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m3コンシェルジュ 高橋 和宏

リスクマネジメント・ラボラトリー

高橋 和宏

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの高橋 和宏です。

「投資信託を持っているのですが、自分が得をしているのか損をしているのか分かりません。 定期的に証券会社から報告書が送られて来るのですが、見方が良く分からなくて・・・。」

投資信託に関するご相談をうけたまわる際、非常に多くご質問いただく内容です。

今回は「ご自身の損益」を分かりやすく把握する方法をお伝えします。

自分の身を守る投資 第12回
「利益? 損?」 分かりやすく損益を把握

自分の身を守る投資 第12回

「利益? 損?」 分かりやすく損益を把握

■ トータルリターン通知制度

2014年12月1日より投資信託等のトータルリターンの通知制度が導入されました。 従来は、証券会社等から届く「取引残高報告書」をもとに、損益状況を確認する必要がありました。 しかし「取引残高報告書」は主に現在の評価額のみの記載であり、いくら投資をしてどの程度の利益(あるいは損)が出たのかを把握しづらいという現実がありました。

そこで登場したのが、この「トータルリターンの通知制度」です。

ご自身が投資をするにあたり、今までに合計でいくら証券会社等に入金して投資をしたかを正確に記録されている方はあまりいらっしゃらないと思います。

しかしながらこのトータルリターンの通知制度が始まったことにより、投資金額から損益まで比較的容易にご自身の取引状況を把握することが可能となったのです。

トータルリターンの通知書は最低でも年1回以上、投資信託を購入した先の金融機関から郵送されて来ます。 従来の取引残高報告書と一緒になっているケースがほとんどですので、書類が送られてきたら目を通されると良いと思います。

■ トータルリターン通知書の記載事項

トータルリターン通知書に記載されている数字はいくつかの項目に分類されています。

  1. (A) 評価金額
     保有している投資信託の時価評価額
  2. (B) 累計受取分配金額
     今までに受け取った分配金額の合計
  3. (C) 累計解約金額
     今までの解約金額の合計
  4. (D) 累計買付金額
     今までの買付金額の合計(分配金の再投資分を含む)
  5. (E) トータルリターン
     投資金額と投資結果の総合計を比べた損益

トータルリターンの計算式は次のようになります。
トータルリターン(E) = (A)+(B)+(C)-(D)

それでは、実際のケースで見ていきたいと思います。

■ [例1] 分配型ファンドを保有し、分配金を受け取っている場合

例1

投資金額(D)は 100万円 です。 現在の評価額(A)は 80万円 となっています。

100万円投資をして80万円になっているので投資元本で見ると20万円減ってしまっているのですが、これだけでは投資の全体像を把握できていません。

累計受取分配金額(B)を見てみると、今までに分配金として 35万円 受け取っていることが分かります。

そのため、この方の投資金額、投資結果は以下のようにまとめられます。

「100万円を投資しました。 投資金額の時価評価金額は80万円となっています。 これとは別に今まで分配金として35万円受け取っています。

そのため100万円が80万円+35万円=115万円となっているため、15万円の利益となっています。」

■ [例2] 分配型ファンドを保有し、分配金を再投資している場合

分配金を再投資している場合、累計買付金額(D)に加算されているので注意が必要です。
例2

先ほどと同じようにご自身の買付金額を確認する場合、今回は累計買付金額(D)を見るだけでは正確な数字はつかめません。

実際の買付金額を計算するためには、再投資された金額(B)である20万円を累計買付金額(D)から引いて計算する必要があります。

120万円 - 20万円 = 100万円
 ご自身が投資のために支払った金額

現在の評価金額(A)は 115万円 となっています。 こちらは[例1]と同じ見方で大丈夫です。

こちらの方の投資金額、投資結果は以下のとおりです。

「100万円を投資しました。 20万円分配金がありましたが、再投資していたため受け取ってはいません。 時価評価金額は115万円となっています。

100万円投資をして115万円になっているので、15万円の利益となっています。

m3コンシェルジュ 高橋 和宏

いかがでしたでしょうか?

ご自身の投資状況を正確に確認することは非常に大切です。 投資状況とは今回ご紹介した損益のほかにも投資対象のバランスやリスクも含まれています。

「知らず知らずのうちに投資対象が偏ってしまっていた。」「過大なリスクがある商品ばかりに投資をしてしまっていた。」と言うケースは後を絶たないようです。

私どもでは、投資信託の分析サービスを行っています。

複数の金融機関で保有されている投資信託を一覧でまとめさせていただき、投資対象のバランスに問題はないか、ご自信が許容できるリスクを超えていないか、そもそもご自身のライフプランのために投資信託を活用すべきかどうかというところを診断させていただくものです。

無料でうけたまわっておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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