最初の緊急事態宣言が発出された2020年の春、クリニックは今まで経験したことのなかった受診控えという渦に巻き込まれました。 社会保障審議会医療保険部会「医療保険制度による新型コロナウイルス感染症の影響について」によると、レセプト件数は2019年4月から6月、2020年4月から6月では、医科、歯科、調剤とも減少しており、2020年6月には回復傾向が現れていることがわかります。
医科だけにフォーカスすると、2020年4月と5月はどの科目も減少傾向で、特に小児科、耳鼻咽喉科は50%強の減少数位となりました。
しかし、7月には回復傾向に感じられましたが、2019年と比較すると70%程と低調であることがわかります。 他の科目が90%以上の回復と比較すると、非常に苦戦を強いられているのがわかります。
参考
社会保障審議会医療保険部会
「医療保険制度による新型コロナウイルス感染症の影響について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000797415.pdf
全てではありませんが、私の顧問先のデータを読み解くと、立地の良さだけで集患をしていたと思われるクリニックや、必要以上に再診や検査を患者に求めていたクリニックは患者さんの戻りが悪いように感じます。
コロナ禍以前のクリニック開業は立地が成功を左右する重要な位置づけでした。 しかしコロナ禍ではその常識が覆されています。 患者さんの戻りが良いクリニックの共通点は「経営理念」がしっかりしており、「コンセプト」に基づく本質をとらえた医療を行っているなどが挙げられます。
これからの開業も「立地」は大変重要な位置にあるのは間違いありませんが、それだけでは患者が来る時代は終わったように思います。 |