■ リテラシーはお茶の間から?
こんにちは。 「子育てコンシェルジュ」の藤崎達宏です。 これからの、教科をまたいだ総合力は、高校に入ってから慌てて受験対策をして間に合わせられるものではありません。 実は、幼少期からの、家族での日々の会話にその秘密があるのです。 例えば家族でテレビを見ながら、突然、「地震がありました」というニュースが飛び込んできたとすると、お子さまと一緒にどこであったのか地図を広げてみる。 そして、「地震が起きた周りには、どんな県があって、どんな産業があるのか?」 「地震はどんなメカニズムで起きるのか?」 「今日からどんな準備が自分にできるのか?」を、一緒に調べながら話し合ってみることです。 このようにお子さまと会話を広げ、最終的にはお子さま自身の問題として落とし込み、自分の意見につなげていくように促していくことがポイントです!
■ 実例! マークシート時代と、どう変わるのか?
私の教室に、N君という小学校3年生の勤務医の息子さんがよく遊びに来ます。 彼は、頭の回転が速く、とても賢い少年です。 様々な物に興味を示し、その日も「パパ先生!(子どもたちにはこう呼ばれています)なんで冬なのに扇風機回しているの?」と、部屋にあったサーキュレーターを指差しました。 「なんでだと思う?」と質問すると、「空気をかき回しているから。」 「なんで回しているのかな?」 「温かい空気が上に行っちゃうから。」 「なんで上に行っちゃうのかな?」 「温かい空気は軽くなるから。」 「パパ先生! これは扇風機じゃないの?」 「これはサーキュレーターって言うのだよ。」などの問答が長時間続きました。 たった一つの扇風機を話題にしているだけですよ! 賢い子なので会話はドンドン進みました。 実は、マークシート試験の時代はこうした知識の集積だけでOKでした! しかし、リテラシーを要求する試験では、これでは対応できません! そこでひとひねり! 「N君! 君は理解したのかもしれないけれど、妹のYちゃんは理解できないと思うから、説明するにはどうしたらいいかな?」 その後、N君と問答しながら至った結論がこれです。 「これは、サーキュレーターと言う名の、冬に使う扇風機です。 なぜならば、冬に暖房をつけると温かい空気は軽くなり上に流れることで、重く冷たい空気が下に行くため、スカスカして不快なので、かき回して部屋の空気の温度を一定に保つためです。 でも僕は扇風機を代用するので、サーキュレーターは買いません(笑)」 どうです? 立派でしょう! これこそがリテラシーです。 ポイントは、まず結論を伝えたあと「なぜならば」で続く論理的な文章を構成することです。 そして、最終的には「私事」自分の意見で終わることです。 このように、子どもとの会話のレベルを上げ、知識をまとめさせ、自分の意見を発言させるよう促すのがポイントです。 こうした幼少期からの積み重ねが「21世紀の学力」=「リテラシー」につながるのです。
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