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公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 認定医業経営コンサルタント コンシェルジュ 新井 常夫

リスクマネジメント・ラボラトリー

新井 常夫

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている新井 常夫です。

今年度のクリニック経営セミナー 『開業前に聞いておきたいクリニックの作り方』は、新型コロナウイルスCOVID-19の状況も鑑みて、WEBセミナーとして開催します。

今までより、遠方の先生方にもご参加いただけると楽しみにしております。 日々お忙しい先生方に少しだけ立ち止まって将来のことを考えていただく一助になればと思っております。

既に開業されている先生もぜひご参加ください。

メールマガジンでは、前回シリーズの【開業医の先生からの質問 クリニック開院後(承継後)編】ではご案内しきれなかったことや、補足を中心に公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 認定医業経営コンサルタントの立場から、 【開業医の先生からの質問 クリニックの事業継続計画BCP(Business Continuity Plan)】として5回シリーズでお答えしていきたいと思います。

ここのところ新型コロナウイルスCOVID-19の影響を受けて、今後の経営に不安をお感じの先生も多くいらっしゃいます。

これから既に開業されている先生はもちろん、開業をお考えの先生にも少しでも経営の不安を解消できればと思っております。

第4回 「自然大災害発生時用のBCP編」について、ご案内していきます。

それでは、どうぞ。

【開業医の先生からの質問
クリニックの事業継続計画BCP】
第4回 「自然大災害発生時用のBCP編」

【開業医の先生からの質問
クリニックの事業継続計画BCP】

第4回 「自然大災害発生時用のBCP編」

■ 自然大災害発生時用のBCP

【開業医の先生からの質問 クリニックの事業継続計画BCP】 第1回で少し触れましたが、自然大災害発生時のBCPと新型インフルエンザ流行時のBCPは、リスク特性が異なる為、予想される被害や準備すべきことが大きく内容が異なってきます。

今回は、自然大災害発生時用のBCPについてお話ししたいと思います。

 

■ 自然大災害発生時の事業継続方針: 「できる限り事業の継続・早期復旧を図る」

「大災害時には、診療しない」とおっしゃる先生もいらっしゃるかもしれませんが、私が出会った多くの先生は、「大災害時でも、地域の患者さんの為に、いつも来てくださる患者さんの為に自分が医師としてできることをやりたい。」とおっしゃる先生が多くいらっしゃいました。

患者さんからすれば、「先生も大変な時に自分や家族を助けてくれた」その患者さんは、先生の応援者になり、近くにライバルのクリニックができてもきっと離れないでしょう。

もちろん、先生方は人気取りではなく、患者さんを救う為に診療をしていることは十分判っていますが、地域の患者さんを大変な時に救うことができれば、その見返りは大きいと思います。

大変な時でも「患者さんを救う診療をする為」の必要な要素をいわゆる「ひと」「もの」「かね」に分類して考えてみたいと思います。

 

■ 「ひと」の確保と連絡手段の準備

  • 院長先生お一人でも診療されるのか?
  • 必要な人材は、どれくらい確保すれば診療できるのか?
  • スタッフの状態により、どのレベルまで患者さんを受け入れるのか?
  • クリニックスタッフは、電車、バスが不通でも徒歩や自転車、バイク、自動車などで出勤できるのか?
  • 状況により院長自ら、自転車、バイク、自動車などでスタッフ宅へ迎えに行くのか?
  • 家族を残して、クリニックに来られる環境なのか?
  • スタッフとの連絡手段は、固定電話、本人の携帯電話、家族の携帯電話、メール、ライン、など多くの連絡手段を確保できているか?

最低人員の確保について、職員の被災や、交通の遮断、家族の反対などによって多くの職員が参集できない、あるいは参集が著しく遅れる可能性を分析し、その上で、被災下であっても参集できるように、近隣の居住の職員を採用する。

バイクや自転車、自動車などの参集手段を確保する。 家族への理解を得ておくなどの方策を講ずるとともに、参集した少ない職員での業務の能率的な運用方法を策定し、それが遂行できるように訓練をしておく必要があります。

 

■ 「もの」の準備ポイント

自然大災害時には、クリニック自体の内外装の倒壊や、電気、ガス、水道などのインフラの遮断が起きる可能性があります。

インフラが遮断されると電子カルテやレセコンを利用している先生は、動かないと診療が難しい可能性があります。 また、レントゲン、その他医療機器、診察室の採光、水、お湯などの確保をどの様にしていくのか?

その為には、大容量バッテリーや発電機の準備、浄水器を備え、地下水や井戸水が利用できるようにしておく。 受水漕が倒れない、給水管が破断しないように補強措置を講じておく。 近隣で食料が確保できない可能性もありますので、食糧は最大人数で計算し備蓄しておくなどの対策も考える必要があります。

そして、通常外部から供給されていた物の供給が遮断される場合があり、薬剤や衛生材料など診療に使用するものが、長時間入手できない可能性があります。

数日分の診療ができる様に備蓄を準備する必要があります。

 

■ 「かね」の準備ポイント

新型インフルエンザ流行時と同じく、資金準備はとても大切です。

ある院長先生は、「新型コロナウイルスの影響で患者さんが2~3割しか減っていないものの、スタッフの給与の支払い、賃料の支払い、開業時の借入金の返済、子供の学費、住宅ローン返済など支払いが今までよりも多く感じ、いつまでこれが続くのか?とても不安になる」とおっしゃっていました。

十分にゆとりのある返済計画で、十分な資金をお持ちの先生ですが、それでも不安になっていらっしゃいました。

政府や地域の支援がもらえない場合もありますので、新型インフルエンザや自然大災害時に備え、ゆとりある資金計画や休業補償、所得補償の確認をしておいてください。

スタッフの給与、家賃、借入金返済などの固定費が、毎月100万円かかるクリニックの院長先生の保障を確認したところ、休診保障が月額20万円でした。

先ずは、現状の確認をされることをお勧めします。 保障一覧表の作成や簡易事業計画の作成、確認を無料で行っておりますので、お気軽にご相談ください。

公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 認定医業経営コンサルタント コンシェルジュ 新井 常夫

いかがでしたでしょうか?

私は、正しい情報に基づいたクリニックの経営を良くするお手伝いをすることで、地域医療に貢献されている先生とご家族の安心、安全、豊かで幸せな未来作りにお力添えできればと思っております。

ぜひ私をセカンドオピニオンとして、ご活用いただければ幸いです。

今年度のクリニック経営セミナー 『開業前に聞いておきたいクリニックの作り方』は、新型コロナウイルスCOVID-19の状況も鑑みて、WEBセミナーとして開催します。

「これから開業どうしようかな?」と考えていただく際のヒントをお伝えできればと考えておりますので、開業をご検討中の先生はもちろん、既に開業されている先生もぜひご参加ください。

今までより遠方の先生方にもご参加いただけると楽しみにしております。

また、クリニック院長先生の為の医院経営について、「WEBテレビ会議サービスZoom」を使っての総合的な無料コンサルティングも行っていますので、お悩みの先生はお気軽にご相談ください。

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