■ 投資スタイル別の必要な能力
■ 株式の短期売買に必要な能力 「銘柄選定」、「投資タイミング」
株式の短期売買は「いつ」「何を買うか(売るか)」が全てです。 そのため株式の売買によって利益を上げようとする投資家は、常に投資候補の銘柄を発掘し、リストアップした銘柄の売買タイミングを計っています。 一方で投資信託の長期投資はどうでしょうか。 例えば日本株のみに投資をする投資信託を比べた場合、結果的に運用成果が良いもの悪いものに分かれてきますが、事前にその良し悪しを判別することは極めて困難です。 銘柄選定や投資タイミングは株式の短期売買においては死活問題となりますが、投資信託の長期投資においてはそこまで気にする必要なないかと思います。
■ 投資信託の長期投資に必要な能力1 「リスク管理」
投資信託の長期投資において最も重要な要素は何かと聞かれたら、私は「分散と継続保有」だとお伝えしています。 そして、この長期保有を実現させるためには「リスク管理」と「鈍感力」が支えとなります。 「リスク管理」とは、変動があるマーケットの中で「どれくらいの下落なら我慢して運用を継続できるか」という想定のことです。 専門的にはリスク許容度という言い方をしますが、 例えば「1,000万円で投資を始めたが、1年経過した今、100万円の含み損が発生している」という状態を想定した場合、(途中経過としての)100万円の損を我慢できるかどうかが重要となります。 自身が投資している内容や配分によってある程度の損失範囲を想定することができますので、必ずチェックしてみてください 。
■ 投資信託の長期投資に必要な能力2 相場に対する「鈍感力」
長期投資をする上で、大きな障害となるのが「価格の値動き」と、「日々のニュース」です。 前回のメールマガジンでお伝えしたとおり、日々のニュースや価格を追い続けると、非合理的な行動を取りがちになってしまいます。 長期投資をするのであれば日々のニュースを見ても「そういうことが起こっているんだね。」程度に認識していただくだけで大丈夫ですし、利益や損失がでている状態でも「まぁそんなものか。」というような感覚で良いと思います。
■ 投資信託の長期投資に不必要な能力とは?
株式の短期売買に必要な「敏感力」は、投資信託の長期投資には不必要な能力です。 不必要であるどころか、逆に長期での利益を大きく損なってしまう邪魔者であるとすらいえるかも知れません。 最も重要なのは「株式の短期売買」と「投資信託の長期投資」を比べた場合、取るべき投資スタンスや投資行動が違うにも関わらず、混同しないことですね。
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