【必見!Dr専門 IFAと考える
「ドクターズ ライフプラン」シリーズ】 2021
開業支援業者・専門家との
付き合い方や相談先の探し方 |
クリニックの開院をする方法は大きく分けると、「自分一人で行う」「専門家などの力を借りながら行う」の二つに分かれます。 もちろん、多くの場合はこの二つの方法を併せて行うことになるのですが、もし、いまご自分が開業を考えるとしたら、どちらをメインに考えていくことになりますでしょうか? |
■ 自分一人で行う
この方法のメリットは専門家に支払うコストが少なくて済むことです。 ただ、ご勤務のドクターにとって、「開業にはどのようなリスクがあり、どのようなことに注意すれば良いのか」、など分からないことだらけのはずです。 このような状態でクリニックを開院すると不安やストレスを感じますし、大きな失敗をすることにもなりかねません。
近頃はインターネットなどを通じて、開院の方法や留意点などの情報を容易に入手できるようになりましたが、実際に体験しないと理解できないこともたくさんあります。
いままでに当社主催の「クリニック開院前の経営講座」を熱心に受講された先生方でも、開院して何年も経ってからやっと講座で学んだことが理解できるようになったという方が多いのです。 勤務医の方々は開院も経営も経験されたことがないので無理もありません。 |
■ 専門家などの力を借りながら行う
この方法のメリットは先生自身の業務負担が少なくなり、クリニックのコンセプトや事業計画を考えるなど重要な仕事に時間を多く使えること。 専門家のアドバイスによりリスクを少なくすることができることです。
もちろん、専門家に支払う費用が発生すること、そして本当に信頼できる専門家かどうかやってみないと分からないという問題もあります。
開業をサポートする専門家には有料でサポートする方と、税理士やメーカー・卸売会社など無料でサポートする方がいます。 どちらを選ぶか迷うこともありますが、無料の場合もコストは結果的には販売価格などに含まれたり、顧問契約が前提だったり、と考えると、コストの面ではどちらの方法もあまり変わらないかもしれません。
しかし、コンサルティング料を受け取りながらも機械メーカーなどから多額のバックマージンを受け取る人などもいますので要注意です。
過去は別として、現在は自分一人で開院を進めることをお勧めできる状況ではありません。 特に新型コロナウイルスの感染拡大後、クリニック経営を取り巻く環境は厳しさを増しており、診療科目にもよりますが、一定数のクリニックが閉院しています。
また、以前であれば少々失敗をしてもリカバリーもできましたが、これからはそうはいきません。 このような時代には信頼できる専門家の力を借りながら慎重に開院の準備を進めていくことをお勧めします。 |
■ 相談先の探し方
では、信頼できる専門家とはどのような人でしょうか。 税理士、公認会計士、社会保険労務士、コンサルタントなど様々な専門家がいますが資格や肩書きに関係なく、先生の立場に立ちながらクリニックの経営のみではなく、先生自身のライフプランなども視野に入れ、短期的なことだけではなく中長期的なことにも目配りした総合的なアドバイス・サポートをしてくれる人がいれば安心です。
初めてのクリニック開院・経営は、例えると登山初心者がいきなり困難な山に登るようなものです。 初めて登る山に知識や経験、準備もなく一人で登るのは大変危険なことはお分かりいただけると思います。
クリニック開院・経営という山登りの専門家と一緒に山に登ることができれば、この先にどんな危険が待ち受けているか、予知しながら進んでいくことが可能になります。 過去の様々な経験からリスクにつながるような考え方を指摘し、正しい判断基準を提案してくれる、この登山のガイドのような方がそばにいてくれると本当に安心できると思います。
では、このような人はどのように探せば良いのでしょうか。 まずは先輩やご友人で既に開院されている方が頼られた方をご紹介してもらうことをお勧めします。 それもできる限り多くの方に声をかけ、その中からじっくりと選びます。 実際に会って自分の目的にマッチしそうか、フィーリングが合うかどうか、などを確認します。
相談できる人が周りにいない時には、インターネットなどを通じて情報を集めてください。 しかし、ホームページなどに書かれていることを鵜呑みにしてはいけません。 複数の方と面談して、どのようなサポートをしてくれるのか、費用はどれぐらいかかるのか、フィーリングが合うのかなどの確認が必要です。
ぜひ、開院の準備には余裕を持って取り組み、じっくりとサポート役を選択するようになさってください。 |