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m3コンシェルジュ 佐久間 洋

リスクマネジメント・ラボラトリー

佐久間 洋

昨年から毎月お送りしています「クリニック開業時の『しまった』事例」シリーズも10回を数えました。 ご開業をお考えの先生方にお役に立てるよう様々な事例をお伝えしてきましたが、次回からは「開業への道」として新たな切り口でメール配信させていただく予定です。

今回は、過去10の「『しまった』事例」について総集編としてまとめてもらいました。

執筆は「医療・介護の経営支援」に特化した部署を設けて25年以上、病院・医院、施設を取り巻くあらゆる問題に対応した経営&税務のコンサルティングを提供している「TOMA税理士法人」のヘルスケア事業部の方々にお願いしました。

「続・クリニック開業時の『しまった』事例」 第5回
総集編

「続・クリニック開業時の『しまった』事例」 第5回

総集編

皆さま、こんにちは。 TOMA税理士法人ヘルスケア事業部です。 今回は、「クリニック開業時の『しまった』事例」についての総集編をお伝えします。

1. 開業費の「しまった」事例

開業時の支出が開業費にあたるどうか不明で、本来経費で計上できるものを経費計上できなかった!

開業費は個人事業の場合と法人の場合とでは会計処理や税務的取り扱いが異なるため、開業時には、個人であるか法人であるかを必ず確認しておきます。

「開業費」は任意の時期に任意の金額を償却できるため、税務上非常に便利なものです。  開業を決意されましたら、開業関連の支出の領収書はまとめて保管します。

「開業費」に該当するかどうか不明の場合もいったん領収書は保管しておき、確定申告の際に税理士と確認しながら適切に経費計上することが必要です。

2. 開業時に必要な届出等の「しまった」事例

消費税の還付金が戻ってこない! 損失が繰り越せない!

開業に伴って提出する届出には多くの種類があります。

  1. 所得税の青色申告承認申請書
  2. 個人事業の開業届
  3. 給与支払事務所等の開設届出書
  4. 所得税の棚卸資産の評価方法の届出書
  5. 所得税の減価償却資産の償却方法の届出書
  6. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
  7. 消費税の課税事業者選択届出書

期限までに届出書を提出しなかったため、消費税が還付されなかったり、損失が繰り越せなかったりするケースが見受けられます。 特に消費税は事前に綿密な算定が必要となります。 届出に関しては気をつけるべき事項が多数ありますので注意が必要です。

3. 概算経費の「しまった」事例

概算経費での申告をずっと行ってきたが、工夫次第でもっと節税できる可能性があった?

概算経費とは、医業または歯科医業で、その年の社会保険診療収入の額が5,000万円以下(保険収入・自費収入合計で7,000万円)の場合に認められる、保険収入に係る必要経費の計算の特例です。

概算経費は簡単だと思われがちですが、実は申告次第で節税効果に差が出ます。 知らないうちに無駄な税金を払っていることもありますので、注意が必要です。

4. 資金繰りと資金調達、融資の「しまった」事例

開業に必要となるお金と手持ちの資金、借入資金のバランスが悪く、思いもよらず早期に資金不足となってしまった!

開業には多額の資金を必要とします。 テナント開業か自己所有による開業か、または医療機器を自己資金で取得するかリースで取得するかにより必要な資金の額は大きく変わります。 いずれの場合もそれぞれにメリット・デメリットがありますので慎重に検討が必要です。

資金調達先は銀行、信用金庫、日本政策金融公庫などがありますが、どの調達先を選ぶにしても、貸付け限度額や金利、返済期間など現状に照らし合わせて条件設定を確認します。

事前の計画の差が、開業後に大きな差となって現れるため、資金繰り計画と資金調達には多くの時間をかけて慎重に検討することが必要です。

5. 開業後の「しまった」事例

従業員の加入する保険、開業後の確定申告などについて 開業後に従業員の方の加入する保険の種類は、開業形態や従業員の人数によって異なります。 それぞれ加入適用条件が定められており、加入適用条件をしっかりと把握しておくことが必要です。

また、開業後は事業から生じる所得がありますので確定申告をすることになります。 所得や税額が増えると所得控除の計上は欠かせません。

この所得控除には様々なものがあります。 控除漏れがないかしっかり検討して「しまった」とならないよう注意が必要です。


以上、これまでにご紹介した「しまった」事例をまとめてみました。

こうした過去の経験談も非常に参考にはなりますが、税法に限らず、法律は年々改正されていきます。 法律の絡む部分ではあらかじめ各分野の専門家に相談し、あとで「しまった!」と言うことのないように確認が必要です。

m3コンシェルジュ 佐久間 洋

いかがでしたでしょうか?

ご開業された先生とのお打ち合せの中で、過去を振り返って「あの時に税理士がアドバイスくれていたら・・」、などという状況をしばしば経験します。

もちろん顧問の税理士が適切にアドバイスをしてくれるのが理想ですが、税理士が先生のお考えをすべて理解しているわけではありません。

医療の世界ではセカンドオピニオンが当たり前になりましたが、税務の世界ではまだまだ複数の専門家から情報を得られる環境ではないのが現状です。

将来「しまった!」という状況にならないように、複数の専門家に相談できる環境を作っておくことが重要ですね。

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