■ 日々の暮らしでの相談窓口
日常生活における個別の相談や取り扱いについては、主として次のような窓口があります。
- 公的年金・健康保険等
社会保険労務士、ご加入の健康保険窓口、年金事務センター、街角の年金相談センター等
- 税務・会計・ふるさと納税
税理士(会計事務所)、税務署等
- 日常のトラブル
最終的には弁護士、法テラス等
- 相続対策
弁護士、税理士、司法書士、行政書士等(内容により異なる)
- 教育・子育て
幼稚園(保育園)・学校、塾・習い事の講師等
- 預金・融資
金融機関、ネット銀行等
- 保険
保険会社、ネット保険、来店型保険ショップを含めた保険代理店、金融機関等
- 証券
証券会社、ネット証券、金融機関、金融商品仲介業者(IFA)等
一方、ライフプラン全体の相談窓口としてよく挙げられるのがファイナンシャル・プランナー(以下FP)ですが、そもそもFPとは、どのような職業なのでしょうか?
厚生労働省の職業情報提供サイト(日本版O-NET)によると「ファイナンシャル・プランナー(FP)は職業名であり、資格がなくてもファイナンシャル・プランニングの仕事はできるが、顧客の相談に応じるためには年金、税制、相続、各種保険、金融商品、住宅ローン等関連の幅広い専門知識が必要となる」と記載されています。
主として、銀行・証券会社・生命保険会社・損害保険会社・不動産会社・税理士事務所・社会保険労務士事務所の職員等が保有する資格です。
※ 厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)・ファイナンシャル・プランナー」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/82
FPの代表的な組織であるNPO法人日本FP協会の資格認定者数は20万人近くに及ぶとのことですので、FPはまさにライフプラン全般における「身近な相談窓口」とも言えますが、出身母体やキャリアで専門性が異なります。 ご相談の際にはFPの得意分野を確認の上相談されることをお勧めします。
ところで、私たちは日々「Dr専門IFA」と標榜し活動していますが、「そもそもIFAって何なの?」「FPとはどう違うの?」と思われる方も多いかと思います。
IFA(Independent Financial Adviser: 独立系ファイナンシャル・アドバイザー)とは、同サイトでは「顧客に寄り添い、顧客のライフプランやニーズに合った長期の資産形成のために、金融商品等の選定・運用や各種制度の活用の提案・アドバイス、売買取引の支援を行う」と紹介されています。
また、FPとの違いが次のように記載されています。 「類似の職業としてファイナンシャル・プランナーがあるが、独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)は金融商品仲介業者であるので、顧客の資産形成プランの目標に合致した個別具体的な金融商品の提案を行い、買い付け契約等の実行支援ができることに特徴がある。」
※ 厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)・独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/524
つまり「Dr専門IFA」とは、FP的な「先生方のライフプラン全般の相談の専門家」としての要素を含む、資産形成の実行支援やサポートを行う「医師専門のアドバイザー」ということになります。
■ 医療経営に関する各相談窓口
経営の「ヒト」に関する相談窓口は主に下記の通りです。
- 労務トラブル・人事労務
弁護士、社会保険労務士の他、医療勤務環境改善支援センター等
- 患者トラブル
弁護士、医師会・各所属団体等
また経営全般については、税理士(会計事務所)、医業コンサルタント、金融機関の医業専門部署、医師会(協同組合)等が相談窓口として挙げられます。
その中でも相談先の一番手に挙げられる税理士(会計事務所)ですが、一言で税理士と言っても得意分野がそれぞれ異なるので注意が必要です。 私は、目安として次のような分類をして先生方にご要望をお聞きし紹介(マッチング)をしています。 ただ最終的には「相性」であることは言うまでもありません。
【事務所規模】
- 大規模(およそ30名以上)
医業専門を標榜または医業専門部署を持つ事務所が多く、医療関係の情報が入りやすい。 一方、業務の標準化が進んでいるため小・中規模と比べて担当者が変わる頻度が高く、一貫したアドバイスを受けにくいことがある。
- 中規模(10~20名程度)
事務所により医業の専門性が高くない場合もあるが、長年在籍している「右腕職員」が存在し、継続的に担当を依頼できる場合が多い。
- 小規模(上記以外)
良くも悪くも所長の専門性に左右される。 医業専門ではないケースも多いが、税理士が直接担当をしてくれる場合も多く、問題への回答が早い。
また個人立のクリニックで、事業所得が高額になっていて法人化を検討される場面でよく見られるのですが、医業に精通している税理士(会計事務所)は比較的法人化を勧め、あまり医業に精通していない税理士(会計事務所)はどちらかと言うと法人化を勧めない(スルーしている)ように見受けられます。
税理士(会計事務所)のスキルの差により、機会損失が起きている可能性も考えられますので、医療法人の検討の際には「セカンドオピニオン」として他の税理士や専門家に相談されることをお勧めします。 |