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m3コンシェルジュ 高橋 和宏

リスクマネジメント・ラボラトリー

高橋 和宏

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの高橋 和宏です。

よいところばかりを見てしまい、悪いところの確認をおろそかにしてしまうことは、金融商品の選択において陥りやすいミスです。

「事前に知っていたらこの商品に投資はしていなかった・・・」とならないように注意をする必要があるでしょう。

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実践編6 知らないうちに陥る、
大きなリスクを抱えた運用

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■ ケース2 其の2 ご相談者 Bさま

  • プロフィール:
    院長婦人、59歳、女性
  • ご相談のきっかけ:
    お付き合いのある金融機関で投資信託等を購入し、長年保有されているお客様。
    自分自身の運用内容があまりよくないのではないかと不安を感じており、誰か他の人の意見も聞いてみたいとご相談をいただきました。
 現在保有されている商品の明細(単位: 円)

商品の一覧

 ※ 前回の内容はこちら

【高橋】
分配金の問題の他にも気になる点があるのですが、この「米国ハイイールド投信」はどのような投資信託だとお聞きになられて購入されたのでしょうか?

【Bさま】
これは、「利回りがとても高い商品なので、とても売れていますし、いいですよ!」というような説明だったかと思います。 細かいところまでは忘れてしまいましたが、実際に資料を見たら運用成績もよかったので、投資をしてもいいかなと思いました。

【高橋】
なるほど。 確かに「高い利回りが期待できる商品」ではあるのですが、実は、その裏には大きなリスクがある商品ですので、そこについてお話させていただきますね。

「ハイイールド」とは「ハイイールド債券」の省略で、債券投資に分類されます。

債券投資は、投資先の「信用力」と、投資から得られる「利回り」の2つを見て判断するのが一般的です。

まず、信用力ですが、投資先の企業の財務状況などを自分で確認してみるのがよいのですが、なかなか難しいため、客観的な判断材料として「格付け」を見てみるとよいです。

アルファベットのAやBを組み合わせて表記される下記のようなものが格付けです。

格付け

信用力が高い順にAAA、AA・・・というように評価されています。 BBB以上の格付けの債券は「投資適格債」と呼ばれており、将来の金利の支払や、満期時の元本の支払の確度が高いということを意味しています。

格付けが高い方が債券投資の最大のリスクである金利支払の停止や満期時の元本が支払われないといった最悪のケースが起こる可能性が低くなります。

【Bさま】
投資適格債であれば比較的リスクは少ないということですね。

【高橋】
一方、BB以下の格付けの債券は「投資不適格債」と呼ばれ、平たく表現すると「高い金利は期待できますが、信用力が低いので投資には向いていませんよ。」という債券なのです。

ハイイールド債とはこの投資不適格債のことですので、ハイイールド投信とは・・・

【Bさま】
投資不適格債ばかりを集めた投資信託ということでしょうか?

【高橋】
その通りです。 ハイイールドを訳すと「高い利回り」という意味なので表現上間違いはないですし、聞こえ方もよいので投資信託の商品名に多く採用されているのですが、実際にはとてもリスクの高い部類の商品になります。

「自分は格付けが低くても高い利回りを求めて投資をしたい!」と考える投資家には向いている商品なのですが、Bさまの場合にはいかがでしょうか?

【Bさま】
そんな商品だとは思っていませんでした。 逆にお聞きしたいのですが、私はこの商品を持っていない方がよいのでしょうか?

【高橋】
ハイイールド債への投資が全てダメだという訳ではありません。 運用資産の一部分に留めておくということであれば、過度に心配する必要はないかと思います。 ただし、リスクがある商品だということを改めてご認識いただいておくとよいと思います。

【Bさま】
分かりました。 今度どうしていくかは少し考えさせてください。

 

■ 今回のポイント

  • 金融商品のよいところだけでなく、悪いところもしっかりと把握する
  • リスクの高い商品ばかりにならないように気をつける

※ 今回の内容は将来の運用成果を保証するものではありません。 また、特定の運用方法を推奨、非推奨するものではありません。

※ 投資にはリスクがございます。
実際に投資をされる際には目論見書等をご覧いただき、ご自身の判断と責任のもと、行なっていただくようお願いいたします。

m3コンシェルジュ 高橋 和宏

いかがでしたでしょうか?

国内で最も運用残高が多い(=購入している人が多い)投資信託の1つがこのハイイールド型の商品です。

投資をされている皆さまがリスクについて正しく認識されているか、疑問に思うところですが、これに限らず金融商品についてはリスクをしっかりと確認した上で購入をするかどうかの判断をしていただくとよいのではないでしょうか。


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