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コンシェルジュ 新井 常夫

リスクマネジメント・ラボラトリー

新井 常夫

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている新井 常夫です。

今年も残すところ、僅かになりました。 皆さまにおかれましても何かとお忙しい日々をお過ごしの事と存じます。

当社の東京セミナーでは、1月13日(月・祝)、2月16日(日)、3月22日(日)と毎月1回、東京国際フォーラムで、クリニック経営セミナー 『開業前に聞いておきたいクリニックの作り方』 を開催します。

日々お忙しい先生方に少しだけ立ち止まって将来の事を考えていただく一助になればと思っております。 既に開業されている先生もぜひご参加ください。

メールマガジンでは公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 認定医業経営コンサルタントの立場から開業後(承継後)の先生から多くいただく質問に5回シリーズでお答えしていきたいと思います。 (前回の内容はこちら

第5回の今回は、開院後に多くの患者さんに来ていただくための「クチコミ対策」についてご案内していきます。

それでは、どうぞ。

【開業医の先生からの質問
クリニック開院後(承継後)編】
第5回 開院後多くの患者さんに
来ていただくための「クチコミ対策」

【開業医の先生からの質問
クリニック開院後(承継後)編】

第5回 開院後多くの患者さんに
来ていただくための「クチコミ対策」

■ 患者さんの評判を高めるためのクチコミ対策してますか?

今まで、患者さんを増やす対策として、ホームページの作り方やMissionとVisionなどの作り方をお伝えしてきましたが、多くの患者さんに来院していただくために一番大切なのが、患者さんの評判を高めるためのクチコミ対策です。

「そんなの分かっているよ」と仰る先生が多いと思いますが、残念ながら来院患者さんの少ないクリニックの院長先生に「患者さんの評判を高めるための、クチコミ対策をしていますか?」と伺うと、「特にしていない」と仰る先生が多いです。

対策をしているとお答えをいただけた院長先生の答えの多くは、「当院は、最新、最高のCTを導入している。」「最新、最高の内視鏡を導入している。」など、最新最高の医療機器を導入する事が、患者さんの評判を高めるためのクチコミ対策としている院長先生もいらっしゃいます。

最新、高額医療機器の導入で、患者さんの評判を高める事が出来るのでしょうか?

 

■ 患者満足度アンケート調査の結果

では、クチコミを増やし、新規の新患さん再患さんを増やすにはどうしたら良いのでしょうか?

物凄く大繁盛しているクリニックで患者さんの満足度アンケート調査をさせていただきました。 院長先生が積極的に患者さんにお願いし、100人以上のアンケートを集める事が出来ました。

そのアンケートの設問の中に、「当院を選んだ理由は?」という設問があり、

  • クリニックが家の近所だから
  • クリニックの建物が新しいから
  • クリニックの内装が綺麗だから
  • 最新医療機器が揃っているから
  • 院長先生の感じが良いから
  • 受付スタッフの感じが良いから

の選択肢を多数回答で選んでいただきました。

その結果1番だったのが、 「院長先生の感じが良いから」。

2番は、なんと 「受付スタッフの感じが良いから」 でした。

1位、2位は、「クリニックが家の近所だから」や「クリニックの内装が綺麗だから」「最新医療機器が揃っているから」ではありませんでした。

このアンケートには、「皆さまから愛されるクリニック作りのためにご意見をお書きください」の欄があり、この欄に記入された1番多いコメントは、院長先生へのお礼や感謝。 2番目は受付スタッフさんへのお礼や感謝の言葉でした。

「◯◯さんが笑顔でおはようございます。と言ってくれるのを楽しみに来院しています。」 「◯◯さんの子供への気遣いは、格別です。 ありがとうございます。 などといった文章が多く書かれていました。

 

