m3QOL君m3.com QOL君 メルマガ

m3コンシェルジュ 米田 弘司

リスクマネジメント・ラボラトリー

米田 弘司

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている米田弘司です。

このところ新型コロナ感染症の影響を考えて、新規開業を見送った、延期した、途中まで進んでいたけれどキャンセル料を支払って中断した、という先生の話をお聞きします。 一方でニューノーマル時代を見据え、クリニック経営計画の見直しを行い、時代に沿った新規開業を目指す先生も増えてきたように感じます。

この時代にどのような開業の仕方が必要なのか、当社では9月12日(のセミナーは『明暗はここで分かれる!クリニック開業・経営計画』を開催します。

今回は「ニューノーマルな開業」について、本セミナーで講座を担当する、河村会計事務所 所長 河村好夫税理士にお聞きします。 河村税理士は大阪を拠点に活動するクリニック専門の税理士で、新規開業から事業承継までクリニック経営の全てをしり尽くしたスペシャリストです。

それでは、どうぞ。
【必見!Dr専門 IFAと考える
「ドクターズライフプラン」シリーズ】 2021
コロナ禍のクリニックへの影響について

【必見!Dr専門 IFAと考える
「ドクターズ ライフプラン」シリーズ】 2021

コロナ禍のクリニックへの影響について

最初の緊急事態宣言が発出された2020年の春、クリニックは今まで経験したことのなかった受診控えという渦に巻き込まれました。 社会保障審議会医療保険部会「医療保険制度による新型コロナウイルス感染症の影響について」によると、レセプト件数は2019年4月から6月、2020年4月から6月では、医科、歯科、調剤とも減少しており、2020年6月には回復傾向が現れていることがわかります。

医科だけにフォーカスすると、2020年4月と5月はどの科目も減少傾向で、特に小児科、耳鼻咽喉科は50%強の減少数位となりました。

しかし、7月には回復傾向に感じられましたが、2019年と比較すると70%程と低調であることがわかります。 他の科目が90%以上の回復と比較すると、非常に苦戦を強いられているのがわかります。

参考
社会保障審議会医療保険部会 「医療保険制度による新型コロナウイルス感染症の影響について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000797415.pdf

全てではありませんが、私の顧問先のデータを読み解くと、立地の良さだけで集患をしていたと思われるクリニックや、必要以上に再診や検査を患者に求めていたクリニックは患者さんの戻りが悪いように感じます。

コロナ禍以前のクリニック開業は立地が成功を左右する重要な位置づけでした。 しかしコロナ禍ではその常識が覆されています。 患者さんの戻りが良いクリニックの共通点は「経営理念」がしっかりしており、「コンセプト」に基づく本質をとらえた医療を行っているなどが挙げられます。

これからの開業も「立地」は大変重要な位置にあるのは間違いありませんが、それだけでは患者が来る時代は終わったように思います。

■ コロナ禍での傾向と変化

今までの常識が通用しなくなった「クリニック開業」。 開業を志していた先生方も足踏み状態が続いている方が多いのではないでしょうか。 多額な借り入れと、予測不可能な出来事への不安でなかなか前に進めない状態だと思います。

このような中、「第三者承継による開業」を考える先生方が増えています。 後継者がいないクリニックなどにとっては地域の医療機関としての責務、スタッフの雇用に対して責務を果たせ、また承継する側はゼロベースで開業するより、リスクやコストを抑えられる、として注目されています。

参考
日本医師会総合政策研究機構 医業承継の現状と課題
https://www.jmari.med.or.jp/download/WP422.pdf

■ 国民の意識の変化

コロナ渦によって多くの方が自分にはかかりつけ医がいなかったという実態が認識されました。 コロナ禍に実施された調査では、新型コロナウイルス感染症への不安を聞いたところ、「大いに不安を感じる」と「ある程度不安を感じている」を合わせると82.1%が不安を感じていることがわかりました。 その影響で医療機関への受診不安も69.3%が不安を感じています。

そこで、行きなれたクリニック、なじみのある先生や環境が何よりも安心だと感じ、かかりつけ医への関心が出たのもこのコロナ禍からではないでしょうか。 高齢になるにつれ、かかりつけ医を持つ割合も高くなりますが、20代では21.6%、30代では34.4%しかありません。 理由は病気にならないので必要がないと答えた方が圧倒的で、その理由も間違いではないでしょう。

しかし、かかりつけ医がないため、PCR検査の手配、新型コロナワクチン感染症の相談に困るワクチン接種がなかなかできない、新型コロナ感染後のアフターフォローについて相談できない、などの状況が発生しています。

治療が完了した後も引き続き身体の不調に幅広く対応してくれる、かかりつけ医の需要は今後ますます高まっていくと考えられます。

参考
公益社団法人 日本医師会 第7回 日本の医療に関する意識調査について
https://www.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20201007_4.pdf

これからのクリニック開業「ニューノーマルな開業」を考える際には

  • 何よりも経営理念・コンセプトの明確化
  • 立地設定はwithコロナを前提に
  • 当初はローコストオペレーション、運転資金を多めに準備
 など、今までとは異なる視点が必要です。

コンシェルジュ 米田 弘司

いかがでしたでしょうか?

新規開業は今までの常識とは少し違った形へと変わっているようです。 医療費の高齢者負担の増額など、患者さん側のニーズ変化を敏感に察知し、地域に根付いた診療と選ばれるクリニックをどう築くのか、という点と、先生方の理想な診療スタイルとをいかにマッチするかが重要なのではないでしょうか。

新規開業や事業承継には、全体を見渡せる経験豊富なパートナーがますます重要になるかもしれません。

今年当社は先生方の「ライフプラン」について考えるセミナーを毎月企画しております。

今までのダイジェスト版動画
https://vimeo.com/showcase/8625848
 パスワード: m3dlp


9月12日()のセミナーでは「開業のメリット・デメリットとタイムスケジュール、「ニューノーマルの経営計画」「業者・専門家との付き合い方や相談先の探し方」「他人からの承継 VS 新規開業 徹底討論」 といった内容をご用意しています。

このセミナーシリーズをご覧いただき、少しでも先生方の未来の不安が少なくなっていただければと考えておりますので、ご都合を合わせていただき、ぜひ当セミナーをご視聴ください。

今後のセミナーは以下の通りです。 過去のセミナーのフルバージョン動画をご用意しておりますので、視聴ご希望の先生は当社までお問い合わせください。

   ⇒ ご質問・ご相談はこちら