■ 投資家心理を表す『VIX指数』
『VIX指数』とは株価変動率を表す指標で、シカゴオプション取引所がS&P500指数のオプション取引の値動きをもとに算出・公表しています。 Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)の略で恐怖指数とも呼ばれており「市場が今後30日でどんな変動を見込んでいるのか」を数値化しているものです。
VIX指数は株式市場の将来に対する投資家達の心理を反映し、数値が高ければ高いほど「株式市場の今後に不安を感じている(恐怖を感じている)」ということになります。 VIX指数は0~100%の数字で表されます。 通常10%~20%の間を行き来するというのが一般的な考え方です。
VIX指数の数値による心理状態
(筆者作成)
VIX指数の数値は基本的に各国の著名人や政治家の発言、世界的なニュースなどの影響を受けます。
2000年以降VIX指数が上昇した主な出来事
(筆者作成)
一般的に株価は上げ相場においては緩く上昇し、下げ相場においては急激に下がる傾向があります。 このため、VIX指数が上昇するということは、その後の相場が大きく下がる可能性が高いといえます。 下記の図はVIX指数とS&P500指数の20年間の動きです。
このようにS&P500指数と逆に振れるのがVIX指数となります。
今年は先行き不安状態である30%を超えることが多く、株価も下落の一途を辿っています。 ここから急激に上昇した場合、過去の動きからすると相場の底になる可能性があると考えられます。 投資家心理の動きを冷静に捉えると、このような時は絶好のチャンスとなります。
■ マーケット下落時における賢人の投資哲学
長いマーケットの歴史の中で何度も危機的な場面がありました。 危機を乗り越えて資産を築いた賢人の投資哲学はこのような時に大変参考になります。 ここでは米国の著名投資家『ウォーレン・バフェット氏』の相場の変動時に取るべき投資行動を取り挙げたいと思います。
- 短期的な株価変動に惑わされない
短期的な上下でもうけようとするのではなく、長期的に一貫したリターンをもたらしてくれるような先に投資する。
- 周囲が熱狂している時は投資を控え、周囲が尻ごみしている時に投資を仕込む
投資家に必要なのは、群衆の恐怖や熱狂に惑わされるのではなく、長期にわたる優位性を維持できる投資先であるかどうかを見極めることである。 これができれば自然と群衆とは逆の方向に向かう傾向となる。
有事の際に投資できるよう、平時にお金を貯めておく
有事の時に、実際の景気や企業業績が変わらないか、やや悪化したとしても、それ以上に株価は下落する傾向にある。 そういう時にしっかりと購入できるよう、平時はお金を貯めておくべきである。
賢人の教えは長期投資、将来性、そして継続です。
■ 株価下落時の心得
- 恐怖心に駆られて慌てて売らない
- ドルコスト平均法でコツコツ投資を継続する
- 余裕資金があれば、下落時こそ金額を増やして投資する
- 長期保有の視点で
上記のような心得が資産形成の成功のカギとなるでしょう。 株価の動きに一喜一憂することなく、下落時こそチャンスと捉えて賢い投資行動を取っていただければと思います。 |