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知って得する 開業前のお金の話 第1回
その住宅ローン! 借入れ審査で悪影響です |
■ 住宅ローンで開業資金の借入れが不利に!?
【米田】
開業を考えていらっしゃる先生が住宅ローンを組むことについて、どのように考えますか? |
【森田税理士】
開業を成功させることを優先するのであれば、家を買うこと、住宅ローンを組むことはおすすめできません。 理由は、開業資金の借入れで不利になるからです。 とりわけ好ましくないケースだと借入れできないということも何度かありました。 クリニックの開業には、設備投資や当面の運転資金など数千万円~数億円の多額の資金を要すため、金融機関からの借入れが必要になります。 |
【米田】
借入れができないケースだと、開業もできないということですね。 それでは、どのようなことに気をつければ良いでしょうか? |
【森田税理士】
まず開業を目指すにあたり、「現金は減らさないこと」が原則です。 家を購入すると一般的には頭金を入れることになります。 また、住宅ローンを組むということは、「借金をつくる」ということです。 |
【米田】
つまり住宅ローンを組むということは、持っている現金が減り、借入金が増えるということですね。 住宅ローンを組むことによって、借入れに悪影響がでるのであれば、やはり、開業前に自宅を買うべきではないですね。 |
■ 既に住宅ローンを組んでいる場合は?
【米田】
しかし、開業を検討されている先生が、既に住宅ローンを組まれている場合、どのようにすれば良いのでしょうか? |
【森田税理士】
少しでも返済を済ませることと手元にお金を残しておくことです。 金融機関の借入れ審査判断基準の1つは、借入金の総額です。 自宅はご自身の財産だと考える方もいらっしゃるかも知れませんが、住宅ローンの返済が残っている状況では、金融機関にとっては単なる負債でしかないのが現実です。 |
【米田】
既に住宅ローンを組まれている先生も開業資金の借入れをするためには、
- 住宅ローンなどの借入金をできるだけ少なくしておくこと
- 手元にできるだけ多くのお金を用意しておくこと
が必要ということですね。 クリニックの経営に成功すれば、開業前に考えていたよりも、さらに素敵な家を買えますしね。 |
【森田税理士】
そのとおりです。 開業が成功すれば、通常5年~10年以内には返済することができるでしょう。 今まで開業をお手伝いさせていただいた先生の中で、開業されて5年程で立派なご自宅を買われた先生も多くいらっしゃいます。 人生で一番の大きな買い物は、成功してからでも遅くはありません。
ただし、開業したからといって必ずうまくいくかどうかは難しいのが現在の実情です。 だからこそ、開業前には十分な計画が大切です。 |