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コンシェルジュ 宮下 和俊

リスクマネジメント・ラボラトリー

宮下 和俊

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている宮下和俊です。

ここ数年、米国株への関心が高まっています。 投資信託などを通して米国株へ投資している先生もいらっしゃるのではないでしょうか。

ところが、昨年末まで順調に上昇していた米国株も今年に入って下落しています。 米国を代表する上場企業約500社で構成されるS&P500株価指数は、2022年7月29日時点で昨年末と比べて約13%下落、2022年6月には昨年末と比べて約23%下落する場面もありました。

そうなると「これからも米国株への投資で大丈夫だろうか?」と不安になりますが、投資環境が悪くて不安な時こそご自身の資産運用を点検し、必要であれば改善する絶好の機会です。

そこで今回は、投資環境が悪い時期に、ご自身の資産運用方法を点検してパフォーマンスを上げるコツについてお伝えいたします。

それでは、どうぞ。
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資産運用・・・パフォーマンスを上げるコツ

■ 投資環境が悪化した時に確認すべき3つのポイント
1. 投資信託など変動リスクがある金融商品への投資が過大ではないか?
投資環境が悪化した際に夜も寝られないほど不安で仕方がないという場合は、価格変動リスクがある金融商品への投資金額が過大である可能性が高いです。

また、近いうちに使う予定がある資金で投資を行っている場合も同様で、使い道が決まっている資金は現金で保有し、価格変動リスクが高い商品への過剰な投資は避けてください。

自分の投資できる資金がいくらなのかを把握するためには、ライフプランニングをしっかり行い、無理なく投資できる資金を確認することが重要です。

2. 保有している金融商品の理解が十分か?
当初は商品内容をしっかり理解していても、時間の経過と共に記憶は薄れてしまいます。 商品内容が分からないと、投資環境が悪化した際に保有している金融商品にどのように影響するか分からず不安になってしまいます。

不安が高まると日々のニュースやSNSの情報、保有商品の価格の上下に一喜一憂しやすくなり、一番大きく下落しているタイミングで慌てて売却してしまう可能性も高くなります。

投資環境が悪い時ほど商品内容を再確認し、保有を継続すべきか、或いは見直すべきかについて慎重に判断することが重要です。

3.氾濫する投資情報に一喜一憂していないか?
将来の資産形成目的で中長期投資を行う場合に気をつけたいのは、短期で売買する投資家が発信する情報です。

例えば持久力を鍛えるべきマラソン選手がSNSで短距離走選手のトレーニングを参考にして実践したらどうなるでしょうか。 短距離選手に必要な瞬発力系の筋肉強化はマラソン選手にとって逆効果となり、パフォーマンスは大幅に低下するでしょう。

短期売買の投資家には手元資金全額を一気に投資したり、短期間で現金に戻したりする行為を繰り返している方も多いのですが、同様に中長期投資を目指している投資家が短期売買をする投資家の発信する情報に影響を受ければ、短期の価格変動に一喜一憂して投資のパフォーマンスは大きく低下します。

今ではSNSで誰もが容易に情報発信できます。 氾濫する投資情報の中から、短期売買の投機的取引をしている投資家の発信する情報を取り除くことが中長期投資のパフォーマンスを高めるためには重要です。

 

■ GPIFに学ぶ資産運用のパフォーマンスを上げるコツ
GPIFGovernment Pension Investment Fundの略で、日本語では年金積立金管理運用独立行政法人です。 その役割は名前の通り「年金積立金を管理して運用している公的な機関」 で、具体的にはこれまで現役世代が収めた年金保険料のうち、年金の支払いなどに充てられなかった資金を年金積立金として預かって、将来世代のために長期分散投資で運用している公的な機関です。


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出典: GPIFホームページ「運用状況について」
https://www.gpif.go.jp/

GPIF運用資産額は2021年度末時点で約196.5兆円。 2001年度以降の累積収益額は+105.4兆円、収益率は年率平均+3.69%で、これは2001年頃のITバブル崩壊、2008年頃のリーマンショックの時期を含めた実績です。

GPIFから学ぶことは多く、今回は「資産運用のパフォーマンスを上げるコツ」という観点から2つのポイントを確認します。

1. 中長期投資の効果


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(出典: GPIFホームページ「長期的な観点からの運用」)
https://www.gpif.go.jp/gpif/long-term-vision.html

上図は2000年12月末に国内株式・国内債券・外国株式・外国債券にそれぞれ100万円を投資して保有し続けた場合、2021年度末にいくらになっているかを示しています。

短期的にみれば経済状況によってブレは大きく投資環境が悪い時期もありますが、長期的にみると投資資金が大きく増えていることが確認できます。

成果が出ていることを確認することで腰を据えた中長期の資産運用ができるのではないでしょうか。

2. GPIFの外国株式投資はパッシブ運用が中心



(GPIFのホームページ内のエクセル「パッシブ運用及びアクティブ運用の割合の推移」より著者作成)
https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html

上図はGPIFの外国株式投資におけるパッシブ運用とアクティブ運用の比率を表したグラフです。

パッシブ運用とは日経平均株価やS&P500のような指数へ連動する運用で一般的に低コストです。 一方アクティブ運用とは、ファンドマネージャーが市場平均であるパッシブ運用以上の成果を目指す運用で一般的に高コストです。

実は10年を超える長期の運用では、アクティブ運用はパッシブ運用になかなか勝てないのが現状です。

GPIFは運用を開始した2001年度は外国株式投資のうちアクティブ運用の占める比率が46.75%、パッシブ運用の比率が53.25%と殆ど差がありませんでした。 ところが年々アクティブ運用の比率が低下し、2021年度末ではアクティブ運用の比率はわずか9.18%になっています。

中長期投資で成果を出しているGPIFが市場平均の実績を目指すパッシブ運用を行っている点は、私達の投資信託などの金融商品選びにおいても参考になるのではないでしょうか。

コンシェルジュ 宮下 和俊

いかがでしたでしょうか?

日本では世界的な資源・穀物価格の上昇と円安進行により輸入物価が上昇し、国内の様々な商品価格の値上げが進んでいます。 物価上昇による円の価値下落に備えるために、改めて米ドルや米国株式へ投資を本格的に検討しているドクターも多くいらっしゃいます。

そこで今回は、米国株への理解を深めるためにエグゼトラスト株式会社の川田重信氏を講師に迎え、「【資産運用シリーズ(4)】米国株式投資のプロから学ぶ」セミナーを開催いたしますのでぜひ視聴ください。

今年当社では『必見!Dr専門 IFAと考える「ドクターズ ライフプラン」シリーズ2022』を開催しています。 今後も、先生方のライフプランを考えていただくうえでの様々の情報提供をさせていただきますので、ご興味のある講座にぜひご参加いただければと存じます。

過去のセミナー動画もご覧いただくことが可能ですので、ご要望ございましたら当社までご連絡ください。

また当社では、保有している金融商品を分析してご説明を差し上げておりますので、セカンドオピニオンとしてお気軽にご相談ください。

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