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m3コンシェルジュ 高橋 和宏

リスクマネジメント・ラボラトリー

高橋 和宏

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの高橋 和宏です。

今はインターネット上で多くの情報を瞬時に取ることができるようになっています。

だからこそ、その情報が「参考にするべき情報」であるのか「参考にしてはいけない情報」であるのかを判断する目利きが私たちに問われています。

自身の得意な分野の情報であれば良し悪しを判別することは難しくないと思いますが、あまり馴染みのない分野の情報であれば思わぬ落とし穴にはまってしまうかも知れません。

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■ ケース2 其の4 ご相談者 Bさま

  • プロフィール:
    院長婦人、59歳、女性
  • ご相談のきっかけ:
    お付き合いのある金融機関で投資信託等を購入し、長年保有されているお客様。
    自分自身の運用内容があまりよくないのではないかと不安を感じており、誰か他の人の意見も聞いてみたいとご相談をいただきました。
 現在保有されている商品の明細(単位: 円)

商品の一覧

 ※ 前回の内容はこちら

 

【Bさま】
前回のお話をまとめると、あと10年くらい運用するにあたっては目論見書や月次レポートを見て

  • 信託期間が無制限のもの
  • 運用残高が100億円以上のもの
  • 分配金が出ていないもの

が望ましいということでしょうか?

【高橋】
そうですね。 絶対条件ではありませんが、これらの条件を満たしていれば運用が途中で終了してしまう心配が少なく、長期にわたり効率よく保有できる投資信託にたどりつきやすくなると思います。

それでは最後に金融機関のホームページを見ていくことにします。

【Bさま】
ここでは何をチェックすればよいのでしょうか?

【高橋】
商品内容や過去の運用実績は目論見書や月次レポートでご確認いただいているという前提ですと、
ホームページでは、まず購入時手数料を確認してください。

投資信託は全く同じ商品が、別の金融機関では異なる手数料で販売されているということもあります。

ホームページを見れば、その金融機関で該当の投資信託を購入した場合の手数料が記載されています。

【Bさま】
手数料は大切なので要確認ですね。

ちなみに私は投資信託の「ランキング」を参考にすることが多いのですが、これはいかがでしょうか?

【高橋】
ランキングをご覧になられる方はとても多いと思いますが、私は「ランキング」はある意味もっとも危険な参考情報だと思っています。

【Bさま】
え? そうなんですか? なぜそう思われるのですか?

【高橋】
各金融機関の多くは「販売金額ランキング」を載せています。

私もメガバンク、地方銀行、大手対面証券会社、ネット証券会社など多くの金融機関のホームページを見ますが、「販売金額ランキング」は長期投資には向かないようなファンドが並んでいる傾向にあるように思います。

販売金額ランキングによく出るが、長期投資には向かないファンドとその理由
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【Bさま】
そうですか。 それではランキングは全くあてにならないということでしょうか?

【高橋】
もしランキングを見るとすれば「積立設定ランキング」を参考にされるとよいと思います。 (金融機関によっては載せていないところもあります。)

こちらであれば長期投資の軸として考えたい

  • 海外の株式に分散投資をするファンド
  • 複数の資産に分散投資をするファンド
  • 運用コストが低めのファンド

などのようなファンドが上位にきている傾向にあります。

【Bさま】
確かに「販売金額ランキング」と「積立設定ランキング」では出てくる投資信託は随分異なっているのですね。

【高橋】
投資信託の場合は、売れている商品が必ずしもよい商品であるというわけではないのでお気をつけください。

 

■ 今回のポイント

  • 販売手数料は要チェック
  • 長期投資をするのであれば「販売金額ランキング」ではなく「積立設定ランキング」を参考にするとよい

※ 今回の内容は将来の運用成果を保証するものではありません。 また、特定の運用方法を推奨、非推奨するものではありません。

※ 投資にはリスクがございます。
実際に投資をされる際には目論見書等をご覧いただき、ご自身の判断と責任のもと、行なっていただくようお願いいたします。

m3コンシェルジュ 高橋 和宏

いかがでしたでしょうか?

「販売金額ランキング」に出てくるファンドは時期により銘柄こそ違いますが、長期投資には向きにくい銘柄が上位にきてしまう傾向は10年以上変わっていないように感じます。

投資信託での運用で失敗しないためには、ランキングを鵜呑みにしないことが大切だと思います。

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