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m3コンシェルジュ 米田 弘司

リスクマネジメント・ラボラトリー

米田 弘司

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの米田です。

前回は、人口構造の変化と社会診療報酬との関係にふれましたが、いかがでしたでしょうか。

開業を考えた先生はお知り合いの開業医へ見学を依頼し、クリニックを見に行くことが多くあります。 クリニック設計の注意点や開業時に気を付けなければならないさまざまなことを聞き、開業の参考にされる活動をします。

しかし、クリニックが抱える本当の悩みまではなかなか聞き出せないと感じています。

今回は、開業を成功に導くために重要な「集患・増患」にクローズアップしてお聞きしたいと思います。

インタビューはm3.comより大阪を中心に約250件の病医院の顧問先をお持ちであり、開業、事業継承に多くの実績がある河村会計事務所、河村好夫税理士にお願いしています。

それでは、どうぞ。

失敗だらけの開業方法
開業医の悩みを知り活かす

失敗だらけの開業方法

開業医の悩みを知り活かす

【米田】
人口減少で、今後医院経営が益々厳しくなって来ると考えられています。 ただ何もしないのと、予測して対策を打っておくのとでは、将来大きな差が生じると考えられます。

現在の開業医の不安材料を教えてください。

【河村 税理士】
診療所経営での悩みは、「集患・増患対策」「人事・労務問題」「患者トラブル」の3つが代表的です。

【米田】
集患・増患対策」は、医業収益に直結するため肝といえる部分ですね。 では、具体的な対策方法を教えてください。

【河村 税理士】
患者が減少している医院の場合を例にとります。 まず、患者が減少している原因を探り、その解決策を考える必要があります。

  • 曜日、時間帯ごとの患者数を調べ、患者の生活スタイルに沿っているか調査する。
    周囲に会社、工場など昼間人口が多い地区であれば、午前診を13時迄行うなどの工夫を実施してみる。
  • 人口分布図を入手し、現在から数年後の将来を見据え、高齢化に対応する。
    診療所までの交通機関がない場合、高齢者が外来受診をできないケースがあります。 その際は送迎など他医院にないサービスで差別化を図るなどが代表的な例で、その開業している土地、風土、診療圏状況に応じた対応が必要です。

【米田】
この話を「今から開業を考えておられる先生」に置き換えると、場所の選定が決まり、診療圏内の同科目標榜医院をリストアップし、ホームページの有無、スマートフォン対応、予約方法や往診可能かどうかなどを調べ、他医院にないサービス、医療を提供する必要がありますね。

【河村 税理士】
そのとおりです。 コンサルタントが作成した診療圏調査を鵜呑みにしただけの開業では、軌道に乗るまで時間が掛かりますからね。

これからの開業スタイルは、理想の診療スタイルを実現するために、他医院との差別化を考えていくなどの戦略が必要だと考えています。

それと、病診連携の重要性も忘れてはなりませんので、近くの病院へ出向きPRできるチラシを作成して、地域連携室への挨拶も忘れないで欲しいですね。

患者から「かかりつけ医」に選ばれることも重要ですし、今後さらに高齢化が進みますから、在宅医療にも目を向けていただきたいと思います。

【米田】
患者から選ばれる医院になる。 これからのもっとも重要なことですね。

m3コンシェルジュ 米田 弘司

いかがでしたでしょうか?

現在、開院されている先生方も手放しではいられない実情が迫っています。

よって、現在の開業医の悩みを知り、それを開業に役立てていくことも重要だと考えられています。

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