、S&P500が良いと思います。

塩田日経平均の225銘柄と比べてもS&P500の組み入れ銘柄数はかなり多いですね。

高橋 また、NYダウの銘柄選択は厳格なルールに基づいてというよりも、これまでの成長実績や投資家の関心度等などに応じて選定されるのに対し、S&P500の方は独自の評価基準で財務の健全性や業績、時価総額61億ドル以上などの厳格な組み入れ条件が定められており、定量的な基準に従って管理されています。

塩田 そうなんですね。

高橋 S&P500は年に4回と、定期的に取扱銘柄の入れ替えがあり、2002年から2018年までの19年間で、平均すると1年で約4.6%の23社程が入れ替え対象になっています。

一方でNYダウの方は30銘柄と銘柄数が少ないため。1年で大体1社、約0.9%の銘柄入れ替えになっています。

塩田なるほど。 良く分かりました。 定期的な銘柄のチェックがあることで、厳しい基準をクリアした企業のみが組み入れ銘柄として残るわけですね。

高橋 その通りです。

塩田S&P500と同じ値動きを目指した投資信託ということでしたら、かなり数も絞れますね。

コンシェルジュ 塩田 麻希子

いかがでしたでしょうか?

一般的に株価は秋~年末にかけて株価が高くなりやすいと言われています。 コロナウイルスの感染拡大やアメリカ大統領選など株価に大きく影響する事柄も多くありましたが、過去から今までと同じように上がったり下がったりしながらも長期的には値上がりが見込めるのではないでしょうか。

国によってワクチンの接種が開始され始めたとはいえ、コロナの終息にはまだまだ時間がかかりそうな雰囲気があります。 大変な時期ではありますが、お体ご自愛いただき良い年をお迎えください。 来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーでは資産形成におけるコンサルティングを数多く取り扱っております。 資産運用をこれから始めていきたいと考えていらっしゃる先生や、現在の運用を見直したいと感じておられる先生はぜひ当社をご活用いただければと思います。

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