■ 教育資金準備期間期(お子様が小学生以下の場合)
積立で準備する場合の代表的な方法は以下の通りです。
- 積立預金
元本保証で一般的に引出しが自由だが、現状では金利が期待できないこととインフレが進むと実質価値が下落する恐れもある。
- 生命保険(1) 学資保険
満期金や契約期間途中の祝金を準備するための保険。 親が万一の際に保険料支払い不要になる機能や保険金も受け取れる育英年金機能が付いた商品もある。 低金利の影響で低い予定利率が続いているため、以前と比べて費用対効果が低下している。
- 生命保険(2) 終身保険・養老保険(円建て・外貨建て)
近年学資保険の代替として多く見られる。 親を契約者・被保険者にして、例えば払込期間を10年と短くして払込終了後の解約返戻率をアップさせる設計で、学資保険より高い返戻率を目指す。 払込期間途中の解約・減額は原則元本(払込保険料総額)を下回る。
またよく見られる「外貨建て商品」ではより高い返戻率を期待できる反面、為替リスクが生じる。
- 生命保険(3) 変額保険
万一の際の死亡保障と積立運用を兼ね備えた保険。 元本保証ではないが長期的な資産形成効果が期待できる。 早い段階での解約や減額は払込元本を下回る可能性が高い。
- 積立運用(投資信託等)
運用成果によってより大きなリターンが期待できる。 商品によっては途中の取崩しや増額が可能だが元本保証ではない。
同じ積立運用でも、変額保険は保険関係費用等がかかるため「投資信託等での積立運用」と比べて一般的に運用成果自体は低下します。
どれがベストとは言えませんが、例えば積立預金と積立運用をうまく組み合わせることで急な資金需要にも対応できる上、将来の資産形成効果も期待できます。 また保障を兼ね備えたい場合は生命保険のいずれかの方法を組み合わせて対応します。
■ 教育資金調達期(お子様が中学生・高校生の場合)
すでにお子様が中学生・高校生で、かつ私立大学医学部への進学を視野に入れる場合、今からでは教育資金の準備(積立)ができない場合があります。 そこで、様々な資金調達の手段を検討する必要があります。
- 教育ローン
教育費を使用目的としたローンで、各金融機関が出している教育ローンの他、日本政策金融公庫「国の教育ローン」、医師信用組合がある地域では各医師信用組合の教育ローンが選択肢になる。
日本政策金融公庫「国の教育ローン」
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/ippan.html
- 奨学金
「独立行政法人日本学生支援機構」をはじめ様々な制度があり、返済不要の給付型と返済が必要な貸与型がある。 それぞれの奨学金制度で(例えば所得制限等)独自の要件を満たす必要があり、また各学校の奨学金制度はその学校に進学を決めてからの最終手段になる。
- 祖父母からの贈与
祖父母から入学金や授業料を直接支払ってもらったり、事前にまとまった資金を贈与する「教育資金一括贈与の特例(現行制度は令和5年3月31日まで)」を受けたりする方法がある。
国税庁: 祖父母から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201304/pdf/0021005-011.pdf
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
大学入学等資金が必要なタイミングで60歳を迎える方は、要件を満たすと加入しているiDeCoを一時金で受け取ることができる。
iDeCo公式サイト: 加入者の方へ「給付」
https://www.ideco-koushiki.jp/join/#provision
その他、開業医のドクターは下記の方法を検討してみてください。
- 個人立で小規模企業共済に加入しているドクターや奥様
低利での貸し付けを受けることができる。 また法人化される場合は「個人事業の退職金」として共済金を受け取ることができる。
中小機構: 小規模企業共済
- 基金拠出型医療法人で法人に基金を拠出しているドクターや奥様
運営や資金繰りに問題がない場合は、定款の定め及び社員総会の議決により基金の払い戻しができる場合がある。
- 医療法人への貸し付けがあるドクターや奥様
運営や資金繰りに問題がない場合は、残っている貸付分を返済してもらう。
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