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m3コンシェルジュ 松尾 貴博

リスクマネジメント・ラボラトリー

松尾 貴博

親からの贈与や共同経営、親子間承継などの特殊な事情がない限り、クリニック開業時には、多額の借入れをします。 もちろん、出来るだけ担保を少なくすべきですし、金利も低いに越したことはありません。

ただ、借入れが少なすぎても、先生の生活資金が不足した際に生活が不安定になってしまうというジレンマがあります。

適正な借入額を計画したうえで、先生に有利な方法で資金調達するためには、どのようなポイントがあるのでしょうか?

執筆は、クリニックの開業支援から、法人化の検討、相続・事業承継までワンストップで対応している税理士法人シリウスの米山 憲子税理士にお願いしました。

それでは、どうぞ。

ホップ、ステップ、開業ジャンプ!
開業時の資金調達のポイント

ホップ、ステップ、開業ジャンプ!

開業時の資金調達のポイント

■ 物件を探すと同時に資金計画!

クリニック開業では、開業にかかる賃貸物件の保証金や手数料、内装費、医療機器、医療材料費、広告宣伝費などの初期費用のほか、開業後の運転資金も確保しなければなりません。

開業物件や診療科、施設規模、導入する医療機器などにより幅がありますが、内科クリニックでテナント開業する場合、5,000万円以上の資金が必要になるケースが一般的です。

 

■ 運転資金の設定が重要ポイント

開業時に必要な資金を把握するために作成するのが「資金計画」です。 この資金計画は、クリニック経営の将来予測を資金面から見たもので、作成のためには、内装費、医療機器など設備投資の総額を算出して、診療圏調査の結果から導き出された患者数などを基に、毎月の医業損益をシミュレートし、運転資金の必要額と返済可能な金額を計算していきます。

健全な資金計画を立てるためには、運転資金の設定がカギとなります。 一般的に、開業直後から単月黒字を達成することは非常に難しく、多くのケースで数か月間の赤字を覚悟しなければなりません。 この期間を乗り切るために必要なことが、運転資金の準備です。

「運転資金」は、損益分岐点に達しキャッシュフローが安定するまでの期間をカバーする費用で、患者数の見込みや借入金の返済スケジュールなどを加味しながら慎重に決めるべきものです。

実際、資金計画の根拠が曖昧なまま開業した結果、数か月後に資金繰りが厳しくなり、金融機関からの追加融資も受けられずに閉院の瀬戸際に追い込まれるクリニックもあります。 なお、金融機関は、一般的に資金計画の甘さによる運転資金の追加融資は非常に嫌がります。

 

■ リースにするか、借入れにするか

医療機器の購入を検討する際に、リースにするか借入れにするかということは、悩ましいポイントの1つです。 リースであれば、5年ごとに新品に交換できます。 借入れであれば、返済後は負担ゼロで医療機器を利用できます。 双方にメリット・デメリットがありますが、純粋に支払額(金利)の観点から見るとどうなるのでしょうか。

5年後に医療機器の買取りや再リースをするのであれば、リースよりも借入れを検討した方が良いことが多いです。

例えば、1,000万円の医療機器を、5年リース、リース料率1.8%で契約した場合、月々の支払額は18万円になります。

一方、医療機器の購入費用1,000万円を全額借入れして返済する場合の金利と比較してみます。 この場合、単純計算では3.1%の金利になり、一見高いように思えますが、リースには月々の返済額にリース会社が代わりに負担している固定資産税や保険料などが含まれているため、実質的には2%台後半になると考えられます。

医療機器は5年で劣化し更新を考えるものもあれば、5年後でも十分に使用でき、買取りや再リースをする見込みが高いものもあります。

5年より長く使うものに関しては、買取りまたは再リースを繰り返すよりも、長期間かつ低金利で利用できる借入れを検討した方が良いと思われます。 逆に、5年後に医療機器が劣化し更新を考えるのであれば、リースでも十分に悪くない取引と言えます。

m3コンシェルジュ 松尾 貴博

いかがでしたでしょうか?

特に医療機器に関する資金調達は、金利という側面や医療機器の使用期間などを鑑みて、標榜科目ごとでも判断がわかれますね。

2016年11月6日(日)に当社主催で、税理士法人シリウスの米山 憲子税理士を講師に迎え、「クリニック開業塾 横浜 2016秋」を開催します。 開業準備で重要なことは、「物件選び」と「資金調達」です。

今回の開業塾では、「資金調達」だけではなく、「資金計画の立て方」も講義内容に盛り込みます。

1日で要点をまとめてお聞きになりたいという先生やご家族の方は、是非、ご参加ください。


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