■ 「やさしいマネー講座」」の目的
「やさしいマネー講座」」の目的はずばり、「老後資金の増やし方」です。
昨年6月に金融庁が発表した【金融審議会 「市場ワーキング・グループ」報告書】の内容で、「夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では支出に対して年金などの収入の毎月の不足額の平均は約5万円であり、老後に20~30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300万円~2,000万円になる。」という部分が抜き出され、2,000万問題として話題になり、多くの皆さまが老後資金について興味を持つきっかけとなりました。
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html
私はコンサルティングの現場で「いったい老後資金はどのくらい用意すればよいの?」と時々問われます。
前述の通り、単純に考えれば老後人生の期間に不足額をかければよいのですが、先生方の場合、一定の年齢で勇退をする、ということは少なく、一生現役を続けるという方も居られるように、老後人生の期間がそれぞれのお考えで大きく異なります。
また、生活資金の不足額もそれぞれの先生方で異なりますので、ライフプランや生活にかけられているコストから一緒に計算させていただきます。
ではこれをどのように準備するのか、という話になるのですが、
お金を貯める方法は
- パターン1: 収入から支出を引いて残ったお金をコツコツ貯める
- パターン2: 支出を減らして(節約)残るお金を増やしてコツコツ貯める
- パターン3: 株式などに投資してお金そのものに稼いでもらってコツコツ貯める
などを複合的に考えていきます。 この3つはそれぞれ当たり前のことではありますが、パターン1の場合はどこでコツコツ貯めるのか、パターン2は節約って何を節約すればよいのか、パターン3に至っては方法もわからない、という先生方が多いのも事実です。
■ 解説: 金を貯める三つのパターン
今回のセミナーではこの三つのパターンについて解説していきます。
パターン1や3については
この低金利の時代、金融商品との付き合い方が重要です。
銀行預金では資産形成はできませんし、株式投資をしようにも資産を増やすどころか減らしてしまうこともありますので、きちんとした考え方に基づいた投資方法を探さなければなりません。
パターン2については
誰かのお小遣いを減らすというような、痛みを伴う節約ではなく、例えば住宅ローン金利はどうしたら節約できるのか、所得税を適正に節約するにはどうしたらよいのか、といった、痛みの伴わない節約を考えていきます。
一般的に先生方の所得水準は高く、税負担が重い方が多いと思います。
例えば、所得税や住民税が国の制度を採用することで適正に節約できたとしたらいかがでしょうか。
財務省のデータによると、平成31年度の国民負担率は、平成30年度から横ばいの、42.8%となる見通しとのことです。
https://www.mof.go.jp/budget/topics/futanritsu/20190228.html
先生方の租税負担の今後ですが、所得税だけ見ても平成27年度の税率改定、来年まで続く給与所得控除の上限見直しなどじわじわと負担は増えていきます。
所得税率 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
給与所得控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
また、日本の所得税は超過累進課税ですので、この租税負担は所得の高い方はより負担が重くなります。
開業医の先生ばかりではなく、ご勤務の先生方もこの所得税を節約する方法に注目するだけで、ご自身の老後資金へ大きな影響があります。
開業される前から採用できる制度、開業されている先生が採用できる制度、医療法人の先生が採用できる制度、と様々な手段がありますので、ご自身の老後を考える際にはぜひこの所得税に注目してみていただきたいと思います。 |