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コンシェルジュ 廣田 舞子

リスクマネジメント・ラボラトリー

廣田 舞子

皆さま、こんにちは。 m3.com上において、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーのコンシェルジュを務めている廣田 舞子です。

このところ急激な円安が進行しています。 前回のインフレ下の資産防衛術に続き、今回は外貨資産を保有する意義についてお伝えしていきます。

それでは、どうぞ。
『投資 ○○のすゝめ』
第6回 『通貨分散のすゝめ』

『投資 ○○のすゝめ』

第6回 『通貨分散のすゝめ』

ドル円レートは20年ぶりに、1ドル130円台となりました。 1年で20円以上円安が進行しました。(下記チャート)

このところよくご質問を受けるのが、

  • このタイミングで保有のドルを一旦円にした方がよいのか?
  • 今からドルを買ってもよいのか?

というご相談です。

ご相談に対しての私の回答ですが、

  • 為替差益を確定したいのであれば、それもよいかと思います。
  • 現時点でドルを円に換えて、為替差益を確定する必要がありますか?
  • そもそもドルを保有した目的は何だったのでしょうか?

ドルを保有した目的を確認することが非常に重要です。 そのうえで円に換えるのか判断する必要があります。

 

■ 通貨分散のすゝめ

1. 外貨資産を保有する意義
日本で生活をしている以上、資産を円ベースで考えるのは当然のことだと思います。  現在のような円安水準になると、ドルで保有していた資産はこの1年で円換算すると2割以上増えたと思われるかもしれません。 しかし、ドルベースで考えると何ら変わりはありません。

一方、円資産をドル換算してみると、資産が2割以上減ったということになります。 また、為替の影響は様々なところにでてきます。 エネルギーや原材料を輸入に頼っている日本では円安により価格が高騰します。

外貨を保有していれば、外貨のまま支払えばよいので、円安の影響を受けることはありません。 つまりインフレ対策にもなるということです。 外貨資産の保有が資産価値を守る一つの対策といえるのではないでしょうか。

2. 為替の変動要因とは
ところで、外貨資産の保有をためらう理由の一つに為替変動リスクがあります。 為替変動の大きくは需給のバランスで決まりますが、以下のような要因が挙げられます。

このように為替レートは様々な要因が絡み合って決まります。 複雑であり、予想が難しいといえます。 為替の動きに一喜一憂し、為替の売買を繰り返すのではなく、外貨資産を保有し続けることで様々な要因に対応できます。

3. まずはドル保有から
現在日本でも様々な国の通貨を購入することができます。 高金利通貨には魅力がありますが、為替手数料や国の情勢等を考えると、よく検討する必要があります。 まずは基軸通貨であり、流通量も多く、取扱商品も豊富なドルの保有がおすすめです。

取引高シェア



出典: BISトリエンナーレ中央銀行調査
https://www.bis.org/statistics/rpfx19_fx.htm

4.外貨建て商品の種類と特徴
現在は外貨を現金で保有するだけではなく、様々な金融商品を外貨建てで購入することが可能です。

主な外貨建て(ドル建て)商品



筆者作成


5.外貨保有の注意点とポイント

  • 為替変動リスクがある
  • 為替手数料がかかる
  • 外貨資産を何のために保有するのか、目的を明確にする
  • 一度保有したらそのまま保有し続ける
  • 時間を分散して購入する、ドルコスト平均法を活用する

 

■ おわりに
安心安全と思われている円資産だけの保有が、現在はむしろリスクになっていると考えらます。 外貨資産を保有することは単純に資産を増やすことが目的ではなく、資産を守るという意味合いの方が強いと思われます。

今一度、資産配分をご確認いただき、為替変動に動じないよう、外貨資産の保有を検討されてみてはいかがでしょうか。


※ 今回の内容で推奨・非推奨している投資方法は将来の運用成果を何ら保証するものではなく、考え方の一例を示したものです。

※ 投資にはリスクがございます。
実際の運用にあたっては目論見書等をご覧いただき、ご自身の判断と責任のもと、行っていただくようお願いいたします。


コンシェルジュ 廣田 舞子

いかがでしたでしょうか?

ご資産の中でどれくらい外貨資産を保有すればよいのか、ご自身にあった金融商品はどのようなものなのか、専門家への相談が効果的です。

株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーでは資産形成におけるコンサルティングを数多く取り扱っております。

資産運用をこれから始めていきたいと考えていらっしゃる先生や、現在の運用を見直したいと感じておられる先生はぜひ当社をご活用いただければと思います。

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