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コンシェルジュ 塩田 麻希子

リスクマネジメント・ラボラトリー

塩田 麻希子

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている塩田 麻希子です。

はじめての資産運用」シリーズでは、証券の部署で働くことになった私が投資について勉強するにあたり抱いた疑問を、m3メールマガジンを連載している「先輩社員の高橋」との対話の中で解消していく様子をお伝えしていきます。

私と同じように投資や資産運用についてこれから知識を深めたいと思っている先生方の一助になれば幸いです。

まずは登場人物の紹介をします。
高橋高橋
資産運用アドバイザー。 ふるさと納税で貰った長野県上田市の味噌が美味しくて嬉しかった

塩田塩田
一昨年度、証券の部署に入ってきた。 輸入食材のお店で手に入れたものでちょっと変わった料理を食べることがマイブーム

それでは、どうぞ。
【はじめての資産運用 14】
【3つの税制優遇効果】iDeCo(イデコ)の活用

【はじめての資産運用 14】

【3つの税制優遇効果】
iDeCo(イデコ)の活用

■ iDeCo(イデコ)とは?

塩田前回のお話は「今から始めるジュニアNISAの活用方法」ということで、運用益が非課税になるお得な制度について教えていただきました。

高橋 はい。

塩田もう1つ運用益が非課税になる制度として、「iDeCo(イデコ)」がありますよね。 今回はそのiDeCoについて教えてください。

高橋 iDeCoは確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。 掛金を60歳になるまで拠出し、60歳以降に老齢給付金として受け取ることができるというもので、月々5000円から1000円単位で掛金を決めることができます。

塩田なるほど。

高橋特にドクター等、平均所得の高い方はiDeCoを検討された方が良いと思います。

塩田 そうなんですか。

高橋iDeCoの大きなメリットは、3つの税制優遇措置があることです。
  1. 掛金が全額所得控除で積立てられる
  2. 運用益が非課税になる
  3. 受取時にも大きな控除が受けられる
塩田 なるほど。 調べてみたところ、iDeCoの加入資格は下記のように区分分けされていることが分かりました。



国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」より筆者が作成
https://www.ideco-koushiki.jp/movie/#idecochan_add_pamphlet

高橋はい。 掛金の拠出上限額については下記の表の通りになります。



国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」より筆者が作成
https://www.ideco-koushiki.jp/start/index.html#step1

勤務医と医療法人の理事になっている先生は国民年金の第2号被保険者で、個人開業の先生は第1号被保険者になります。 かつ、第1号被保険者で国民年金基金に加入されている方、もしくは第2号被保険者でお勤め先の病院・クリニックが企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入しているかによって、iDeCoの掛金の上限額が変わります。 この辺りを十分にご確認されると良いと思います。

特に第2号被保険者での方で、お勤め先に企業型確定拠出年金がある場合はそもそもiDeCoに加入できない可能性もあるので、総務などをご担当されている方に自分はiDeCoができるのか、できるとしたら上限いくらまでやっていいのかということを確認されると良いかと思います。

塩田よく分かりました。

高橋受け取りについては年金として定期的に受け取る方法、一時金として一括で受け取る方法があり、年金として受け取れば公的年金等控除、一括で受け取れば退職所得控除の対象になります。

塩田NISAでは運用益が非課税になるだけでしたので、積立てる時と受取時も税金の控除が受けられるというのはとてもいいですね。

高橋 はい。 毎月同じ金額を積立てる以外にも、年に1回以上任意で決めた月にまとめて拠出することも可能です。

塩田 なるほど。下記のiDeCo公式サイトから所得税がいくら税控除額になるかシミュレーションができますので、一度チェックしてみるのもいいかもしれないですね。
https://www.ideco-koushiki.jp/simulation/index.html

 

■ iDeCoの注意事項

高橋 iDeCoを始める際には、注意事項が3つあります。

塩田はい。

高橋1つ目は、iDeCoで選べる金融商品には定期預金や保険商品など元本確保型のものもありますが、投資信託などで運用を行う場合は運用成績によって上下に値動きがあります。 元本を下回ることも出てきますので、その点を理解しておくことが必要です。

塩田 投資信託や株式など運用商品に共通することですね。

高橋2つ目は、受け取り開始年齢です。 先ほど原則60歳から受け取れるとお伝えしましたが、iDeCoに加入していた期間が10年未満の場合は受給開始年齢が60歳以降に繰り下げになります。



国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」より筆者が作成
https://www.ideco-koushiki.jp/movie/#idecochan_add_pamphlet

塩田なるほど。 万が一途中で亡くなってしまった場合、掛金はどうなるんですか。

高橋拠出者が亡くなった場合でも、その遺族が受け取れる仕組みになっています。

塩田 そうなんですね。

高橋3つ目は、手数料についてです。 iDeCoは国民年金基金連合会によって実施されていますが、事務費として加入・移換時に2,829円、また掛金を納める度に105円がかかります。 その他、証券会社や銀行などiDeCoを申し込んだ金融機関でも手数料がかかります。

塩田 なるほど。 毎月数百円ずつかかると聞くと迷ってしまいますが、私の場合は今から毎月1万円をiDeCoで積立てた場合、約79万円も所得税が軽減されるというシミュレーション結果なので、手数料を差し引いてもかなりお得なことが分かります。

高橋 はい。 手数料については掛金から差し引かれるようになっていますので、別途払う必要はありません。

塩田 それは便利ですね。

高橋 また収入が高いほどかかる税額も高くなりますので、その分税金の軽減効果が高くなります。 例えば現在40歳で年収2,000万円の方が毎月2万円ずつiDeCoを積立てた場合、約206万円も所得税の軽減効果があります。

塩田 そうなんですね。 更に受取時の控除も加わるので、メリットはとても大きいですね。 60歳まで引き出すことができないというデメリットはありますが、老後資金を形成するには最も良い制度のように思えます。
コンシェルジュ 塩田 麻希子

いかがでしたでしょうか?

iDeCoは運用益が非課税になることに加えて、積立時の所得控除と受取時の退職所得控除/公的年金等控除という3つの税制優遇措置があります。 老後資金を形成する場合にはiDeCo、60歳までに引き出し可能な資金の形成としてはNISAと、制度を使い分けて活用されてみてはいかがでしょうか。

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