■ 投資におけるリスクとは?
そもそも投資におけるリスクとは、危険、損をするという意味ではありません。 一つは価格の振れ幅です。 一般的にハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンと言われます。
もう一つは、将来の不確実性を言います。 上昇するのか下落するのか。 損をするかもしれない一方、どのくらい利益が出るかという期待でもあります。
リスクイメージ図

(筆者作成)
■ リスク回避の投資方法
株式や為替動きは自分でコントロールすることはできませんが、リスクは投資方法により、ある程度回避できます。 それではこのリスクをどのように回避していけばよいのでしょうか。
・ 分散投資
投資において、「卵を一つのカゴに盛るな」という格言があります。 株式であれば一つの銘柄に資産を集中させない、為替であれば一つの通貨に集中させないなど、市場の環境によって値動きが違う株式と債券に分散させるなどもリスク回避の一つの方法です。
・ 長期保有
成長している投資先を選ぶことが前提ですが、過去下落があっても期間の経過とともに回復していきます。 むしろ短期で売買を繰り返すとコストがかかる上、常にタイミングを見る必要があり、その都度コストがかります。 長期投資に向いた資金で投資を継続することが資産を成長させるカギです。
・ ドルコスト平均法の活用
一般的に積立投資は時間を分散することで高値での購入をある程度避けられ、購入価格を平準化することから、損をしにくい投資法であると言われています。 これをドルコスト平均法(定期・定額購入)と言います。
ドルコスト平均法はスタートのタイミングが損益に与える影響が小さいため、値動きを気にせず投資ができます。 また、価格が下がればたくさんの口数が購入できるため、下落をチャンスと捉えることもできます。
■ メンタル・コントロール
リスクを回避する上で投資方法と同じくらい重要なのが、「損をしたらどうしよう」と不安要素のメンタル・コントロールです。 不安要素と解決策にはどのようなものがあるのでしょうか。
・ ゴールや目的がなく投資している
例えば、預金に置いても仕方がないからなんとなく投資しているという場合は、資産が目減りすると、預金のまま置けばよかったと考えがちです。
⇒ 解決策
何のために投資をしているのかゴールや目的を明確にする。 10年後に豊かな老後資金のため、年率5%で増やしていきたい等
・ 近い将来使う予定のある資金で投資をしている
例えば、3年後に子供の大学の入学資金に使う等、すでに使う予定が決まっている資金は投資に向いていません。
⇒ 解決策
お金を色分けする。 生活費や近い将来使う予定の資金は投資に回さない。
・ 知識、経験が不足している
100年に一度と言われたリーマンショックで、初めて大幅な下落を経験された多くの方は精神的に耐えられなくなり安値で売却してしまう事例がありました。
その後、相場が戻って上昇していく過程を経験されると、その後も何度も訪れる下落相場に動じなくなります。 待っていれば戻るという積み重ねの経験がメンタルを強くします。
⇒ 解決策
投資をやってみて、どのような出来事で資産が増えたり減ったりするのか、長期保有することで経験を積み重ねる。 投資に関連するニュースに関心を持つ。 経験豊富なアドバイザーに相談する。
■ おわりに
ここ数年、つみたてNISAやiDeCoが話題となり、積立投資が広がっています。 長期にリスクを回避しながら資産形成できる制度です。 税制のメリットも大きいため、上手に活用していきたいものです。 |