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m3コンシェルジュ 光明 孝幸

リスクマネジメント・ラボラトリー

光明 孝幸

クリニック開業の際「資金」と「人材」は重要なポイントです。 特に「人材」であるスタッフの採用は将来のクリニック経営に大きな影響を与えます。 クリニックの雰囲気・サービスの充実を実現するためには、どんな「人材」を採用できるかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。

今回は「クリニック開業時の採用と人事」というテーマで医療の法務、税務、人事、採用に詳しい税理士法人晴海パートナーズの中澤税理士にお話をお聞きしました。

トラブルメーカーを採用しないための4つのポイント
クリニック開業時の採用と人事

トラブルメーカーを採用しないための4つのポイント

クリニック開業時の採用と人事

クリニック経営の永遠のテーマであり課題でもあるのは「採用と人事です。

クリニック開業では、構想や理念作りからスタートして開業地の選択決定や資金調達、建物・内装や医療機器の選定など多くの決定事項がありますが、それらはご自身で判断し意志決定、コントロールできるものです。

これに対して、スタッフ採用と人事は相手が「人」であることから、思うようにいかない難しいファクターではないでしょうか。 クリニック運営はスタッフの役割によって成果に大きく影響しますので、最初は特に慎重に選考していきたいものです。

良い人が集まらない、定着しないのは開業前後で最も頻繁に直面する悩みです。 しかし一番避けたいのは「明確な採用失敗」、採るべきでない人を採用してしまうことです。 「すぐに辞めてしまう人」もそのカテゴリーかもしれませんが、その割り切りも時には必要だと思います。

しかし、本当に採用してはいけない人は「組織を悪くする人」ではないでしょうか。 一旦採用してしまうと辞めていただくのも簡単ではなく、入り口で的確にその判断をしていく必要があります。

今回は募集掲出時、応募履歴書の選定時、面接時、それぞれの段階で留意すべき「クリニック開業時の採用と人事」についてお話しさせていただきます。

1. 募集時のポイント

全てに共通する点は「どんな人を採用するか」です。 クリニックの当初採用人員は数名であることから、基本的にはいろいろな役割をいとわずこなせるタイプのスタッフが求められます。

つまり求められる人材には、特定のスキルが高くとも対応が悪く気が利かない人は不適当だと考えられます。 院長が自院の機能・スタイルなどの点が明確であれば、採用したいスタッフの人物像もおのずと浮き上がってくると思われます。

2. 履歴書のポイント

応募の際に履歴書・職務経歴書を提出していただいて書類選考となるわけですが、これらの書類には多くの判断材料が含まれています。 実際の面接に至るか否かは次のポイントのクリアが条件です。

文字は丁寧であるか。 写真がきちんとしているか。 職務経歴が不自然でないか。 志望動機が論理的で明確か。 手書きであるか。 全体のバランスがとれているか。 訂正や修正液を使用していないか。

以上をご確認ください。

3. 面接時のポイント

面接は、限られた時間の中でその人がクリニックに合うかどうかを判断する最大の機会です。 したがって、事前に面接の現場で本人に聞くべき質問を整理し、準備しておく必要があります。 履歴書の内容で確認したい事項はもちろん、その応募者の適性やスキル、また人柄を判断するために適切な設問を用意しておくことが重要です。

基本的にはまず社会人としての対応がきちんとできているかではないでしょうか。
 ・ 到着時間に遅れずに来たか
 ・ 服装はきちんとしているか
 ・ 受け答えが的を射ているか
 ・ 前職の退職理由が穏当か
 ・ 勤務に条件を付けることはないか

判断のポイントはいろいろありますが、スタッフとして一緒に働きたいかを基準に考えれば大きな間違いはないと思われます。

4. その他のポイント

面接で聞けず気になったことがあれば、後で本人に電話で確認するのも有効です。 面接時にわからなかったことの解決とともに、本人にとっても採用側の真剣さや熱意が伝わることとなります。

また、職歴や退職理由で留意点があれば、前職に電話で確認することをお勧めします。 その場合、勤務期間や勤務状況、勤務態度、退職した理由まで聞ければベストです。

スタッフの採用、人事管理は経営そのもので、経営者にとっては常に経営課題と言えます。 慎重に選定しても採用失敗の可能性は排除できませんが、ポイントを踏まえて合理的に判断していただくことで、採用失敗を防げる可能性が高くなります。

大切なクリニックの大切なスタッフです。 運任せだけでなく、ご自身でもいろいろと考え、納得のいく判断で進めていただければと思います。

m3コンシェルジュ 光明 孝幸

いかがでしたでしょうか?

人材採用は、将来のクリニック経営に大きく影響しますね。 「人」は一度採用してしまうと簡単に変更はできません。

開業前に「採用と人事」について学んでおかれた方がいいのではないでしょうか。

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