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m3コンシェルジュ 米田 弘司

リスクマネジメント・ラボラトリー

米田 弘司

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの米田です。

前回は、「税務調査の心構えと調査官の目的」について調査1日目、2日目、長期化した場合の対応や結論の出し方についてお伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか。

今回は、相続税の税務調査を受ける場合、どのようにしたらよいのかを、具体的にお聞きしました。

関西圏域で病医院の顧問を数多く持つ税理士法人エイアール税理士事務所 代表社員 原 知子税理士です。

それでは原 税理士お願いします。

【知って得する「税務調査」傾向と対策】 第3回
相続発生後にある税務調査の準備と心構え

【知って得する「税務調査」傾向と対策】 第3回

相続発生後にある税務調査の準備と心構え

「税務署の調査が来たらどうしよう」「どのように対応したらいいの?」と、税務署の調査対応について院長や奥様から相談をいただきます。

これまで税理士として100件ほど「税務調査の立ち合い」及び「税務署対応」をさせていただいておりますので、その経験を踏まえてお伝えさせていただきます。

今回は、相続税の調査の対応についてお伝えしたいと思います。

■ 相続税の税務調査

相続税の調査は、生涯の内で一度ないし二度経験するかどうかの頻度ですが、一般的に資産家といわれる開業されている先生方にとっては避けて通ることができません。

相続税の調査の内容を知ることで日頃から備えることが可能となりますので、今回は相続税調査の概要と対応についてお伝えしたいと思います。

 

■ 調査対象の決定

相続税の申告書が提出された場合に、資産内容、被相続人の収入状況、家族構成、さらに照会文書や署内資料等を検討の上、下記のような方法で調査対象を決定いたします。

1. 画一的選定基準

  1. 職業などから 医師、弁護士、大口資産家 など。
  2. 資産内容から 流動資産、隠しやすい資産を多く所有している人

2. 税務調査官のマンパワーによる選定基準
 実際に調査を行う税務調査官の目で見た選定

 

■ 書類審査等

1. 1次書類審査
課税遺産額1億円以下は簡単な審理を行い問題がなければ終わります。

2. 2次書類審査
1次審査で省略されたもの以外の申告書について審査します。

3. 3次審査
2次審査で3次審査が必要とされた場合は所得税の確定申告が終了後、4月から6月にかけて一斉に審理されます。

4. 調査選定
3次審査で資産の計上漏れなど税務調査をして増差遺産額が出ると見込まれたところで税務調査対象と選定されたところに相続税の税務調査が実施されます。

 

■ 実地調査

相続税の調査があるのは、相続税の申告書を提出してから約1年後が平均的なところです。 死亡日から考えると約2年も後ということになります。

相続人としては、忘れたころにやって来るという感じになりますが税務署のほうは、長い時間をかけて事前の資料調査を済ませた上での実地調査ですから、ポイントを絞って調査に臨んでくると思って間違いありません。

下記に調査時で必ず実施される代表的な項目と対策についてまとめましたのでご参考にしていただければ幸いです。

1. 世間話から財産管理者を特定する
税務調査は、朝10時から始まり、まず亡くなった方の経歴や趣味等、世間話が中心となりますので、相続人もつい安心して多弁になってしまい余計なことまで話してしまいがちです。

最初の世間話で調査官は、家を仕切っていたのは誰なのか、つまり、財産管理をしていたのは誰だったかの目星をつけます。

また、調査官は、実際に納税者の自宅に赴いて、不動産の権利証や株券、預金通帳(家族名義のものもチェックする)、その他現物を確認したり、不動産を実際に見たりして評価に問題がないかを確認します。

さらに世間話をする感じでさりげなく「生前の暮らしぶり」や「趣味」を聞き、個人の人物像と財産構成を想定し確認していきます。 税務調査を受ける心得として調査官には質問に対して答えることに徹してください。

2. 通帳と印鑑の置き場所を確認する
「亡くなった院長の通帳を出してください」「通帳と印鑑はどこへ置いていますか」「通帳と印鑑の場所へ案内してくれませんか?」…世間話で打ち解けてきたら、いよいよ調査開始です。

金庫や机の中に相続人や孫の預金通帳が発見されるケース、亡くなった院長が自分の机の奥に隠していた現金が申告後に見つかったケースなど、内容説明ができないと後で面倒なことになってきます。

対策として「金庫や机は必ず相続税を委任する税理士に申告前に確認してもらって申告漏れのないように申告すること」と、「調査前に誤解のないように金庫の整理はしていただくこと」をお勧めいたします。

3. 税務署が勝手に預金口座を調べています(銀行口座の反面調査)
税務署による、「相続税の税務調査」においての指摘事項の多くは、被相続人名義の預金口座の漏れ、家族名義預金口座の漏れ、生前の預金引き出し、生前贈与等、預金に関係するものです。

よく相続税の申告の委任を受けた相続人の方から、次のような質問を受けます。

「少しくらい申告書に載せなくても、税務署には、ばれないでしょ?」 「3年前に、300万円くらい贈与を受けたけれど、税務署はわからないでしょ?」 といったご質問です。

このようにお考えの方は注意が必要です。 なぜなら、税務署は、相続人の許可・了承なく、次のようなことを職権で調べることができるためです。

  • 被相続人名義の預金口座の残高
  • 被相続人名義の預金の入出金履歴(過去5年~10年分程度)
  • 相続人や親族名義の預金口座の残高
  • 相続人名義の預金の入出金履歴(過去5年~10年分程度)

税務署は上述のとおり銀行や証券会社を訪問し、取引の相手方に反面調査を実施して疑問点を一つひとつ解明していきます。 このような調査の過程を経て、申告漏れが発見された例は数多くあります。

相続税申告書を提出した後に、結局は税務署に全て丸裸にされてしまいますので、事前に周到な準備・対策が必要です。

私どもで相続税の申告を委任され、お手伝いをする場合、相続人から5年分程度の預金通帳をお預かりして、税理士事務所側で入出金履歴を確認し、あらかじめ税務署に指摘されそうな入出金について相続人への質問内容確認を行います。

こういった事前調査をしっかりしておくことで、当初の相続税申告の段階で明らかに計上が必要なものを漏らさずに申告することが可能となります。

また、私どものクライアント様には百万円単位の預金の出金は出金の目的を記載していただくよう指導をさせていただいております。

税務署もこういった調査がしっかりされている申告書を見ると、調査に行っても無駄足になると思い税務調査の回避にも繋がり、相続人の方の余計な心身負担を軽減することが可能となりますので顧問税理士の指導のもとご準備いただくことをお勧めいたします。

m3コンシェルジュ 米田 弘司

いかがでしたでしょうか?

日常の診療に対する、納税義務。 そして、死後には相続人に訪れる「相続税」。 滅多に起きない出来事が、誰しも一度や二度訪れます。

相続は相続人では対応できないため、被相続人になる方の意識しだいで、相続人の方々に迷惑をかけることなく、いわゆる争族も防げる効果があると聞いています。

是非、顧問税理士の指導の下、日頃から意識していただければと思います。

現在、税務調査にて苦慮しているなど、困りごとがございましたらセカンドオピニオンとして、原税理士へのお問い合わせ可能です。 是非ご利用ください。