■ 英語教育改革の本質 「話す=スピーキング」の導入
こんにちは。 「子育てコンシェルジュ」の藤崎達宏です。 2020年に大学入試センター試験が廃止になり、「大学入学希望者学力評価テスト」が導入されることは皆さまご存知のことと思います。 中央教育審議会が提示した新テストのイメージにあるひとつのフレーズが最重要ポイントです! 「英語は『読む』『聞く』『書く』に加え、『話す』を加えた4技能を総合的に評価する」 要は「話す = スピーキング」が導入されるということです。 出典元: 文部科学省 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/ html/hpab201501/detail/1361501.htm しかし、実務上スピーキングを試験に導入するには、環境を整えるのに相当な無理があります。 お隣、韓国ではタブレットタイプの機器を使って、スピーキングを試験に導入しているケースもあるようですが、日本では現在の大学入試センター試験時のリスニングですらトラブルが毎年報告される状況で、「とても導入は無理」と言うのが現場の声のようです。
■ それではどうなるのでしょうか?
上記の「民間の資格・検定試験を活用」と言うのが濃厚となります。 要は、現在スピーキング試験を行っている民間試験を流用するということです。 極端な話し、英検((実用英語技能検定)※)1級をすでに持っている人は、「東大理IIIの英語試験は免除」などという可能性が出てくるかもしれません。 現在でも上智大学ではTEAP((ティープ)※)において、一定点数を取得した学生については、英語試験免除という「TEAP利用型入試」を始めています。 横浜市立大学医学部では推薦入試の最低条件に、「英検2級以上」と明記しています。 今後、国公立大学も推薦入試が増加するなかで、学力を客観的に証明する資格が、とても重要になることは間違いありません。 ※参考: 前回のメールマガジン
■ 戦略の転換
先日この話しを聞いた、小学生のお子さまを持つお父さまが「藤崎先生! これは、中学受験している場合じゃないですね! 中学受験をするための塾代と、勉強時間をかければ英検準1級くらい取れるでしょう!」と、興奮しておっしゃっていました。 少し乱暴な考え方になるかもしれませんが、戦略的に一理あると思います。 また、こうした流れから、中学受験の受験科目に「英語」が加わる可能性も高まっています。 今現在も、「英語受験」「5科目受験」などをラインナップしている中学校はありますが、主要校ではまだ導入されていません。 ただ「どこが口火を切るか?」という状況です。
■ まずは「英検」から?
英検、TEAP、TOEIC、TOEFL、GTECなど、どの検定が対象になるのか、まだ決定していません。 しかし、大きな流れが決まっている以上、親として対策をしていかなくてはなりません。 小学校時代から取り掛かるのであれば「英検から」が定石だと思います。 なぜならば、レベル別に問題が作られているのが「英検」だけだからです。 TOEICにしても、TOEFLにしても、ある程度の英語力(英検準2級程度)がついてからチャレンジすることをお勧めします。
■ 医学部志望であれば、「いつまで」に「どこまで」やれば?
ズバリ「小学校6年生までに英検2級」です! これは、十分可能な目標設定であり、「達成した時には強烈なアドバンテージとなる」と言っても過言ではありません。
■ 英検2級レベルがもたらすもの
「英検2級であれば私でも持っています!」と言う方は多くいらっしゃると思います。 しかし「準1級」となると、極端にその数は減ります。 その間にどのような差があるのでしょう? 英検2級までは「日本語を英語に」「英語を日本語に」と言った、「ジャパニーズイングリッシュ」で対応できます。 しかし、準1級レベル = 医学部受験レベル = 大学入試センター90%レベルとなると、「英語を英語で読む」「英語の斜め読み」が必須となるのです。 そのための基礎体力とも言える英語力が英検2級なのです。
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