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m3コンシェルジュ 米田 弘司

リスクマネジメント・ラボラトリー

米田 弘司

クリニックの新規開業にあたっては、多額の資金が必要となります。 内装を立派にして、最新の医療機器を取り入れ、他のクリニックとの差別化を図ろうとお考えになるかもしれません。

しかし、さまざまな設備投資を少しでも安く抑えることができれば、金融機関からの借入金を少なくすることができ、結果的に利益が早くでる、ということにつながるのではないでしょうか。

そこで今回は、『知って得する 開業前のお金の話(全3回)』シリーズ 第2回『利益を早く出す! 低コスト開業のコツ』について、税理士法人森田事務所(神戸)の森田税理士にインタビューしてまいりました。

税理士法人森田事務所は、400件以上の医療機関の顧問税理士として日々活躍され、新規開業はもちろん、事業継承など多くの実績と経験があります。 実情を踏まえながら、わかりやすくお話を伺いました。

知って得する 開業前のお金の話 第2回
利益を早く出す! 低コスト開業のコツ

知って得する 開業前のお金の話 第2回

利益を早く出す! 低コスト開業のコツ

■ 低コスト開業の具体的な方法

【米田】
まず、低コストで開業できる具体的な方法を教えて下さい。

【森田税理士】
開業にあたって、さまざまなお金がかかりますが、簡単にコストを抑えることができる項目は、「医療機器」ではないでしょうか。

【米田】
医療機器等の設備投資に関しては、診療科目にもよりますが、2,000万円~3,000万円が目安と言われています。 産科や婦人科だと約5,000万円が必要になります。 そこまで多額のコストが発生するはずの医療機器で、なぜ、コストを抑えることが可能なのですか?

【森田税理士】
医療機器は、安く購入することができる方法がいくつかあります。

  • 複数の業者から見積書をとる
  • メーカーと直接交渉する
  • 選定した代理店からすべての機器を購入し、価格を交渉する
  • 既に開業された先生から価格情報を集める
  • 展示品などの新中古を購入する
  • 買い取りではなくて、リースを利用する

高度な医療機器を購入する際はとくに、その機器の必要性、購入先、そして価格等を十分に検討する必要があります。

例えば、先日開業をお手伝いしたクリニックの場合、もともと医療機器の購入に2,000万円かかるところ、最終的には、1,500万円と安く購入することができました。

 

■ 借入金が少なくなると…

【米田】
500万円の差は、非常に大きいですね。(下表をご覧ください。)

1. 2,000万円を借入れした場合(元利均等返済)
2,000万円を借入れした場合(元利均等返済)

2. 1,500万円を借入れした場合(元利均等返済)
1,500万円を借入れした場合(元利均等返済)

2,000万円を借入れした場合と1,500万円を同じ条件で借入れした場合とでは、毎月の返済金額が約9万円、支払利息総額が約26万円変わってきます。 医療機器を安く購入できるか、できないかで毎月の支出が9万円も違うのであれば、購入前に十分検討する必要がありそうですね。

【森田税理士】
そうですね。 借入金が少なくなると、毎月の返済金(コスト)が低くなり、利益を早く出すことが可能になります。

【米田】
先生ご本人だけでなく、新規開業を応援してくれた方々や何よりご家族の方が早く安心することができますね。 森田税理士ありがとうございました。

m3コンシェルジュ 米田 弘司

いかがでしたでしょうか?

開業後の成功まで考えた計画と準備が重要であり、情報を事前に知っておくことにより、余計なコストやリスクを排除することができるということですね。

ただし、開業前のお金のことに関しては、上記以外にもさまざまなことを考え、一つ一つ決断していかなければいけません。

決断するのは先生方ご自身ですが、それを先生方ご自身で正確に判断するための物差しを、中立な立場かつ必要なタイミングで的確なアドバイスをしてくれる、森田税理士のような医業に詳しい税理士などの専門家選びも重要ではないでしょうか。


次回は、『知って得する 開業前のお金の話(全3回)』シリーズ 第3回、『いつ? 経営安定期への突入のセオリー』についてお届けします。

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