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m3コンシェルジュ 高橋 和宏

リスクマネジメント・ラボラトリー

高橋 和宏

新年あけましておめでとうございます。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの高橋 和宏です。

本年も皆さまのお役に立つ情報をお届けできるよう努めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

今回は「ご相談事例のご紹介 解説編2  資産運用の出口戦略」をお伝えいたします。(解説編1 はこちら。)

自分の身を守る投資 第20回
ご相談事例のご紹介 解説編2
資産運用の出口戦略

自分の身を守る投資 第20回

ご相談事例のご紹介 解説編2
資産運用の出口戦略

■ 資産運用をしても良いお金

最低でも5年以上、できれば10年以上は使う予定のないお金を資産運用に向けていただくことをおすすめしています。 よく投資の世界では「10年以上の長期投資が基本である」と言われますが、なぜ10年以上使う予定のない資金でなければならないのでしょうか?

資産運用で最も避けなければならない行為は、「投資金額に対してマイナスになっている状況で売却をすること」、これに尽きると思います。

ところが必ずプラスになる運用商品はなく、経済環境の変化によってプラスになったりマイナスになったりといった価格変動があるものが一般的です。

過去の株式相場を数十年振り返ってみた場合、少なくとも10年に1度程度は大きな下落があるものです。

  • 2008年のリーマンショック
  • 2001年の同時多発テロ
  • 1987年のブラックマンデー

この他にも実にさまざまな要因で相場が下落しました。

しかしながらそれぞれ株価は概ね3年前後の時間をかけて、元通りかそれ以上の価格に戻って来るケースがほとんどです。(残念ながら日本のバブル崩壊後の株価は例外で、まだ戻って来てはいません)

そのため運用を始めた後に大きな下落が起こったとしても、回復を待つ時間も合わせて最低でも10年以上というお話をさせていただいております。

 

■ 資金の振り分けと、状況別の取り崩し方

前回のメールマガジンで成功する資産運用のイメージとして、銀行預金、安定運用資産、積極運用資産を分けて考える必要性をお伝えしました。

10年以上は運用することを前提とし、仮にお持ちの資産を3等分して運用を始めたとします。

図1
図1

ところが5年経過後、『急遽まとまった資金』が必要になり運用資産を取り崩さなければいけない状況になったと仮定します。

図の備考
  • 『急遽まとまった資金』を売却により用立てます。
  • 銀行預金はほぼ増えないとします。
  • 銀行預金は売却ではないので、便宜上の表現です。
この場合を2つのケースに分けて考えてみたいと思います。


ケース1 利益が出ている場合

株価の上昇や為替の円安により利益が出ているときの取り崩しの考え方です。 この場合は値上がりしている積極運用資産の方から多めに取り崩すようにするのが基本です。

運用により資産を殖やして本来使うべきところに資金を使うという理想的なかたちですね。

ただし売却後、「残った資産が偏らないように注意」をしなければなりません。 積極運用の方ばかり取り崩してしまうと、その後さらに株価が上昇した場合に恩恵を受ける割合が小さくなってしまいます。

また、逆にさらなる上昇を期待して積極運用資産をそのままにして、銀行預金からばかり取り崩してしまうと、その後株価が下落した場合に損失が大きくなり過ぎてしまいます。

図2
図2


ケース2 損失が出ている場合

次に損失が出ている状況で取り崩しをしなければならない状況の考え方です。

先ほどとは逆の考え方で、銀行預金にある資金を中心に取り崩すのが基本となります。 損が出ている資産の売却を極力小さくするようにして、価格の戻りを待つのが良いと思います。


図3

図3

この場合も売却後の資産の残し方は先ほどと同じように、偏らないように残すのが理想です。

運用資産の価格はコントロールできませんが、自身の資産配分や取り崩し方法はコントロールすることができます。 できるだけ損失を抑えて、利益を狙えるように調整することが大切ではないかと思います。

m3コンシェルジュ 高橋 和宏

いかがでしたでしょうか?

資産運用では資産配分による入り口と、実際にお金を使う際の出口の両面が重要となります。

使いたいときに気持ち良くお金を使えるような考え方と計画を準備しておくと良さそうですね。

今回の20回目で「自分の身を守る投資」シリーズは終わりです。

次回から「安心老後のためにお金にも働いてもらう」シリーズをお伝えいたします。


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※ この内容は、メールマガジン配信日の情報に基づいています。