■ 院長先生の好感度は絶対に必要な条件です

「患者さんの評判を高めるために院長先生の好感度を高めましょう。」と申し上げると「患者に媚を売ってまで来てもらおうとは思わない。」とお叱りを受ける場合があります。

皆さんはお分かりと思いますが、「患者さんの好感度を高める」のと「媚を売る」のは大きく違いますよね。

多くのクリニックを訪問させていただく中で、患者さんの来院数が少ないクリニックの院長先生は、あまり患者さんの気持ちを分かっていないケースが多い様です。

多くの患者さんが来ている院長先生は聞き上手と言われますが、本当は共感上手だと思います。

患者さんは、クリニックへ来て傷病を治してくれるのは当たり前と思っています。 傷病を治すための情報収集にばかり気を取られ、共感するのを忘れている場合があるようです。

例えば、「38度5分熱があります。」と患者さんが言った時に、「他には?」と質問する前に、「辛いね、苦しいね。」の一言が足りない事が多い様です。

患者さんの、辛さ、痛さ、苦しみに共感しながら、問診していく事が必要なのは多くの先生は、頭では分かっていますが、実行できていない事に気付いていない様です。

 

■ 不便な場所でも患者さんが沢山来る???

色々な事情で最寄りの駅から徒歩15分、近所には、バス停無し、ショッピングモールなど人が集まる施設が何も無い住宅街で開業された先生がいました。 昼間の人通りは、近所の人以外いないところです。

アレルギーが専門の先生で、自医院のホームページ内に患者さんの質問の答えを掲示するQ&Aのページを作り、患者さんの色々な不安や疑問中に自医院、他医院の患者さんを問わず、全国から質問を受けて毎日答えていました。

遠方から、「先生に、ぜひ診て欲しいので、行っても良いか?」と言われると、「わざわざ遠くから来なくても、近くのアレルギーの先生のところで診てもらう方が良いですよ。」と言っても、患者さんは遠方からもどんどん集まって来ました。 もちろん、近く方も多く来る様になりました。

患者さんの事を考え、辛さ、痛さ、苦しみに共感しながら、患者さんの不安を取り除いてあげる努力をし続けた結果でした。

 

■ まとめ

開院後多くの患者さんに来ていただくためのホームページの作り方、MissionとVisionなどの作り方、そして今回のクチコミ対策をお伝えしてきました。

どれも共通して言えるのは、院長先生が

  • 医師として患者さんと「どう向き合っていくのか?」
  • 院長先生として「どの様に仕事と向き合っていくのか?」
  • 人間として「どの様に生きていくのか?」

が、とても重要と思います。

受付の方の態度が悪いクリニックの院長先生は、やはり、院長先生も態度が良くない事が多いです。 先生ご自身の「医療への本当の想い」を前面に出して、患者さんへの診療に向き合ってみてください。

コンシェルジュ 新井 常夫

いかがでしたでしょうか?

今回が今年最後のメールマガジンとなります。 1年間お読みいただき誠にありがとうございました。

来年4月には診療報酬改定が予定されています。 既にご存じとは思いますが、診療報酬改定はマイナス改定と言われています。 益々、医院経営を見直す時代になりそうです。

私は、正しい情報に基づいたクリニックの経営を良くするお手伝いをする事で、地域医療に貢献されている先生とご家族の安心、安全、豊かで幸せな未来作りにお力添えできればと思っております。  ぜひ私をセカンドオピニオンとして、ご活用いただければ幸いです。

当社の東京セミナーでは、1月13日(月・祝)、2月16日(日)、3月22日(日)と毎月1回、東京国際フォーラムで、クリニック経営セミナー 『開業前に聞いておきたいクリニックの作り方』 を開催します。

「これから開業どうしようかな?」と考えていただく際のヒントをお伝えできればと考えておりますので、開業をご検討中の先生はもちろん、既に開業されている先生もぜひご参加ください。

また、クリニック院長先生のための医院経営について総合的なコンサルティングも行っていますので、お悩みの先生はお気軽にご相談ください。

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