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コンシェルジュ 新井 常夫

リスクマネジメント・ラボラトリー

新井 常夫

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている新井 常夫です。

当社では10月22日より毎月1回、東京国際フォーラムにて、クリニック経営セミナー 『開業前に聞いておきたいクリニックの作り方』を開催しています。

日々お忙しい先生方に少しだけ立ち止まって将来のことを考えていただく一助になればと思っております。 既に開業されている先生もぜひご参加ください。

公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 認定医業経営コンサルタントの立場から開業後(承継後)の先生から多くいただく質問に5回シリーズでお答えしていきたいと思います。 (前回の内容はこちら

第3回の今回は「Mission(使命、存在意義)」 についてご案内していきます。 「最近、クリニックを開院した。」「承継した。」または、「開院して数年経つのに思い描いた来院数に達していない。」などの状況にある院長先生のお役に立てればと思います。

多くの開業コンサルタントは、場所の選定や情報提供・内装の提案・医療機器の提案・借入資金の準備・スタッフ募集などのお手伝いはしてくれても、開院後の集患対策など経営のお手伝いまではしてくれないようです。

今回は、開院後多くの患者さんに来ていただくためのMission(使命・存在意義)について、お伝えしたいと思います。

【開業医の先生からの質問
クリニック開院後(承継後)編】
第3回 Mission(使命、存在意義)

【開業医の先生からの質問
クリニック開院後(承継後)編】

第3回 Mission(使命、存在意義)

■ なぜMission(使命・存在意義)が必要なのか?

クリニック経営にMission(使命・存在意義)がそれほど重要ではないように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は良いクリニック作りにはMissionが欠かせないと思っています。

診療圏におけるクリニックの数が飽和状態に近づいており、患者さんはもちろん、スタッフや勤務医の先生、業者さんからも選ばれるクリニックにならなければなりません。

Mission(使命・存在意義)、Vision(目標・将来像・理想像)、Values(価値観)、Credo(信条・志・約束・行動規範)を決めることで、行動と発言に一貫性が生まれますし、クリニック経営に迷ったときにも役立ちます。

選ばれるクリニック作りには、これらの基礎となる先生のMissionとクリニックのMissionが必須になると思います。

今回は、Mission(使命・存在意義)についてお話しさせていただき、VisionとValues、Credoに関しては、今後のメールマガジンでお話しする予定です。

 

■ Mission(使命・存在意義)とは?

多くの企業が「明るい未来を築く・・・」「社会を豊かにする・・・」など指針になるものを持っています。

私、新井常夫のMissionは、「日本の医療を良くするために、開業医の先生をサポートする。 そして、開業医の先生とご家族の未来を安心・安全・豊かで幸せな明るいものにする。」です。

Missionは、ご自身の人生の幸せな価値観、幸福感、社会との関わり方の指針です。 自分自身を振り返り見つめ直すという意味でも少し時間をかけて考えてみてください。

考える際に下記を意識することをおすすめします。

  • 人生の使命、目的を明確にする
  • 出来る限り、端的な言葉で短くまとめる
  • 「~ではない、~しない」などの否定語を使わない
  • ポジティブな言葉、幸せを感じられる言辞にする

Missionを決めようとすると、多くの先生方が「こうでなくてはならない」という考えにとらわれて医療中心となってしまいますが、「自分が求めている幸せな人生」を中心にお考えいただければと思います。

「自分が求めている幸せな人生」を考えた結果、医療についてMissionを掲げることは、全く問題ありません。

例えば、「私のMissionは、私と家族、スタッフ、患者さんなど自分と関わる人が、笑顔になることである。」と言うように、ご自身の幸せを中心においていただければと思います。

 

■ Mission(使命・存在意義)を決めることで得られること

Missionから得られることの1つとして、お決めになったMissionを基礎に取るべき考え方や行動が明確になっていきます。

ご自身だけでなく、クリニックのMissionも明確にし、スタッフに浸透させることで、日常的にスタッフの教育が出来るという効果もあります。

例えば、クリニックのMissionを「患者さんの笑顔作りを心掛けます。」に決めた場合、スタッフは、常に患者さんを笑顔にすることを考え行動するようになります。

プライベートで嫌なことがあったときや、体調が悪いときに患者さんへの態度が悪くなってしまうスタッフがいたとします。 理屈なしに「そのような態度は良くない」と伝えてしまうと余計気分を損ねて患者さんにあたってしまうという悪循環を起こしかねません。

患者さんへの態度が乱暴なスタッフに対してクリニックのMissionである、「患者さんの笑顔作りを心掛けていますか?」と問いかけることで、反感を買わずに取るべき態度を自ら省察してもらえる可能性があります。

スタッフにクリニックのMissionが浸透すると、その日の気分が悪いからと患者さんにぞんざいな対応が出来なくなります。

 

■ まとめ

Missionを決めることは、院長先生の人生とクリニックの経営の根幹になります。

「高額待遇、スタッフ募集」で給与・時給の金額を他のクリニックより高めにして、高額待遇で応募したスタッフの多くは、後に労務と金額のバランスに不満を持ちます。

そのようなスタッフは、怠慢だったり、サボったり、昇給を求めて来たりします。

スタッフ募集時に「患者さんを笑顔にすることにやりがいを感じる方を募集」とMissionを入ることで、応募してくるスタッフが違ってきますし、採用後もいかに患者さんを笑顔にするかを考えてくれます。

ただし、院長先生またはクリニック幹部が、定期的にMissionの話をし、その重要性を語ることが必要です。

Missionをいつも語り、クリニック全体に刷り込むことで、スタッフ全体の意識が変わり、お金だけが目的のスタッフは自然と去っていきます。

このようにMissionを決めることで得られることは多くあります。 良いクリニック作りのためにMissionをお考えいただき、次回お話しするVision(目標・将来像・理想像)、Values(価値観)、Credo(信条・志・約束・行動規範)に関しては、決められたMissionを基に作ることがおすすめです。

コンシェルジュ 新井 常夫

いかがでしたでしょうか?

私は、正しい情報に基づいたクリニックの経営を良くするお手伝いをすることで、地域医療に貢献されている先生とご家族の安心、安全、豊かで幸せな未来づくりにお力添えできればと思っております。

ぜひ私をセカンドオピニオンとして、ご活用いただければ幸いです。

当社の東京セミナーでは10月22日より、11月17日(日)、12月22日(日)、1月13日(月・祝)、2月16日(日)、3月22日(日)6回にわたり『開業前に聞いておきたいクリニックの作り方』を開催しています。

「これから開業どうしようかな?」と考えていただく際のヒントをお伝えできればと考えておりますので、開業をご検討中の先生はもちろん、既に開業されている先生もぜひご参加ください。

また、クリニックの院長先生のための医院経営について総合的なコンサルティングも行っていますので、お悩みの先生はお気軽にご相談ください。

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