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m3コンシェルジュ 高橋 和宏

リスクマネジメント・ラボラトリー

高橋 和宏

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの高橋 和宏です。

運用の結果、資産を増やしたいと思うのは運用をする人共通の想いです。

ただし運用の「目的」と「商品(=手段)」が上手にマッチしていないと、思わぬ機会損失が発生していることがあるのはご存知でしょうか。

具体的な事例を見ながら解説していきたいと思います。

安心老後のためにお金にも働いてもらう 14
実践編5 運用する「目的」と「商品」のミスマッチに注意

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実践編5 運用する「目的」と
「商品」のミスマッチに注意

■ ケース2 其の1 ご相談者 Bさま

  • プロフィール:
    院長婦人、59歳、女性
  • ご相談のきっかけ:
    お付き合いのある金融機関で投資信託等を購入し、長年保有されているお客様。
    自分自身の運用内容があまりよくないのではないかと不安を感じており、誰か他の人の意見も聞いてみたいとご相談をいただきました。

【高橋】
こんにちは。 よろしくお願いします。

【Bさま】
こちらこそ、よろしくお願いします。

【高橋】
それではまず、現在Bさまが抱えているお悩みからお聞かせいただけますか?

【Bさま】
はい。 投資信託などを長年持っているのですが、何だか上手くいっていないような気がして不安に思っています。 このままでよいのかご意見をいただきたいのですが・・・

【高橋】
かしこまりました。 現在保有されている商品の明細を拝見することはできますか?

【Bさま】
こちらが現在、私が持っている商品の一覧です。

(単位: 円)
商品の一覧

【高橋】
ありがとうございます。 2つの投資信託の総合運用成果としてはプラスになっているようですね。 それではいくつかお伺いしたいのですが、現在お持ちの商品はどのように選択されたのでしょうか?

【Bさま】
担当の方がたまに連絡をくれて、案内してくれる中から自分でいいかなと思ったものを購入してきました。

【高橋】
ご自身で最終判断をしっかりされているのはとてもいいですね。 この2つの投資信託は具体的にどこがいいと思われて購入にいたったのでしょうか?

【Bさま】
一番は毎月分配金をもらえる、というところでしょうか。 最初は少額でやっていたのですが、実際に毎月お金を受け取れるといいなと思い少しずつ追加していきました。 でも、それが・・・

【高橋】
何かご不満がありそうですね。

【Bさま】
はい。 初めのころは分配金をもらえるのが嬉しかったのですが、だんだん自分の運用資産を取り崩すだけのような気がしてきまして・・・。 実際、元本がどんどん減ってしまっているんですよね。

【高橋】
確かにBさまのお持ちの投資信託は運用資産を大きく取り崩す設計になってしまっているようです。

そもそもBさまの運用の目的は、定期的に利金や分配金を受け取るものでしょうか? また、毎月受け取られている分配金は何かにお使いになっていますか?

【Bさま】
もちろん分配金をもらえるに越したことはないと思いますが、もらったからといっても特に使うわけでもなく、ただ銀行の中に入ってくるだけです。

何だか運用をしたいはずなのに自分の元本を取り崩して預金に戻すなんて本末転倒ですね。

【高橋】
Bさまが感じているとおり、残念ながら多くの分配金を出す投資信託での運用は長期の資産形成には向いていないのです。

投資した資産が毎年20%ずつ、3年間上昇したとしてシミュレーションしたのが下記の図です。

元本が増え、翌年以降は利益も含めて上昇していくので複利効果が生まれ資産の増え方は大きくなっていきます。

【Bさま】
元本と利益がどんどん増える好循環ですね。

【高橋】
一方、同じ投資対象であっても、多くの分配金を出す投資信託で運用した場合は下記のようになります。

比べてみるといかがでしょうか?

【Bさま】
さっきは利益の額が年々大きくなっていったのに対して、こちらは取り崩しているせいで利益の額が年々小さくなってしまっていますね。

【高橋】
全く同じ投資対象に同じ期間投資を行なっていたにも関わらず、運用成果には大きな差が出てしまっています。

取り崩す必要がない方であれば、分配金を受け取らない商品で運用されるとよいと思いますがいかがでしょうか?

【Bさま】
確かにそうですね。 私は分配金をもらっても使わないので、分配金をもらわない方に見直ししていこうと思います。

 

■ 今回のポイント

  • 自分の運用目的を確認する(資産の増加を期待する、利金の受け取りを期待するなど)
  • 投資をする商品の内容や性質を理解する
  • 運用目的と商品がマッチしているかをチェックする

※ 今回の内容は将来の運用成果を保証するものではありません。 また、特定の運用方法を推奨、非推奨するものではありません。

※ 投資にはリスクがございます。
実際に投資をされる際には目論見書等をご覧いただき、ご自身の判断と責任のもと、行なっていただくようお願いいたします。

m3コンシェルジュ 高橋 和宏

いかがでしたでしょうか?

分配金を多く払い出す投資信託はかつてとても人気がありました。

今なお多くの方が分配型投資信託を保有されていますが、ご自身の運用目的に沿っていない場合には、一度見直しを検討されてみるとよいと思います。

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