こんにちは、税理士法人エイアール税理士事務所の原 知子です。 今回は、必ず融資の申込みにあたって確認すべき3つのポイント「借入金額」「金利」「返済期間」についてお伝えします。
■ 融資申込み、3つのポイント
なぜ、この3つのポイントを確認すべきなのでしょうか。 それは借入金の返済額はこの3つのポイントで決まるからです。 この3つのポイントに優先順位をつけると、「借入金額」「返済期間」「金利」の順番となります。 1. 借入金額 融資を受ける際は「金利」に目が行きがちですが、一番に優先すべきは「借入金額」です。 必要な資金を融資してもらえなければ事業をスタートできませんし、その借入金額を利益から返済できるか検討しなければならないからです。 最初にいくら融資を受けるのか。 資金計画と事業計画を照らし合わせて検討することを、お勧めします。 2. 返済期間 少しでも長く設定した方が良いでしょう。 たとえば、10年と20年の返済期間の比較であれば、お勧めは20年です。 その理由は、二つあります。 一つ目は、返済期間が長期になればなるほど毎月の返済額は少なくなりますので、開業後の資金繰りが楽になるからです。 二つ目は、開業後に交渉しづらいことの一つとして、当初の返済契約の期間を延ばすことがあります。 言い換えると、当初の事業計画から開業後に「私の計画が甘かった・・」と謝罪の上、契約条件の変更をする形になります。 簡単に金融機関が了承することは難しく、幸いにも了承してもらえた際には、当初の金利とは比較にならないくらい高い金利になってしまうからです。 3. 金利 金利は、必要資金を調達するための調達コストです。 3つのポイントのなかで優先順位は一番低くなっていますが、当然、交渉はきちんとしなければなりません。 金融機関は、金利は貸付リスクに応じて設定します。 つまり、金融機関は、貸付先の安全性、貸付期間などさまざまな条件によって金利を上下させます。 たとえば、事業に潤沢な資金があり計画に見通しをきちんと立てている貸付先に対しては、短期間の貸付であれば金利は安くなりますが、資金が乏しく事業の見通しが甘い貸付先に対しては、長期間の貸付であると金利は高くなります。 資金調達をする場合、返済期間を可能な限り延ばすと金利は概ね高くなりますが、返済期間を短縮することはいつでも容易くできます。 したがって、利益が生まれ余剰金が発生した際に、銀行へ繰上げ返済の申し出をすれば良いのです。 繰上げ返済の効果として、期間の短縮や、同時に金利の圧縮も図れます。 この「融資申込み、3つのポイント」を念頭におき、融資申込みをする必要があります。
■ 融資に必要な書類
融資の申込みをする際は、融資申込書の他に事業計画書、履歴書、医師免許証の写し、運転免許証の写し、個人情報の同意書などを提出します。 その後、面談があります。 面談では下記の事項をヒアリングされますので、回答できるよう準備しておくことが大切です。 ・ 開業(事業承継)の経緯(開業決断理由など) ・ 診療所の規模について ・ 専門領域(これまでのオペ実績など) ・ 開業後の連携先 ・ 開業後の経営戦略 など 金融機関との交渉には、院長の人柄と医院経営に向かうビジョンと熱意を理解してもらうように誠実な態度で臨み、事業計画の説明時には、診療圏調査などの資料を基に具体的に説明をして事業としての将来性があることを理解してもらうことがなによりも重要です。 経営者として、その事業計画が成り立つのかどうかの根拠を示せるようにしておいてください。
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