ドクター総合支援センターの近藤です。 現在、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)という大きなリスクが発生しています(執筆時点の2020年4月)。 このウィルスの影響で、私のクライアントのクリニックでは受診患者数が大幅に減少しているところが多くあります。
不要不急の診療を控える気持ちから受診抑制が起こっているのでしょう。 新型コロナウィルスが終息した後、このような受診抑制が元に戻るかどうかは正直わかりません。 また患者数が元に戻ったとしても、クリニック経営の環境は今後さらに厳しくなることが予想されます。
なぜならば、外来医療需要というマーケットが減り続けるにもかかわらず、毎年多くのクリニックが開院していて、その数は増え続けているからです。 ご年配の先生が閉院され、若くて多くの患者さんを診ようという先生が開院しているので、厳しい競合相手が毎年増え続けているのです。
単純計算すると、1クリニックあたりの受診患者数は減り続けるということです。
経済産業省 報告書 2015年3月 7ページ
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/chiiki_iryo/pdf
/report01_01_00.pdf
厚生労働省 医療施設動態調査(平成30年10月末概数)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/18/dl
/02sisetu30.pdf
私はクライアントとは毎月経営会議をしていますが、このところ、開院して10年以上順調に経営が推移していたクリニックの状況に微妙な変化が起こっています。 急激な変化ではないのですが、徐々に厳しさが増していることは間違いありません。
例えば、
- 10年以上経営が順調に推移してきていた整形外科で患者数が減り始めている。 特に高齢者の患者数が減り続けている。
⇒ 高齢者の方々で、通院が困難になっている方が増えているのではないか。
- 内科・小児科で地域の患者さんから大きな信頼を得てきたクリニックの患者数が減ってきている。
⇒ 近隣に同じ診療科目を標榜するクリニックが新たに数件開院したことが原因のようだ。
こんな状況がよく見られるようになったのです。
幸い私のクライアントでは患者数は下げ止まり、経営の継続には影響がないレベルで落ち着きましたが、これは新規開院したクリニックから見ると大変なことです。 そのクリニックを受診していた患者さんが思ったほど自院に流れてこないということですので、経営そのものが成り立つかどうかが心配です。
これからクリニックを開院する先生は、現在通院しているクリニックがある患者さんからも選ばれなくてはならないのです。 そして、患者さんが新たなクリニックを選ぶということには高いハードルがあります。
患者さんから選ばれるためには、これまでに開院しているクリニックよりもさらに真剣に経営に取り組んでいく必要があるのです。
では、真剣に経営に取り組むとはどのようなことでしょうか。 それは、「数あるクリニックの中からどうすれば自院を選んで受診いただくことができるのか」を常に考えて行動し続けるということです。
実は今回の新型コロナウィルスの流行に伴う世の中の混乱の中にも患者さんから選んでいただけるヒントがあります。 具体的には多くの患者さんが抱えている不安感を解消するお手伝いをするということです。
患者さんは医療に関する情報をよく理解できず不安を感じていますが、新型コロナウィルスの情報はもちろん、自分が困っている病気や症状などについてわかりやすく親身になって情報を提供してくれるクリニックが地元にあったらどうでしょう。
患者さんはそのクリニックを信頼し、何か困った時には受診したいと思うのではないでしょうか。 このような時代こそ、私は地域のクリニックの果たす役割が非常に大きいと感じています。 |