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m3コンシェルジュ 米田 弘司

リスクマネジメント・ラボラトリー

米田 弘司

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの米田です。

この度、m3.comへ新規に掲載した「税理士法人エイアール税理士事務所」の原 知子税理士による「考えてみよう! 新規開業を目指すことを」について3回シリーズでお届けします。

税理士法人エイアール税理士事務所は大阪府、兵庫県、奈良県、京都府、滋賀県、和歌山県(北部)を中心に、医療機関の顧問先が約150あり、年間通して新規開業や継承のお手伝いをしています。

これまでに200件以上先生方と一緒に開業に向け、開業場所の選定を始めさまざまなご支援をしてきました。 グループには社会保険労務士事務所もあり、経営から人の問題まで幅広く対応し、医療経営に関する問題解決など幅広く活躍中です。

1回目は「資金調達、融資ポイントについて」です。 それでは、どうぞ。

考えてみよう! 新規開業を目指すことを 第1回
資金調達、融資ポイントについて
 

考えてみよう! 新規開業を目指すことを 第1回

資金調達、融資ポイントについて

こんにちは、税理士法人エイアール税理士事務所の原 知子です。 新規開業を目指す先生方に少しでもお役に立つように、さまざまな角度から参考にしていただけたらと思っています。

私どものクライアント様は、既存のクライアント様からのご紹介が半分、医療業界の周辺業者さんからのご紹介が1/4、勉強会に参加の先生方が1/4という構成となっております。

ご開業を目指し実際に開業される先生方の開業年齢は、診療科目にもよりますが、40代前半でのご開業が多い傾向にあります。

一般的な40代の先生方は、住宅ローンを抱えておられます。 病院では医局長や医長、年収は1,500万円前後、お子さまがおられれば小学生ぐらいです。 先生方が最終的に開業というスタートを切られるきっかけは、ご自身で開業を決意されるケースもありますが、身内の方から開業を勧められたり、友人の先生方が開業され、ご自身も興味をもたれ勉強会に参加されたりといったきっかけが多いようです。

もちろん年齢を重ねられてから開業された先生方もおられます。 ご支援した中で、開業時の最高年齢は62歳です。 病院を定年退職された後に、開業をされるケースも最近ではよくあります。

新規開業のご相談を受ける中で、最も多いのが資金的な面の心配です。 開業にあたっては、投資に必要な資金調達、開業後の返済のイメージをより具体的に計画段階できちんと把握しておく必要があります。 それにより開業準備で診療機能に必要な投資を、より綿密、積極的に取り組むことができます。

今回は、「資金調達」、特に「融資を受けるにあたってのポイント」をまとめたいと思います。


■ 資金調達の方法

資金調達については、大別すると3種類あります。 自己資金、融資(借入)、リース会社です。 先生や奥様方が一番声を小さくお話されるのが、自己資金です。 自己資金は、約7割の方が1,000万円以下です。 自宅のローンもあり、お子さまの教育資金等にもお金がかかりますが、「開業までには最低でも500万円は・・」とお願いさせていただくことも多いのが実情です。

結果、一番のご相談内容は、「本当に開業できますか?」です。 正確には、「開業に必要な資金調達ができますか?」となります。


■ 金融機関の選択

融資を受けるにあたり、一般的には金融機関からの借入申込みをイメージされる方も多いと思います。 住宅ローンを金融機関で組まれた経験をお持ちの先生方も多いと思います。

それではクリニックの開業資金で利用する金融機関の種類をご存知でしょうか? 銀行という括りでは、法律上は「普通銀行」と「信託銀行」になりますが、開業資金を調達するという視点で一般的な銀行は、「都市銀行」、「地方銀行」、「信用金庫」になります。

これらの違いは規模や営業地域などでイメージされがちですが、開業資金の融資を申込むのであれば、どこの銀行を選択するのが良いでしょうか? 選択のポイントは、基本的に地域という視点で選ぶ必要があります。

となると、「信用金庫」、「地方銀行」、「都市銀行」の順で、開業の資金調達という相談を受けてもらいやすいと言えます。 実は、都市銀行は貸付先が限られないのに対し、信用金庫ではその営業地域内で中小企業や地域の方に対する貸付に限られます。 つまり地域密着なのです。

また、医療が厳しいと言われている中であっても、それ以上に中小企業も厳しい先が多く、金融機関側としては貸し出ししやすい業種の1つとなっています。 その中でも医療業界に対し理解があり積極的な信用金庫、地方銀行が多いのも特徴でしょうか。

その他に「日本政策金融公庫」、「業界信用組合」、「協同組合」、「リース会社」等々ありますが、各申込みの条件などをきちんと確認し、比較して選択する必要があります。


■ 金融機関

開業資金をどこの金融機関で貸してもらえるのか? 片端から窓口に足を運び融資申込みをする。 そんな先生も中にはおられるかもしれませんが、スムーズにことが運ぶのは紹介してもらうことです。 ご親族やご友人の方など同業の方からのご紹介は、比較的スムーズに相談にのっていただけます。

また、クリニックの開業に精通している会計事務所からの紹介もスムーズです。 会計事務所の中心業務は、節税を図り税金の申告を行うことです。 お客様の収入と支出のバランスを日々確認し経営のアドバイスを業務にしているところです。 会計事務所と付き合いのある地域の金融機関をいくつかご紹介いただけるでしょう。

税理士法人エイアール税理士事務所でも、クリニックの新規開業を応援する地方銀行、信用金庫、リース会社と連携して開業資金調達のお手伝いをさせていただいております。 クリニックの初期投資、資金調達などの事業計画を立てるにあたり専門家の意見とサポートがあれば、お忙しい先生方の手間と時間を最小限に抑えることができると思います。 なるべく早くクリニックの開業に精通している会計事務所に相談していただくことをお勧めいたします。

次回は、「融資申込みのポイント」についてお話させていただきます。

m3コンシェルジュ 米田 弘司

いかがでしたでしょうか?

開業の際は、多額の資金が必要となります。 当然、院長個人の借入になりますので、現在ある住宅ローンや今後のライフイベントに合わせた開業資金計画が必須ではないでしょうか。

特に、地域にもよりますが「医療専門の信用金庫」の存在があります。 この金融機関をご存知でない先生も多くいらっしゃいますので、融資相談の1つとして覚えておられると良いと思います。