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安心老後のためにお金にも働いてもらう 10
実践編 まずは運用資金の選別を
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■ ケース1 ご相談者 Aさま
- プロフィール:
首都圏個人開業、47歳、男性
- ご家族構成:
奥様、小学生のお子様2人
- ご相談のきっかけ:
当社で生命保険、損害保険のご契約をいただいているお客様。 今までは運用には全く興味がないということだったのですが、一度運用について話を聞いてみたいとご相談をいただきました。
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【高橋】 それでは、よろしくお願いします。 新しく資産運用を始めてみたいということですが、何かきっかけがあったのでしょうか? また、これまでに何か投資をされてきたご経験はございますか?
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【Aさま】 いいえ、これまでは株とか投資信託を全くやったことはありません。 ただ、銀行に置いていても全く増えないですし、年金がもらえなくなったりして将来大丈夫かなと漠然とした不安が出てきたもので・・・。 こんな動機でも大丈夫でしょうか?
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【高橋】 もちろん、大丈夫ですよ。 それではまず今後、主な投資対象としていく株式と債券について、それぞれの特徴をお伝えします。 (過去のメールマガジンと同様の内容をお伝えする。) 簡単にまとめると株式はハイリスクハイリターン、債券はローリスクローリターンであるといえます。 さらに海外への投資は為替の影響もあるので、リスクはより大きくなります。 個々の投資先のリスクを軽減するために、少額から多くの資産に分散投資ができる投資信託を使うことが個人の資産形成にとっては好ましいと思います。
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【Aさま】 なるほど。 ただ私は投資経験がないせいか、できるだけリスクの少ないものに投資をしたいと思ってしまうのですが・・・。 どうでしょうか?
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【高橋】 確かに誰でもリスクのある商品に投資をして損をしてしまうのは嫌ですからね。 ただ、リスクが低い運用をすれば、期待できるリターンも少なくなってしまいます。 運用資金の内容によってはリスクを負ってでも、積極的にリターンを狙いにいって良いものもあります。
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【Aさま】 どういうことですか?
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【高橋】 Aさまは、今のところ『これくらいの金額を運用しようかな』というお考えはございますか?
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【Aさま】 そうですね・・・、とりあえず近い将来マンションを購入するための頭金と考えている2,000万円ですね。 良い物件があれば数年以内には購入したいと考えています。 あとは月々の余裕のあるお金を運用に回していこうと思っています。 これは将来のためにと思っているので使う時期は先になると思います。
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【高橋】 承知しました。 先程私が申し上げた『リスクを負ってでも、積極的にリターンを狙っても良い』と申し上げたのは後者の将来のための余裕資金のことです。 少なくとも10年以上は解約をせずに運用を続けられるご資金だと思います。 そういった資金はもし運用の途中で下落しても、回復するまで待てる余裕があるので積極的な運用をおすすめしています。 ただし、前者の『近い将来使う予定のある資金』はリスクを負った運用は避けるべきですね。 ましてや今回は数年以内に使う可能性もあるとのことなので、運用に回すのはやめておくべきだと思います。
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【Aさま】 ちなみに月々の積立の金額をどのくらいにしようか迷っているのですが、目安のようなものはありますか?
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【高橋】 それぞれ収入や支出の状況が違うので一概にはいえないのですが、無理のない範囲でできるだけ大きな金額でやっていただくようお話しています。 当然、投資資金が多くなるほど運用が上手くいった時の金額も大きくなってくれますので、できるなら大きな資金を運用したいですね。 一方で将来いつどのようなタイミングで運用資産を取り崩すことになるかは分かりません。 ぎりぎりまで運用にお金を使ってしまうと思わぬタイミングで解約しなければならないことが想定されるので、あくまで継続できるよう無理のない範囲が良いと思います。
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【Aさま】 うーん。 そうすると10万円くらいですかね。
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【高橋】 それではとりあえず毎月10万円から始めてみましょうか。 途中で金額を増やしたり減らしたりすることも可能ですので、今後運用を継続していく中でご相談させてください。 それでは、次はどこに投資をするかを検討していきたいと思います。
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■ 今回のポイント
- 運用を始める前に、運用に向ける資金の選別を行う
- 資金の性格に合わせて、適切なリスクリターンの投資先を選定する
- 「無理のない範囲でできるだけ大きな金額」を運用に回すよう心がける
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