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コンシェルジュ 佐久間 洋

リスクマネジメント・ラボラトリー

佐久間 洋

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている佐久間 洋です。

先生方は「お金のこと」「ライフプランのこと」など、医療以外の周辺知識についても様々なことで悩まれています。 特に開業されてからは「クリニックの経営のこと」「税金のこと」「職員のこと」などお悩みは多岐にわたります。

今回、我々がコンサルティングの現場で先生方から「開業前にこの情報を知っていたらこんなに悩まなかったのに」とよく言われる内容について、6回に分けてメールマガジンとセミナーでお伝えしていきます。

メールマガジン2回目の今回は「患者さんに選ばれ続けるクリニックの作り方」について、セミナーでも講師を担当するドクター総合支援センターの近藤隆二氏に聞きました。

それでは、どうぞ。

【開業前に知っておきたいクリニックの作り方】
その2 患者さんに選ばれ続けるクリニックの作り方

【開業前に知っておきたいクリニックの作り方】

その2 患者さんに選ばれ続ける
クリニックの作り方

■ 開業のリスクを知る

今後、クリニックを開業することには大きなリスクがあると私は感じています。

なぜならば、外来医療需要は減り続けると予想されているにもかかわらず、毎年多くのクリニックが開院し増え続けていますので、単純に考えると1院あたりの受診患者数は減り続けることになります。

しかも、たくさんの患者さんを診ようという士気の高い若い先生が開院するわけなので、クリニックからすると手ごわい競合相手が増えているということになります。

経済産業省 「将来の地域医療における 保険者と企業のあり方に関する研究会 ~医療需要の将来推計と提供体制~」2015年3月 4ページ
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/chiiki_iryo/pdf
/report01_02_00.pdf


厚生労働省 「医療施設動態調査」(平成30年3月末概数)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m18/is1803.html

このような厳しい状況の中で、クリニック経営を繁盛させていくにはどうしていくべきなのでしょうか?

開院後に「こんなはずじゃなかったのに!」とならないためには、事前の情報収集がとても大事です。

先日、お会いした先生は、「多くの業者さんに聞いてみたが、クリニックを開院し上手くいっていないというケースは見たことがないとみんな言っていました。」「医局の先輩であまり優秀でなかった先生でも開院しているので、開院しても大丈夫だろうとみんなと話しています。」とおっしゃっていました。

もちろん、お医者様になられる方は優秀なため上手くクリニックの経営をなさっているということは驚くことではありません。 ただこれらの意見を表面的に受け取り、医業経営を簡単なものだと思ってしまうと、ご自身が開院なさったときに苦労してしまうかもしれません。

開業に関わる業者さんはクリニックを開院してもらわないとビジネスにならないので、クリニック開業に関して厳しいことは言わない傾向にあります。 また、多くの業者さんは開院後の詳しい経営の状態まで把握していません。 ですので、開業のみの業者さんだけでなく、クリニック経営を総合的にアドバイスしてくれる専門家の意見も聞く機会を持つと良いです。

また、優秀でなかった先輩が開院しているとは言いますが、これも外から見ているだけでは状況を把握することはできません。 そして、その先生のクリニック経営の状況は開院から何年か経たないとわからないのです。

これからのクリニック開院は、自分自身がクリニック経営を取り囲む厳しい状況を正しく認識して、対策を考え、責任を持って様々な判断をしていかなければなりません。

そうしないと、クリニック開院後に混乱してしまうかもしれません。

 

■ 他人事ではないクリニック経営を取り巻く環境の変化

私のクライアントでは、開院して10年以上順調に経営が推移していたクリニックの状況に、下記のような変化が起こっています。

  • 10年以上経営が順調に推移してきていた整形外科で患者数が減り始めている。 特に高齢者の患者数が減り続けている。 高齢者の方々で通院が困難になっている方が増えているのではないか。
  • 内科・小児科で地域の患者さんから大きな信頼を得てきたクリニックの患者数が減ってきている。 近隣に同じ診療科目を標榜するクリニックが新たに数件開院したことが原因のようだ。
  • これまではスタッフが退職してもすぐに補充できたのに、募集をしても応募が非常に少ない。 応募が一人もないことがあった。 世の中の人手不足が深刻になり、他業界で勤務条件を改善する動きが加速して、業務内容が困難で大変なクリニックで敢えて働こうと思う人が少なくなったのではないか。
  • 開院当初は良かったクリニックの雰囲気がだんだん悪くなっている気がする。 現在はインターネットで他のクリニック・他業界の勤務条件や法律的な問題を簡単に知ることができるようになり、経営者に要望を言いやすくなったのではないか。

こんな状況がよく見られるようになったのです。

幸い私のクライアントでは患者数は下げ止まり、経営の継続には影響がないレベルで落ち着きましたが、これが新規開院したクリニックで起こっていたらもっと大きな影響があったと思います。

これから開業するクリニックは、現在通院しているクリニックがある患者さんからも選ばれなくてはならないのです。 そして、患者さんから選ばれるためには、これまでに開院しているクリニックよりもさらに真剣に経営に取り組んでいく必要があるのです。

では、真剣に経営に取り組むとはどのようなことでしょうか。

それは、「いかに患者さんに受診していただくのか」「いかにスタッフに良い環境で働き続けてもらうのか」を考えて行動するということです。

この2つのことを実現し、これからのクリニック経営を上手く回していく必要があります。

しかし、医学部では経営について学ぶ機会はほとんどありませんし、勤務・経営をしながら経営のことを学ぶのは簡単なことではありません。 経営の中でも特に医業経営に精通したアドバイザーをぜひ開業前に見つけていただくことをお勧めいたします。

コンシェルジュ 佐久間 洋

いかがでしたでしょうか?

既に先生方もお感じになられているかもしれませんが、これからのクリニック経営は容易ではありません。

開院を決断される前に現在の状況を把握することはもちろんですが、開院した後の「打つ手」についても事前に学んでいただければと思います。

当社で開催するセミナー『開業前に知っておきたいクリニックの作り方』の11月開催の講座2のテーマは「患者さんに選ばれ続けるクリニックの作り方」は以下のようなカリキュラムでお伝えする予定です。

クリニックの開院を真剣に検討されている先生が、経営の全体像を理解し行動するために必要なことを学んでいただける機会となります。 皆さまのご参加を心からお待ちしております。

11月17日) 14:00~16:00
 テーマ 「患者さんに選ばれ続けるクリニックの作り方

  1. クリニック経営冬の時代の到来
  2. クリニック経営とは何か
  3. 患者さんから選ばれるために必要なこと
  4. 患者さんから選ばれ続けるために 経営全体(コ・マ・チ)を整える
  5. 適切なマーケットに適切なメディアで適切なメッセージを伝える
  6. 自院が患者さんに選ばれる理由を考える
  7. 自院が選ばれる理由を伝え続ける仕組みを作る
  8. クリニックを良いチームにする方法
  9. クリニックを健全に運営するための対策
  10. チームを整え、良い組織を作るための重要ポイント
  11. 自院の価値観を明らかにして伝え続ける
  12. 院長先生、スタッフ、患者さん 三方良しの経営を行う

次回のメールマガジン3回目は、「ドクターが知っておくべき優しい決算書の読み方使い方」について当社コンシェルジュの新井がお伝えする予定です。