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コンシェルジュ 佐久間 洋

リスクマネジメント・ラボラトリー

佐久間 洋

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている佐久間洋です。

今年の当社のテーマは先生方の「ライフプラン」です。 5月からのセミナーではライフプランにかかわる様々なテーマでお話してきましたが、11月のテーマは『勤務医のタックスプランニング~ドクターを取り巻く税金のお話~』です。

所得の高い方の多い先生方からは「税金なんとかならないかな?」というお言葉をよくお聞きします。 先生方のライフプランを考える要素として税金はとても重要です。

そこで、今回のコラムでは「所得税の仕組みや合法的な税金対策」について11月14日()のセミナーで講師を担当いただく税理士法人シリウスの代表社員米山憲子税理士に聞きました。
【必見!Dr専門 IFAと考える
「ドクターズライフプラン」シリーズ】 2021
ドクターを取り巻く税金のお話
 

【必見!Dr専門 IFAと考える
「ドクターズ ライフプラン」シリーズ】 2021

ドクターを取り巻く税金のお話

■ そもそも確定申告とは何か

毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額と、それに対する所得税等の金額を計算して確定させる手続きのことを「所得税の確定申告」といいます。 所得には、利子所得、配当所得、事業所得、不動産所得、給与所得、退職所得、譲渡所得、山林所得、一時所得、雑所得の10種類あります。

日本の所得税の課税方式は「超過累進課税」と呼ばれ、所得額が高くなるに応じてその部分の税率が上がっていく仕組みがとられています。

(参考)所得税速算表
国税庁 所得税の税率 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm


このほかに復興所得税が所得税額の2.1%と住民税の所得割が前年所得の10%、計算されます。

国税庁 復興特別所得税のあらまし https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/fukko_tokubetsu/index.htm
東京都 住民税について https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ju.html

■ 勤務医の税金対策例

  • 給与所得者の経費「特定支出控除」制度を利用する
    資格取得費・書籍代・研修費等に対して控除される特定支出控除を申請
  • 雑所得の必要経費を計上する
    スポット的な収入、例えば講演の依頼などを受けた際に、その収入の範囲内で経費を計上

■ 開業前の税金対策例

  • 開業前からできる節税、開業前経費
    いざ開業を決断し、開業準備に取り組むあいだ、物件探しや診療所開業の関連本の購入、先輩医師への訪問、打ち 合わせ費など、思いのほか準備期間にお金がかかるものです。

    開業費は診療圏調査などの調査費、交通費、接待交際費、開業までに要したテナント賃料や水道光熱費など広範囲にわたります。 税理士から注意事項を確認したうえで、これらの領収書をしっかり保管し、一覧表を作成してこまめに書き留めておくことが必要です。

■ 開業医の税金対策例

  • 経費をモレなく集める
    生活費の中から事業に必要な支出を「経費」とする。 家賃や水道光熱費、電話代やネット代、また自宅に仕事場をもうけている場合は、家賃の一部を経費にすることが可能です。
  • 小規模企業共済の加入
    この共済は国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しているもので、お金を貯めながら税金を減らすというすぐれものの制度です。

    • 掛金は月額1,000円~70,000円の範囲内で自由に設定でき、全額所得控除となる。
      年払いも可能なため最大84万円の所得控除が可能
    • 廃業時の共済金は税法上「退職所得扱い」または「公的年金等の雑所得扱い」となる。

      なお、課税退職所得金額は、(退職手当となる収入金額 ― 退職所得控除額) × 1/2となります。 所得税率の高い先生方にとってはとてもメリットがある制度です。
 このほか
  • 青色専従者給与の活用(奥様への給与を経費とする)
  • 医療法人やMS法人の設立の検討

などで、所得の分散や、法人税と所得税のバランスを図る等効果的に対策ができます。

また、勤務・開業どちらの先生も

  • 確定拠出年金・医療費控除・生命保険料控除などの公的制度を上手く活用する
  • 収益不動産への投資を活用することで適切に経費を計上する

などの対策を行うことで、税額軽減が図れます。

コンシェルジュ 佐久間 洋

いかがでしたでしょうか?

所得税対策というと記事中にもありますが、「経費をモレなく集める」ということにどうしても注力してしまいがちです。 ですが、その他にも様々な制度の活用で所得税の軽減が図れることがわかります。

世の中に発信されている一般的な情報の中には

  • 確定拠出年金はお勧めしない!
  • 小規模企業共済は医療法人になるとできないからやめた方がいい!

など、一方的な見方で論じられている情報がたくさんあります。 ですが、所得が高い、開業の可能性がある、法人を作る可能性がある、住宅取得の予定がある、教育資金が困りそうだ・・・と、先生方が置かれている状況はお一人お一人で大きく異なります。

ですので、税金対策を検討する際にも今年の当社のテーマである「ライフプラン」という視点を持って手段を検討することが重要になってきます。 やはり医師のライフプラン、医療機関情勢や医療機関経営にも詳しく、忖度なくアドバイスをくれるサポート役は必要ですね。

今年当社では「必見!Dr専門 IFAと考える「ドクターズ ライフプラン」シリーズ2021として、
5月に『令和時代の医師・ご家族の人生設計』
6月に『ドクターの金融商品の選び方』
7月に『「生涯勤務医師」 VS 「開業」 ライフプランはどう違う?』
8月に『子供の可能性を引き出す!医師ご家庭の具体的な教育プランを考える』
9月に『明暗はここで分かれる!クリニック開業・経営計画』

ダイジェスト版動画https://vimeo.com/showcase/8625848 パスワード: m3dlp

と先生方のライフプランにとって重要と思われるテーマでセミナーを開催してきました。 これら過去のセミナーをご覧いただきたいという先生方にはフルバージョン動画をご用意しておりますので、視聴ご希望の先生は当社までお問い合わせください。

今後の開催は
10月は『医師のご家庭の相続対策
11月は『勤務医のタックスプランニング ~ドクターを取り巻く税金のお話~
12月は『資産形成に差が出る投資信託の基本と活用術
です。

少しでも先生方の未来の不安が少なくなっていただければと考えておりますので、ご都合を合わせていただき、ぜひ当セミナーをご視聴ください。