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コンシェルジュ 塩田 麻希子

リスクマネジメント・ラボラトリー

塩田 麻希子

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている塩田 麻希子です。

はじめての資産運用」シリーズでは、証券の部署で働くことになった私が投資について勉強するにあたり抱いた疑問を、m3メールマガジンを連載している「先輩社員の高橋」との対話の中で解消していく様子をお伝えしていきます。

私と同じように投資や資産運用についてこれから知識を深めたいと思っている先生方の一助になれば幸いです。

まずは登場人物の紹介をします。

高橋高橋
資産運用アドバイザー。 自粛でゴルフに行けず。 自宅で筋トレに取り組む。

塩田塩田
昨年度、証券の部署に入ってきた。 今年こそ帰省を!とワクチンへの期待が止まらない。


それでは、どうぞ。
【はじめての資産運用 10】
運用資金の出口戦略

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■ 老後資金の作り方

塩田前回のお話では、「積立運用シミュレーション」ということで、過去の実際の値動きを元にして毎月の積立額と運用年数を設定すると、最終的にいくらリターンが出ていたのかというシミュレーションを確認しました。

高橋 はい。

塩田 では今度は逆に、「自分が何歳までにいくら貯めたいといった目標金額を設定」して、そのためには毎月いくらずつ積立て運用をしていけばいいのかというのを教えていただけますか?

高橋 とても良い着眼点ですね。 そのように「何年後にいくら」という目標を決めて運用に取り組むことを「ゴールベース・アプローチ」や「ゴールベース・プランニング」といいます。

まずは何年後にいくら欲しいかという目標を決めてみてもらえますか?

塩田 そうですね、年数は老後資金を想定して30年後、金額はかなり多めに1億円で設定してみます。

高橋 分かりました。 では30年後に1億円を老後資金の目標と仮定し、5%の利率で運用したとしてシミュレーションしてみましょう。

筆者作成

このシミュレーションでいくと、毎月12万1000円ずつ投資していく必要があります。

なるほど。 1億円となると、漠然と毎月の拠出額もかなり大きな金額だと考えていましたが、夫婦共働きで半分ずつと考えた場合は全くできないような金額ではないですよね。

高橋 はい。 若い内は月12万円となるとかなり厳しいかも知れませんが、少し年齢が上がり所得が増えれば不可能な金額ではないところに希望が持てますよね。

塩田 累計投資額が約4400万円ということを考えると、合計残高1億円の内半分以上が投資のリターンになるのですね。

高橋 そうです。 投資額に対してリターンが付いた金額を更に運用し続けることになるので、自分の投資額に対して残高がかなり増えるのが長期投資、複利運用の強みです。

ただしいつも伝えていますが、現実の運用はこんなにきれいな右肩上がりにはなりません。 大小さまざまな上昇と下落を繰り返した結果、得られる可能性のあるリターンだということを忘れないでくださいね。

塩田 はい、もちろんです。 ただ今はインターネットでこういった複利のシミュレーションや計算ソフトなどが気軽に利用できるようになっているので、目標金額と年数を設定して調べてみるのもいいですよね。

金額が分かれば、老後資金を貯めるモチベーションにもつながります。

高橋 先程は0円からのスタートとしましたが、今ある預貯金の内いくらかを初期投資額として入れておくことで、更に運用の効果が期待できます。 例えば、500万円をはじめに入れておくと下記のようなグラフになります。


筆者作成

塩田 初期投資額を入れなかった先程のケースは累計投資額が約4400万円でしたが、こちらの累計投資額は約3400万円と、累計投資額が1000万円程少なくて済んでいますね。

月間積立額を1000円単位で設定しているので、初期投資額を入れた最初のケースの合計残高約1億70万円と比較して、こちらは13万円ほど合計残高が低くなっていますが、その点を踏まえたとしてもはじめに投資元本を増やしておくことで、より効率的な資産運用ができることが分かりました。


 

■ 出口対策

高橋先程の続きですが、1つポイントがあって仮に30年間で1億円を貯めたとしても、必ずしも30年後にすべてを売却するわけではないと思います。

塩田30年経過した後も売却せずに運用を続けることでしょうか。

高橋 そうです。 投資信託の良いところに「一部だけ売却して現金にできる」というところがあります。 運用を継続しながら必要額を取り崩していくことができるのです。

塩田なるほど。 そうすると運用期間をより長くすることが可能になるのですね。

高橋 はい。 教育資金なんかは、大学入学など使うタイミングが決まっているので、特定の決まった時期に必要資金をキャッシュにしておく必要があります。

しかし老後資金はそうではないので、自身の生活水準に応じた取り崩しプランを考えることができるのです。

塩田分かりました。 次回はその取り崩し方について、教育資金と老後資金の違いやより効率的なやり方について教えてください。
コンシェルジュ 塩田 麻希子

いかがでしたでしょうか?

同じように積立投資をする場合でも、はじめと終わりの初期投資や取り崩し方によって運用成果に大きく差が出ます。 ご自身の今の保有資産や老後の資金計画に基づいて、運用を取り入れた場合の想定を一度試算してみるのはいかがでしょうか。

株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーでは資産形成におけるコンサルティングを数多く取り扱っております。 資産運用をこれから始めていきたいと考えていらっしゃる先生や、現在の運用を見直したいと感じておられる先生はぜひ当社をご活用いただければと思います。

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