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m3コンシェルジュ 米田 弘司

リスクマネジメント・ラボラトリー

米田 弘司

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの米田です。

先生方にはm3.comを通じて保険や年金のご相談、また診療圏調査のご依頼などでお世話になっています。 ありがとうございます。

今回は12月9日(日)、『クリニック開業塾 大阪 2018 冬』で講師を務める河村 税理士にインタビューしてきたのでご紹介させていただきます。

河村税理士は多くの新規開業の支援は勿論、開業後の税務顧問も多くされています。 近年では親族間だけでなく、第三者継承の開業方法も選択に入ってきています。 大規模な会計事務所とは異なり、顧問先のドクターの経営実態をほとんどすべて河村 税理士ご自身が把握し、アドバイスしており、私もとても頼りにしています。

成功へ導く開業準備
コンセプトマップの重要性
 

成功へ導く開業準備

コンセプトマップの重要性

【米田】
今回も『クリニック開業塾 大阪 2018 冬』の講師を快くお引き受けいただきありがとうございます。 今年で7年目になり一定の評価をいただいているように思います。

昨今、社会保障費の上昇に伴い、診療報酬の抑制を意味するかのような診療報酬改定が行われているように思います。 少人数のセミナーだからこそ開業を検討していらっしゃる先生に何をお伝えしたいと思っていらっしゃいますか?

【河村 税理士】
毎回、5~10名ほどの先生にお集まりいただいています。 やはり大人数のセミナーでは、どうしても一般論的な話になってしまいがちです。 このクリニック開業塾は少人数セミナーなので、その特長を生かして具体的にお役に立てていただけるお話をお伝えしたいと思っています。

まずは、『コンセプトマップ』の作成。 もう一つは、私が実際に顧問をさせていただいている先輩開業医(勿論匿名ですが)の方たちの実際の会計数字を見ながら、開業のイメージを数字の面から明確にしていただくことです。

【米田】
開業を志した先生からよく聞くのは、「本当に成功するのだろうか?」という漠然とした不安です。 『コンセプトマップ』と『実際の数字で見る損益分岐点』とはどのようなことでしょうか?

【河村 税理士】
先生方もよくご認識の通り、医療機関経営を取り巻く環境は、昔と異なり厳しくなってきています。

厚生労働省のホームページによると平成29年3月の診療所の数は、101,580(内有床診療所:7,464)ですが、平成24年10月では、100,152(内有床診療所:9,596)です。 この短期間の5年間で約1,000も増えていることがわかります。

一方、2018年問題である18歳未満の人口が目減りしていくように、患者数、つまり人口はクリニックの増加に見合うほど増えていません

【米田】
病院で忙しくされている先生方からすると実感がわかないかもしれませんが、数字を見る限り甘くはない、ということがわかりますね。

【河村 税理士】
それだけではありません。 数字だけでは計れない課題も多くなっています。

よく経営の資源は『ヒト・モノ・カネ』といいますよね。 特に診療所では『ヒト』の存在がとても大きいのです。

患者さんはドクターの前に座り診察を受けるまでに、受付をはじめ何人ものスタッフに接します。 また、診察が終わってからも会計や薬の受け取りなど、スタッフと接してからクリニックを後にします。

スタッフの質、教育はクリニックを成功させるためにはとても大切ですが、多くのクリニックでは『ヒト』の悩みを抱えています。 物やお金の問題は、事業がある程度軌道に乗ってくると自然と解決するのですが、『ヒト』の問題は終わりがありません。

【米田】
おっしゃる通りですね。 私たちも開業医の奥様(事務長)向けの勉強会をしていますが、『ヒト』に関する悩みは尽きません。 昨今の働き方改革があるように、スタッフの権利意識も高まっていると聞きます。

【河村 税理士】
一方でスタッフがチームワークよく、生き生きと働いているクリニックもあります。 このようなクリニックでは先生や奥様が理想とするスタッフ像を明確にして採用しています。

さらにクリニックの経営理念をスタッフと共有することで行き違いを最小限にし、協業意識を高めています。 このようにクリニック経営にかかわるさまざまな要素を明確にすることがとても大切ですが、この作業を助けるのが『コンセプトマップ』です。

【米田】
なるほど、クリニック経営に関連する事柄一つ一つを明確にすることが大切ですね。 他にどのようなことがありますか?

【河村 税理士】
経営環境的には厳しいので損益分岐点を低く設定した開業を志向される先生が多くなってきているのですが、その中でなかなか譲れないのが医療機器ではないでしょうか。

機器は使い慣れたメーカーを中心に希望されます。 ただ、病院の医療機器は先生以外も使用するため、他科での技術、クリニックでは不要な装置が付帯されている機器がほとんどです。 高スペックで高価なものであるゆえに、おのずと良く感じてしまうのは当然です。

ローコスト開業をお考えの先生であれば、このような時こそ『コンセプトマップ』の作成をお勧めします。

「どのような患者層を対象とするのか」、「診療のコンセプトはどうするのか」、「病診連携や診診連携をどうするのか」、といった経営の方向性についてのコンセプトが明確になります。

これらを明確にすることで必要な機能もはっきりしてくるのではないでしょうか? 『モノ』は『ヒト』と違い経営が軌道に乗ればいくらでも新しいものに変れます。

まずは本当にやりたいこと、やるべきことを明確にし、それにあわせた設備にすることで損益分岐点を下げ、早く黒字化することが大切です。

【米田】
そうですね。 先生には「資金繰り」で悩むことなく、「診療に集中して患者さんのこと」を考えていただきたいですよね。

【河村 税理士】
そうです。 クリニックの数が増え、患者さんの要求や見る目も厳しくなっています。

ですからなおさら「どのような患者層に、どのような診療をするか?」というコンセプトが重要になってくるのです。

「クリニック開業塾 大阪 2018 冬」では、簡易型のコンセプトマップを作成することで開業の方向性がより具体的に見えてくると思います。 当日は是非、奥様も参加されて一緒に記載できればよりよいでしょう。

【米田】
河村税理士ありがとうございました。

m3コンシェルジュ 米田 弘司

いかがでしたでしょうか?

コンセプトマップは先生ご自身のためだけでなく、スタッフに対しても初心や理念を忘れないようにし、よりよい診療の提供へと繋がっていくことがおわかりいただけたと思います。

今回は、クリニック経営の法則を余すことなくお伝えする開業塾になりそうですね。

次回は、クリニック開業塾にて予定している損益分岐点についてインタビューさせていただきます。

 

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