■ 資産運用内容の決定要素
お客様と一緒に資産運用の内容を決めていく中で、さまざまな要素を基に考えています。
- お客様のご年齢や投資経験、家族構成
- 運用資金の性格
- 何年間、運用ができるのか
- 期待リターン
- 目標金額
- 想定リスク
上記はほんの一部であり、他にもさまざまな要素を交えて考えます。
■ ケーススタディ
例えばこのようなお客様がいらっしゃった場合を想定して考えてみます。
- 45歳 勤務医の先生
- 運用予定資金は1,000万円
- 10年以上は使わないお金
まずはお客様の状況や運用資金の性格などをお伺いしながら一般的に向いていると思われる運用内容を提示いたします。
上記のお客様であれば、まだお若く10年以上使わない資金であるということですので、リスクを取ったとしても長期で見た期待リターンが高い外国株式100%の投資信託での運用が最も適していると考えられます。
そして次に過去のデータ等を踏まえながら、どの程度のリスクリターンが想定されるかをお話していきます。
外国株式の投資信託で運用する場合には、概ね下記のような想定を持っていただきます。
<外国株式の投資信託での運用>
期待リターン: 年平均5%程度
想定リスク: 年20%程度の下落はよくあること、リーマンショック等では50%以上の下落
(※ 上記の想定は過去のデータ等を参照し、筆者が想定している大まかなリスク、リターンであり、期待リターンが想定を下回ることや、想定リスク以上の価格変動が発生する可能性があるため、将来の運用内容を保証するものではございません。)
これをご説明させていただく場合は次のような内容になります。
「1,000万円を全て外国株式の投資信託で運用すると、年平均5%くらいのリターンが期待できるかも知れません。 期待リターンどおりの場合、10年後には約1,628万円になります。
ただしリスクがとても大きいので年間で200万円~300万円程、上下に振れることはよくある変動の範囲内ですし、リーマンショックのような経済危機時には50%以上、つまり500万円以上マイナスになってしまうことも想定されます。」
このように期待できそうなリターン、および想定されるリスクの幅や金額を具体的にイメージしていただいた上で、運用内容を修正していきます。
特に気をつけていただかなくてはいけないのはリスクの部分です。
「半値以下になるのは精神的に厳しいと思う・・・」
というお申し出があった際には、期待リターンを削ってでも想定リスクを抑える必要があります。
この際には外国株式100%ではなく国内外の株式や債券に分散投資をする投資信託で再度想定していきます。
想定リスクを抑えた内容にする必要があるため、同時に上記の青文字の部分も変わってきました。
「まあこのくらいであれば何とか耐えられそうですね。」ということであれば、この内容に合った投資信託を選んでいきます。
ところが最終決定に近づいてきた際にお客様より、「10年以上使わないと最初に言ったのですが、やっぱり子供の学費などで途中少し使うかも知れません。 どうしたらいいですか・・・?」とお申し出がありました。
一般的に「長期運用であればリスクを取ってよい」と言われるのは、途中経過としてマイナスが出ていたとしても回復するまでの時間を確保できるためです。
ところが途中で解約する可能性がある資金ではリスクを取ることがしにくくなり、結果として期待リターンを大きく下げざるを得ません。
このような場合にはどのように対応するべきでしょうか? 詳細は次回のメールマガジンにてお伝えさせていただきます。 |