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コンシェルジュ 高田 明

リスクマネジメント・ラボラトリー

高田 明

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めます高田明です。 当社では今年6月26日に東京・大阪・福岡の三会場で開業セミナーを開催します。

今年のテーマは「本当に開業して大丈夫?  ~開業判断のモノサシを知る」です。 開業するのかしないのか、するのであればどこでするのか、判断いただくための「モノサシ」を持っていただくための情報をご提供します。 今回は「モノサシ」のひとつとして「損益分岐点来院患者数」が計算できるようになっていただくための実習もご用意しましたので是非ご参加ください。

2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークの導入による出社人数の減少や高齢者の受診控え等による患者数の減少等、今後の開業に向けての環境は激変しています。

そんななか、首都圏で開業を検討されている先生方には、テナントビルでの診療所「ビル診」をご検討されている方も多いと思います。

今回のコラムでは「首都圏の開業事業とビル診の事業計画の在り方」について、6月26日の開業セミナーでも講師を担当いただく税理士法人シリウス医療事業部の米山憲子税理士にお話を聞きました。

それでは、どうぞ。
開業セミナー 「本当に開業して大丈夫?
~開業判断のモノサシを知る~」
首都圏の開業事情と"ビル診"の
事業計画の在り方
 

必見!Dr専門 IFAと考える「ドクターズライフプラン」シリーズ

   Zoomによるオンライン開催!

開業セミナー 「本当に開業して大丈夫?
~開業判断のモノサシを知る~」

首都圏の開業事情と"ビル診"の
事業計画の在り方

税理士法人シリウスの代表社員税理士で医療事業部を担当する米山です。 今月の開業セミナーでは「>首都圏の開業事情と"ビル診"の事業計画の在り方 」についてお話させていただきます。

さて、首都圏、特に東京23区の開業数は変わらず増加傾向にあり、競合過多であっても人気の開業エリアです。 こうした状況で、新規参入していくには、戦略性に富んだ事業展開は必須で、いかに地域の特性にあった医療サービスを提供し、また専門性を強みとして打ち出していくかが重要な成功要件となっています。

例えば、先生方の強みになる武器はどのようなものでしょうか。

  • 専門医資格
  • 何でも相談できる総合内科
  • 夜間/休日診療
  • 介護・看護連携、在宅対応

次に「強み」を発揮できるエリアを選定していくことになりますが、エリア選定は先生方の生活環境に大きく影響します。 理想の医療の実現とともに先生とご家族のライフプランの実現も選定基準のひとつとなります。 なので、都市部に偏在する病院勤務医が、そのまま都市部で開業することが多くなり、競合過多を後押ししているわけです。

この競合過多のなかで、いかに開業を成功させるか。 私たち開業支援を行う税理士は、先生の目指すクリニックのコンセプトを固めていくために、事業計画書で数字に置き換えて、経営の視点で検証を行います。

多くの先生方の開業での大きな不安は、やはり「お金」です。 「お金」についてしっかり計画をたてて、理想の医療とライフプランの実現に備えることが重要です。

事業計画の作成
事業計画とは、事業の目的や内容、収支計画を明示した書類で、業種を問わず創業や新規事業の立ち上げ、事業拡大に伴う設備投資など、事業展開を行ううえで意思決定のプロセスに不可欠なものです。

私たち税理士は、主に収支(資金)計画のお手伝いをいたします。 都市部に多いビル診の開業計画の流れは以下のとおりです。

  • 結局開業にはいくら必要なのか
    テナント保証金、内装費用、医療機器、什器備品、医師会入会金など大きなお金の洗い出しをしていきます。 これらを「設備資金」といいます。
    また、「設備資金」と同様に「運転資金」も必要です。 忘れがちな内装工事期間中の賃料や開業前研修期間中の給与、開業後の赤字期間中の補てんや先生の生活費など、あらゆる視点から洗い出しをします。
    都市部人気エリアでの一般内科のビル診開業は、初期資金として約8,000万円が目安です。
  • 必要資金はどのように調達するか
    設備資金及び運転資金の当初総投資額が確定したら、どのように資金を調達していくか計画をたてます。
    自己資金、銀行借入、親族からの援助、リース、など、ここは専門家である税理士のアドバイスを受けたいものです。
  • 経営は成り立つのか、資金繰りは大丈夫か
    開業から少なくとも36ヶ月間は毎月の収支を綿密な計画が必要です。
    平均保険診療単価と平均患者数がベースになりますが、そのなかでも想定できる専門外来や自由診療の収入など、先生のコンセプトにあった内容でリアリティを持たせていきます。
    先生方の多くは金融機関からの借入により資金を調達しますので、借入返済をしても事業資金がショートしないか、どのくらい利益を出してどのくらい内部留保ができるのか、しっかりと検証します。
  • 先生とご家族のライフプランは
    開業時の先生の年齢には幅がありますが、42歳を平均値とすると、マイホームの購入、お子様の学費、特に医学部進学に備える時期です。 また将来的な老後資金の準備も必要になります。 プライベートのお金と事業用のお金は分けて管理することが鉄則ですが、資金計画にはライフプランの実現も忘れてはいけない要素です。
コンシェルジュ 高田 明

いかがでしたでしょうか?

開業資金のことだけでも不安は多いですが、開業後の収支計画や返済方法、またご家庭のライフプランなど、お金に対する準備は多岐に亘り、専門家のサポートが必要なことがわかります。

当社では今年6月26日に、セミナー「本当に開業して大丈夫?  ~開業判断のモノサシを知る~」を開催します。

こちらはコロナ禍で変わった開業の環境などについて、実際にコロナ禍で開業された先生の体験談や、実際に開業をサポートしている税理士・コンサルタントの現実(リアル)のお話をお伝えします。

また、収支計画の基礎となる「損益分岐点来院患者数」(何人の患者さんを見れば収支がプラスになるか)を実際に計算していただく実習も計画しています。

ご開業が視野にある、という先生方や将来実家を承継するかもしれない、などの先生方には是非お聞きいただきたい内容です。

セミナーにご参加いただき、開業前準備を充実していただければと思います。