■ 結果が出る現代のトップアスリートは、昔と何が違うのか?
はじめまして、一般社団法人教育プラン診断士協会理事長の藤崎達宏と申します。 私は「子育てコンシェルジュ」として3,000組を超える個別相談を経験し、その多くが医師家庭からの「わが子をぜひ、医師にしたい!」という、切なる相談でした。
ところで、最近の若い世代のトップアスリートたちの、世界レベルの活躍について、皆さまは何か感じるところがあるでしょうか? 昭和の時代とレベルが違う、世界レベルの活躍だと私は感じています。 では一体、何がそうさせているのでしょう?
彼らが華やかな結果を出しその勝利者インタビューで、共通の言語を発していることに気が付きますか?・・・それは「楽しめました!」という一言です。 彼らは自分で勝負の舞台に立つことを選択し、自分のためにそのゲームを楽しむことに徹しているのです。 だから世界レベルのパフォーマンスを発揮できているのです。
昭和の時代は、巨人の星やアタックNo.1などの「スポ根」時代でした。 「ゲームを楽しんできます!」などと口に出そうものなら、鬼コーチから厳しいお叱りをうけたことでしょう。
また日の丸を背負って国の威信をかけて戦いに向かう。 とても「自分のために戦う」という気持ちにはなれなかったものです。 したがって自ずとパフォーマンスは萎縮し、世界レベルには達しなかったのだと思います。
現在の彼らは「ゆとり世代」でもあります。 「ゆとり教育」の悪い面ばかりが取り立たされますが、それは彼らに「自由」と「自分の好きなことに心ゆくまで集中できる時間」を与えたと言えるのではないでしょうか?
「楽しむ」「ゆとり」この二つの要素が、彼らを不要なプレッシャーから解放し、最高のパフォーマンスを引き出しているのです。
そして何よりも大切なのは、「自分でやるということ決めた」という始まりがあることです。 自分で好きなことを選択したからこそ、集中し、何回も繰り返し、やり続けることが成功へと続いているのです。
■ 「モンテッソーリ教育」と「自己肯定感」
100年以上前に生まれたモンテッソーリ教育が、昨今、世界で注目を浴びているのは「自分で探し、自分で決め、自分で集中し、最後までやり切る」というプロセスが、幼少時代から活動の中に組み込まれていることが、大きな一つの理由なのです。
子どもは自由な環境に置かれると、自分が今、成長しなくていけない課題を自分で見つけ出します。 私はこれを「神様からの宿題」と呼びます。
誰からやらされるわけではなく、自分で課題を見つけ出します。 そして、集中して何回もその活動を繰り返します。 何回も行ううちにどんどんスキルが上がり、上手に、早く、正確にできるようになります。
そこで感じるのは「自分は、自分でやるべきことを見つけ出し、自分で集中して取り組み、繰り返し、上手にできるようになった」という達成感を感じるのです。
これが、私たち大人が必死になって探している「自己肯定感」の源なのです。
この自己肯定感のサイクルが自分の中に芽生え、回り始めることが、人生において最も必要なことなのです。 他人と比較することなく、自分の中でサイクルが回っている! この状態が最も大切なのです。
「我が子が自分の人生の主人公になって歩んでいってほしい」親であれば誰もが望むことですが、その始まりは、幼少時代の本当に小さな「一人でできた」という体験なのです。 |