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m3コンシェルジュ 森島 祥哉

リスクマネジメント・ラボラトリー

森島 祥哉

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている森島です。

クリニックの現場では日々いろいろなことが起こります。 スタッフ間のトラブル、経営者側との軋轢、患者様のクレームなど種類も多岐に亘りますし、ヒヤリハットも含めれば看過できない課題は山積みではないでしょうか。

その中で、一定程度ですがコントロール可能な領域について考えたいと思います。 今回はスタッフの現金横領が疑われるケースです。 具体的にどんな視点でどのように対処したらよいのでしょうか?

税理士法人エイアール税理士事務所 代表社員 原 知子税理士が、ポイントを解説します。

それでは、原 税理士お願いします。

スタッフによる精算レジ現金横領が発覚!
具体策と「予防に効果のある院内環境」とは

スタッフによる精算レジ現金横領が発覚!

具体策と「予防に効果のある院内環境」とは

こんにちは。 税理士法人エイアール税理士事務所の原 知子です。

今回はスタッフによる現金横領が発覚した事例を取り上げます。 金銭トラブルを予防するための仕組み職場風土環境づくりのポイントについて、お伝えしたいと思います。

【相談内容】

受け付け事務スタッフが10年間に亘り精算レジのお金を盗んでいたことが発覚しました。 被害額はおそらく30万円ほどになっております。

今後、弁護士など専門家を立てしかるべき対処をしていく予定ですが、今後、このようなことが起きないようにするためにはどのようにすればよろしいでしょうか?

【回  答】

最近、長年に亘って精算レジのお金を盗んでいた等のスタッフの不正に関することで多くのご相談をいただいております。 スタッフが金銭トラブルを起こすのは職場風土や環境に起因するところが大きいと思います。

1. 日々の精算レジのチェックは二重、三重で行う仕組みをつくる

ポイントは一人に任せないことです。 特に、特定の人だけに精算レジ締めをさせないことです。 必ず、一人の目ではなく複数の目で日々の精算レジ(午前診、午後診終了後のチェックも含む)のお金のチェック、日計表などに確認印を押印するなどの仕組み(ルール)をつくってください。

日々、誰が精算レジ締めをしたか確認者の名前を記載すること。 当社では「窓口受渡表」を日々、記載するとともに、金銭を裏付けるレセコンの日計表を必ず印刷しておくことを徹底してアドバイスしております。

2. 精算レジのお金が合わなかった場合、原因追求を徹底的に行う風土をつくる

極端なことをいうと、精算レジのお金が合わなかったら仕事が終われないぐらいの職場風土をつくっておくとよいでしょう。

弊社のクライアント様ではお金が合わなかったら、レセコンの日計表と精算レジのレジロール紙をアウトプットして患者さんを一人ずつチェックいただくぐらいの徹底した原因追及をしていく職場風土をつくっていただくようアドバイスしております。

3. 未収管理は徹底し、回収方法も決めておく

未収管理はノートや表などで日々の未収金がいくらあるか把握できるようにしておきます。 また、回収方法もマニュアル化しておくことをお勧めします。

4. 院長、院長夫人が内部牽制(ないぶけんせい)を行っていることを周知する

院長と院長夫人(奥様)がお金(未収金含め)の管理をきっちりしていることをスタッフに知らしめていただくことをお勧めしています。 「お金の確認はきっちりしているぞ!」の姿勢が職員への牽制になります。

5. 金庫に多額のお金は置かないようにする

スタッフが金庫のお金を盗っていた、あるいは、クリニックを狙う窃盗団もいるので金庫管理をしっかりしていただきたいと思います。 金庫には必要最低限のお金だけを置き、日々の窓口現金は、毎日でも取引銀行に入金するよう仕組み化することをお勧めいたします。

以上、金銭トラブルを予防するための基本的なポイントをまとめました。 金銭トラブルが起こらない仕組みと職場風土環境はスタッフを野放しにしないことからはじまり、日々のお金をチェックする仕組みをつくりあげることがポイントです。

ぜひ、スタッフによる金銭トラブルが防止できる職場づくりにチャレンジしてみてください。

m3コンシェルジュ 森島 祥哉

いかがでしたでしょうか?

このような「野放しにしない」風土創出・風土改善は、金銭トラブル以外にもさまざまな引き締め効果をもたらします。

継続的なアプローチによってある程度コントロール可能な領域でもありますので、一度院内のあるべき風土を再検証してみてはいかがでしょうか?

200件以上の医療機関を顧問先に持つ税理士法人エイアール税理士事務所ではご相談も受け付けております。