こんにちは、子育てコンシェルジュの藤崎達宏です。 今回も医師家庭から実際にあったご相談をもとにお伝えします。 普段医師の皆さまから多くご質問いただくことに「幼少時の習い事」に関することがあります。 あるご家庭では年中さんのお子さまに、10個の習い事をさせていました。 教育熱心と言えばそれまでですが、私が懸念したことはそのお子さまの疲れた顔でした。 私の神奈川県にある子育てサロンには魅力的なモンテッソーリ教具が並べられています。 そこに初めて訪れたお子さま達は、教具を見ると目をキラキラさせて、端から端まで引っ張り出して遊ぶので最後に片付けるが大変です。 しかし、そのお子さまは静かに座っているだけでした。 「コレやってみる?」と言って提供すれば遊び始めます。 確かにお行儀はよいのですが、なにか躍動感が感じられない! 活動も、どこか投げやり! な印象を受けました。
■ 子どもの成長サイクル
子どもが成長するのにはサイクルがあります。 興味を持つ ⇒ 自分で選択する ⇒ 集中して繰り返す ⇒ 満足感 ⇒ 主体性が育つ 主体性が育つことで、次の物事に興味を持ち、自分で選択し、集中して繰り返していく・・というのが成長のサイクルです。 しかし、このサイクルに、滞りが生じると子どもの成長に歪みが出てくるのです。 今回のケースでは、親が決めた習い事に「連れ回されている」というのが現状でした。 スタートの段階から自分で選択していないことにあります。 そして、スケジュールがタイトなので、集中し繰り返す間もなく次のお稽古に連れて行かれるのです。 こうして、成長のサイクルから大きく逸脱することにより、いつしか「どうせ自分で選んでも、どうせ集中しても、途中で次のお稽古に連れて行かれてしまうのであれば、自分では選ばずに、親が提供する物をやっておけばいいんだ」という「受け身の子ども」が出来上がってしまうのです。 こうなってしまってはもう「医学部を目指す」どころではありません。 ご両親には「このまま放っておくと、大変なことになりますよ。」と、理由を丁寧にお話して、習い事の見直しと、日常生活の習慣の見直しをご提案しました。
その1 習い事を10個から6個に絞り込む
1週間に最低1日は習い事から開放される日を作る。(これでも多いと思いますが)
その2 自分で選択させる
どの習い事を残し、どの習い事を辞めるかをお子さま自身に選択させる。
その3 最終的に選択した習い事は続けることを約束する
沢山の習い事をさせているご家庭の傾向として多いのが、お子さまが「行きたくなくなったので辞めます」という、取っ替え引っ替えというケースです。 これでは「継続は力なり」というメリットも放棄することになります。 自分で「やりたい」と言って始めたことは、続けさせることも大切です。 皆さまも是非、「子どもの集中度」という面から、習い事を見直してみてはいかがでしょうか? しかし、「子どもが選択できない場合」はどうすればよいのでしょうか? 次回は、親の判断基準をお伝えして参ります。
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