■ 気をつけなければならない点
- お子さまが医学部に進学される場合、多額の費用がかかる
- 情報提供者が多数にわたるため、安易な情報に流されないことが必要
お子さまが医学部に進学される学費、また受験準備のための塾の代金等を考えると多額の費用がかかります。 そして、この費用の特徴は「使う時期が明確に決まっている」と言うことです。 実は「使う時期が決まっている」資金の運用と言うのは、非常に難しいのです。 対比の例として、ご自身の老後資金の運用を考えてみたいと思います。 [例] 医学部の学費のために5,000万円用意する 老後資金のために5,000万円用意する 5,000万円と言う数字は、毎月20万円を積み立て、年率平均4%で運用した場合、約15年で達成できる金額です。 年率平均4%の運用成果とは、国際分散投資を行っている場合、過去を振り返ると無理な数字では決してありません。 しかしながら年率平均4%の運用とは、プラスの年とマイナスの年があった上で、年率平均4%の数字となるのであり、一律4%で増えてきたわけではありません。 特に重要なのは投資資金を現金化する時です。 仮に進学をされるタイミングでマーケットが大きく下がっている場合、想定の5,000万円ではなく3,000万円になってしまっているかも知れません。 老後資金の特徴としては、使う時期が分散している点が挙げられます。 仮に65歳でご退職され、その後は年金とご自身の資産を取り崩して生活するケースを考えます。 もしもこの時に、運よく相場が上昇しているケースであれば、運用資産を現金化してもまったく問題はないでしょう。 あるいは、資産の増加を目的とした運用内容から、資産の保全も目的とする「減りにくい運用」に切り替えることもできます。 ところが、先ほどと同じように退職時に想定で5,000万円になっているはずのものが3,000万円にしかならなかった場合どうなるでしょうか? この場合には「生活に必要最低限な金額だけ現金化し、残りの運用資産については回復を待つ」と言う先ほどにはなかった選択肢が生まれます。 リーマンショックの例にしても、100年に1度の大暴落と表現されていますが投資先によって年数の違いはありますが、概ね3年から5年程で市況が回復しました。 65歳の時には使えなかったとしても70歳になるころには気持ち良く使える状況になっていました。 大切なお子さまの学費を運用によって有利に準備をする場合には、お子さまがまだ小さい時から計画的に始めて十分な運用期間を確保し、使う時期の3年から5年前までには現金化の段取りをしておくと失敗する可能性を低くすることができるでしょう。
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